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異世界マイフレンド  作者: ゆう
メインストーリー
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お絵かき

 朝ごはんを終え、今俺とミーケは二人で隣り合ってお絵描きをしている。題材はお互いの似顔絵だ。紙にお互いを書き込んでいく。ただ、書いてみるとやっぱり難しい。顔のパーツを書いていくも、あんまし似てない。俺の絵心での限界を感じる。それでもやれるだけのことはやりたい。


 俺はなるべく上手く書くために彼女を見つめる。でも、ちょっとした問題がある。そう、それは…


 今日の彼女の服がちょっと緩めなことだ。


 別に平時の時には、何の問題もない。ただ、絵を描くために彼女が前かがみになると、襟が開いて肋骨の辺りが見え隠れする。別に見たいだなんて思ってないけど、すごく目が胸元に行く。これが彼女にばれたら…

 

 なんて思っていたら、襟の辺りを彼女が手で押さえた。


 あっ!?

 

 俺が視線を彼女の顔へと上げると、彼女がこっちを見てきていた。


 やばい!


 俺がそう思ったときには、遅すぎた。


 彼女はじーっとこっちの顔を覗いてくる。俺から何かを見透かしているみたいだ。別にやましい気持ちなんて全くなかったのに。


 俺が戸惑っていると、彼女がニヤニヤしてこっちを見てくる。そして…


 「ルートのえっち。」


 そんなふざけたことをぬかしてくる。


 「なんかピラピラするのが気になって、目が行って…」


 「えっち。」


 彼女が俺の言葉に被せて言ってくる。どうやら、俺の弁明を聞く気はないみたいだ。


 「いや、ほんとに…」


 「そんなにミーケのおっぱい見たかったの?」


 彼女がニヤニヤと言ってくる。


 はっ!? 誰がそんな膨らんでもない絶壁に興味あるんだよ。


 「別に…」


 「そうは言っても、ルートさっき見てたもんね~。ほんとえっち。」


 うざっ


 「も~、ミーケの色気にメロメロになっちゃって、ルートかわい♡」


 「まな板…」


 俺は女がキレ得る一言を小声で口走る。でも…

 

 「それでもついつい見ちゃうなんて、ルートってどんだけミーケのこと好きなの~?」


 まったくもって通用しない。


 なんだ、この女?無敵か?何返しても、まったく効かないんだが。


 「………」


 俺が返答に困って黙っていると、ニマニマとイラつく顔で彼女が言葉を続けてくる。


 「ルートのざぁこ♡」


 なんだろう、この女すごく泣かしたい。この舐めたような口、すごく黙らしたい。でも落ち着け、ルート。こんな頭のイカレた女相手にするだけ無駄だ。落ち着け。


 ふー。


 よし、これで落ち着い…


 「そんな息吐くほど興奮してたなんて、ルートってほんとミーケのこと好きなんだね。」


 イラっ。


 ミーケが悪いんだからね。


 俺は立ち上がって、辺りを見回す。ある人を探すためだ。


 「ルート、いきなりどうしたの…?」


 俺の急な動きにびっくりしたのか、ミーケが戸惑う言葉を出す。俺はそれににこっと返す。正確には、ニヤッかもしれないが。


 そしてある人がいた。俺はその人へ話しかける。


 「ママさ~ん。」


 「なーに? ルートちゃん。」


 そうその人とはママさんのことだ。俺はミーケをわからせるためにママさんへと呪文を唱えた。


 「ミーケがママさん、太ったって言ってたよ♪」


 「なんですって!?」


 俺の言葉にママさんがいつもの優しい雰囲気はどこへやら、鬼へと変貌した。


 「えっ…」


 ミーケからそんな声が聞こえてきたけど、もう遅い。


 「ミーケ来なさい!」


 「はいっ!」


 そう言って、ミーケがさっきまでいた場所からこっちへとやってきた。


 「ママ何…?」


 ミーケが不安そうな声でママさんへと尋ねる。彼女も穏便に済まなさそうなのは少なくとも理解できているみたいだ。


 「私が太ったって言ってたのはほんと?」


 ママさんの詰問が始まった。

 

 「ミーケ、そんなの言ってないよ。」


 確かに今日は言ってないね。でも、ごめんね。逃がさないよ。


 「何言ってるの?ミーケ。この前クッキー作ってくれた時に言ってじゃん。失敗したせいで”ママが太っちゃった”って。」


 「あっ!?」


 ちゃんと思い出してくれたのか、ミーケ自身が俺の発言を後押ししてくれる、最悪の一声をあげた。

 

 フフフ、ミーケありがとう。

 

 「言ったのね?」


 「でも、今日は…」


 辛そうな顔で、まだミーケがもがく。でも、ママさんは許してくれなさそうだけどね。

 

 「言ったのよね?」


 「はい…。」


 ミーケから楽しい言葉がもれた。もちろん、楽しいのは俺だけだけど。


 「罰として、今からお手伝いなさい!」


 「えーっ?」


 「嫌なの?」

 

 「ルート~…」


 ミーケが俺をすがるように上目遣いで見てくる。いや、いい気味だわ。


 「頑張って♪」


 「嫌だよ。ルート、たすけてよぉぉぉおおお。」


 こうして彼女のお手伝いが決定した。




 食堂内では、給仕服に着替えたミーケが頑張ってお手伝いをしている。いやー、楽しそうだなぁ。俺はその楽しさを分け合いたいから、ミーケへと手を振る。伝われ、この気持ち♪


 俺が手を振ってるのにちゃんと気づいたのか、ミーケが忌々しそうにいこっちを睨んでくる。いやぁ、可愛らしい視線なこと。


 俺へのにらみが全く効いてないのに気づいたのか、ミーケがこっちへとやってきた。


 「ルート、絶対許さないから。」


 彼女がそんな遠吠えを吐いてくる。無様だ。でも、ちゃんと子犬の面倒は見ないといけないよね。


 「ママさ~ん、ミーケが…」


 俺の言葉はこれだけで十分だった。


 ママさんがミーケの方を”ギラッ”と睨みつける。


 「わぁぁぁぁぁぁぁああ、ママ何でもないからっ!」


 ミーケが焦りながら必死にごまかす。


 ”わからせ”にはお母さんが一番だな。うん。


 あと、俺の方はちゃんと似顔絵も完成した。シュンと、泣きそうな顔でお手伝いをしているミーケの顔がね。

たまにはこういうのも

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