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異世界マイフレンド  作者: ゆう
メインストーリー
59/190

暇 母さんと

 暇だ。


 俺はソファの上で寝転がりながら、そんなことを思っていた。お昼過ぎの時間帯、いつもならミーケと二人で遊ぶのだけど、今日はパパさんらのお手伝いで忙しいらしい。


 ミーケが忙しいって昼食の時に聞いたときは、一人で外にでもと考えていたのだけど、理由も告げられないまま、母さんに却下されてしまった。


 だから今俺は、目線の先にある天井のシミを数えている。大きさ、形がばらばらのものが多く、よく見ればシミ同士が微妙にくっついているものもある。これ1個でカウントしていいのかなー、それとも2個でカウントするべきなのか。うーん、難しい。


 何してんだろ、俺…。


「ルート、暇なの?」


 あんたのせいでな。


 俺を暇にした元凶が話しかけてきた。母さんも母さんで、俺とは別のソファで寝転がって暇そうにしている。いや、これはいつもか。


 「うん、暇。」


 「そうよね…。」


 「ねぇ、やっぱり遊びに行ったらダメ?」


 「だーめ。」


 俺が再度聞いたら、母さんは迷う素振りもなかった。むー、なんでなんだろう。


 「理由もダメ?」


 「内緒よ。」


 むっ。


 そう言われたら気になるけど、教えてくれないだろうな。でも気になる。


 「ルート…」


 「なーに?」


 んっ。


 母さんがそんな声を出してから、寝転がったままで、こっちに向いて両手を広げてきた。


 「なーに?」


 母さんが何をしたいのか分からなかったから、母さんに尋ねた。


 「抱っこしてあげようかと思って…。」


 急にどうした?いきなり…。

 

 「なんで?」


 「かわいい息子を抱っこしたくなるのに、理由なんてあると思う?」


 嘘つけ。母さんが理由なしでするわけないじゃん。


 「で、ほんとは?」


 「ほ、ほんとよ。母さんのことが信じれないの?」

 

 「うんっ!」


 だって、母さん今も戸惑ってるし。


 「っ!? いいからっ!」


 驚いた様子を見せた後、母さんが”バッ”と手を開いて催促してくる。でも…。


 「どうしたの?」


 俺がなかなか来ないことが気になったみたいで、母さんが聞いてきた。


 「えっと…。」


 歯切れの悪い俺を母さんがジッと見つめてくる。そして…

 

 「もしかして、恥ずかしいの?」


 ビクッ…。


 急にほっぺが熱くなっていく。

 

 「あらあら…。」


 母さんはそう口にして、片手で口元を隠しながら、こっちを笑ってくる。しょうがないじゃん。だって、恥ずかしんだから。いい年して、母親に抱き着きのはきついよ、まだ子供だけど。


 俺がなんて返そうか戸惑っていると、母さんが口元を隠していた手を外して、俺へと楽しそうに言葉を放った。


 「ルートちゃんはかわいいでちゅね~」


 イラっ。


 なにこの人、めっちゃ腹立つんだけど。日中寝てばっかのデブ活女のくせに。


 フン。


 俺は明後日の方向へと顔を背ける。


 「も~、そんな怒らないのっ。」


 どの口が言ってんだ、どの口がっ!こうなったら…。


 「かーたん、やっぱ抱っこしてほしー。」


 「もー、可愛いわねぇ。」

 

 母さんは優しく微笑んでから、さっきのように両手を広げる。


 俺はソファに横になっている母さんへと、正面になるように抱き着く。抱き着いた俺を母さんは、両手を俺の後ろへと回して俺が落ちないように支える。


 「最初から素直にこうしてればいいのよ。」

 

 母さんがそんなことを俺の耳元で言ってるのが聞こえた。そして…


 お腹もみもみ。


 「る、ルート何してるの?」


 「ん-、かーたんのお腹触ってる。」


 「それはわかるんだけど…」


 「かーたんのお腹前より柔らかいね♪」


 「えっ!?」


 母さんが驚愕したような表情をしている。いい表情するね。

 

 「やわらかーい。」


 「じょ、冗談よね?」


 「何がーっ?」


 「お腹のや、柔らかさよ…。」


 動揺してるねー。むふふふふ。

 

 「ん? 前よりも、すっごく柔らかいよ。」


 かわいい息子で遊んだ罪だよ、母さん。


 「そ、そうなのね…。」


 「うんっ!」


 母さんは少しの間すごく落ち込んでいた。実際は少しだけだったんだけどね。少しだけ。

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