表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界マイフレンド  作者: ゆう
メインストーリー
55/190

早朝 眠気が

 「………」


 瞼がなんだか重い。さっきから定期的に視界が真っ暗になる。意識がぼーっとして、今にも手放してしまいそうだ。でも、なんとかつなぎとめている。今の状態を端的に表すならそう、眠いってことになる。


 俺は今、いつものようにミーケ家の食堂で朝ごはんを食べ終え、片手で頬杖をついてウトウトしている。ご飯の後のこの時間はやっぱりきつい。そして目の前にも同じような状態の人がいる。


 「とーたん、眠いね。」


 「そうだな…。」


 俺と父はゆったりした速さで言葉を交換し合う。気だるげの方があってるかもしれない。


 「今日って、仕事?」


 「あぁ…。」


 「大変だね…。」


 「ほんとに…。」


 「そんなに眠そうなのに…。」


 「ほんとになっ。誰のせいだよ、誰のっ。」


 父が口調を強めてきた。こんな朝早くから、ピリピリしなくてもいいのにな。


 「”風”君かな。」


 「もう風君のことはいいって。」


 冷たい。さすがに父も飽きちゃったかな。

 

 「僕の親友だったのに…。」


 「過去形っ!?」


 「だって、僕を置いて、どこかに行っちゃたんだもん。」


 俺がそう言い終えると、父がなんだかこっちを心配そうに見てくる。いや、眠そうにかもしれない。

 

 「最近、なんだか息子が心配だよ。」


 「大丈夫だよ、こんなに愛くるしんだから。」


 「自分で言うな、自分でっ。」


 朝から父の反応がすごくいい。話してて楽しいけど…


 「そろそろ家出る時間じゃない?」


 「あっ、ほんとだな。じゃぁ、行ってくるかっ。」


 「気をつけてねー。」


 俺は頬杖をついてない方の手を、机に肘をつけたまま手を振った。


 「せめて、外まで見送ってくれたって…。」


 はーっ!?そんなの…

 

 「だるい。やだ。」


 「だるい…。あぁ、そうかよ、じゃぁ、行ってくるよっ!」


 父が辛そうに仕事に向かった。そんなに仕事に行きたくなかったのか。大人はつらいね。



 

 さて、静かになったことだし、お昼までひと眠りするか。俺は頑張って開いてた瞼を閉じて、意識を手放す。いい感じで意識が落ちていく。


 「ルート、ねぇ。」


 来てしまった。悪魔が…。


 「なーに?ミーケ。」


 「暇だから、遊ぼ。」


 魔王なのかもしれない、俺の安眠を妨害する。なんで寝たふりをしなかったんだ、俺は。


 「眠いからやだ。」


 「暇だからやだ。」


 暇だからって…。なんてひどい奴なんだ。


 「理由がひどいっ。」


 「ルートも大概だよ。」


 はーっ?こっちは睡眠という至高な理由なのに。三大欲求という言葉を知らないのか。これだからガキは…。


 「ねぇルート、なんか失礼なこと思ってない?」


 「お、思ってないけど…。」


 なんでそんな鋭いの…。


 「ふーん。」


 ミーケが俺を疑わしげに見つめてくる。彼女の大きい瞳を細めて、こっちを見定めてくるようだ。


 「うっ…。」


 「………」


 「………」


 無言のまま俺とミーケの視線が交差する。俺の方が分が悪いせいか、すごく気まずい。嫌な汗が頬に流れる。なんでこんなことに…。


 「まぁ、いいよっ。」


 ミーケからそんな言葉が出てくる。どうやら、見逃してくれるようだ。


 ふー。


 緊張から放たれ、俺が一息ついていると、


 「ねぇ、ルート…。」


 「ん?」


 「寝ててもいいよ。」


 「ほんとっ!?優しいね。」


 珍しく。


 「でしょ?その代わり、暇な間ルートにイタズラするから。」


 イタズラねー…

 

 「いいよっ。」


 だって、初心なミーケがそんな大したことできないでしょ。片頬を釣り上げて、ミーケがニヤっとしたけど、俺は気にも留めなかった。


 俺はお許しの通り、眠るために瞼を閉じる。眠気が蓄積していたのか、すぐに意識が薄れていく。もう落ちそう、そんなとき…


 つんつん。


 「………。」

 

 つんつん。


 「………。」

 

 つんつん、ぐりぐり。


 「………。」

 

 寝れない…。


 ほっぺたの微妙な刺激が気になって眠れない。それに毎回、力加減と押し方変えるの止めてくれない?すごく気になるんだけど。あと、ぐりぐりは止めろ、ぐりぐりは。微妙にいてぇわ。


 「ミーケ様…」


 「何かね、ルート君。」


 「ツンツンはなしにしませんか?」


 「それは難しい話だね。」


 どこがだよっ、どこがっ!


 「それ以外は文句言いませんので。」


 頼むから、寝かせてくれ。


 彼女は少し考えるようなしぐさをして…


 「しょうがないなー、言ったからね。」


 彼女からの了承も得られたし、俺はまた寝る準備に入る。瞳を閉じて、意識を落としていく。だけど…


 すりすり。


 ビクッ。


 俺はびっくりして、飛び起きた。唇に湿っていてざらざらしたもので擦られた感触があったからだ。俺は目を開き、隣にいるミーケの方へ振り向く。


 「何したのっ!?」


 「ん-?」


 彼女が楽しそうな声とともに、俺をニコニコしながら見つめてくる。


 「もしかして…」


 したの?


 俺は自分の唇に指で触れた。さっき触れられた場所がすごく気になる。もしかしてしちゃったのかな、ファースト…


 「拭いただけだよ。」


 「へ?」


 「ルートの唇が汚れてたから、これで拭いただけだよ。」


 そう言って、ミーケが手を少し上げて、持ってるものを見せてくる。その手にはおしぼりがあった。


 あ~~~~~っ!なるほどーっ。てっきり…。


 「なんだと思ったの?」


 そう言った彼女の顔はすごくニヤニヤしている。


 「べ、べつにーっ。」


 「ふふっ。ルートってやっぱりかわいいねっ♪」


 腹立つ。

 

 「なんでもないっ。僕寝るからっ!」


 俺はそう言って、うつぶせになったけど…


 「今から寝ちゃうと、お昼起きれないよ?」


 彼女にそう告げられた。


 へ?


 こうして俺はまた寝れなかった。最後の言葉、どこかで…。



 

明日は3本

10、12、18

なんでか、2話が3話に増えました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ