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異世界マイフレンド  作者: ゆう
メインストーリー
52/190

友達と 帰り道に

 二人ともつかれてしまったらしく、ジローラとケパは先に帰ってしまった。まぁ、二人とも相当辛そうだったからね、色々と。

 

 「僕たちも帰ろっか。」


 「そうだね。」


 こうして俺たちは空地を出て、帰路に就く。時間が時間なので、もう夕日が出ている。夕日が帰り道を照らしていて、昼間とは違ったオレンジ色の景色が俺たち二人を囲う。もう何度もこの景色を見たせいか、凄く見慣れた景色だ。


 「ねぇ、ルート…」


 俺が景色に見惚れてたら、横で一緒に進んでいる女の子が話しかけてきた。


 「ん、どうしたの?」


 「昔、帰り道でした約束って覚えてる?」


 彼女がそんなことを聞いてきた。でも全く記憶にない。


 「えっ!?そんなのし…」


 「なんかね、もし忘れたらルートがなんでもしてあげるって言ってたよ。」


 は?マジ?全然記憶にないんだけど。そんなのしたっけ。しかも、忘れてたらなんでもしてあげる?その時の俺、気前良すぎだろ。もっと先のことちゃんと考えとけよ。えっ、どうすんのよ、これ。


 「もしかして、忘れたの?」


 ミーケが不安そうな、悲しそうな目をしながら聞いてくる。

 

 やばい、やばい。忘れたのばれたら、結婚の約束とか絶対にさせられる。それはほんとにまずい。どうしたらいいんだ。考えろ。考えるんだ、俺。

 

 「わ、忘れてるわけないよ。ちゃ、ちゃんと覚えてるから。」


 「ほんとー。良かった。」


 彼女はとりあえずは安心してくれたようだ。でも、今のままではまずい。なんとか思い出さないと。こうなったらミーケから少しでも情報を聞き出して、思い出していくしかない。


 「約束したあの時って、どんくらいだったけ?」


 「んーっとね、確か3歳か4歳の時だったはずだよ。」


 広い。まだこっちで5年しか生きてないんだから、人生の40パーセントの中から探さないといけないじゃん。なんとかもう少し短くしないと…。


 「たしか4歳の時だったような気が…」


 「4歳だったかなぁ。言われてみればそんな気もするかも。」


 よし。4歳だな。4歳かー、帰り道でのこれかって記憶全くないんだけど。えー、これほんとに約束してんのか?まじで思い出せないんだけど。くっ…


 「あの時のミーケの服装ほんと可愛かったよね。あれ、なんて名前の服なの?」


 「スカートのこと?」


 「そーそー。」


 「えっとね、サロペットだね。」


 「サロペット?」


 「オーバーオールのスカートのことだよ。」


 「なるほど…。」


 そんなのほとんどいつも着てんじゃん。全然ヒントになってないよ。はー、難し過ぎだろ。せめて、シャツの色の方が出てくれればまだ良かったのに。いや、今は悲観してる場合じゃない。情報だ、情報。もう少し何か…。


 「あの日は大変だったよねー。」


 俺がミーケへと尋ねる。


 「あの日何かあったっけ?」


 ダメか―。母さんたちならいつも通り何かしらで暴れてたと思ったのに。もしかして、日常的過ぎて記憶にも残ってない感じか。


 「あったと思ってたけど、勘違いなのかも…」


 「あーっ、もしかしてルート、忘れちゃったのーっ?」


 大声を上げた後、彼女がじっと俺の目を疑いの目で見てくる。


 くっ。これ以上、情報を集めるのは時間的に無理か。今集まっているのは4歳で、ミーケのスカートの種類だけ…。これほとんどないのと一緒じゃない?全く記憶に引っかからないんだけど。


 俺が考えてる間にも、ミーケが俺の瞳を覗いてきている。スーと背中に嫌な汗が通る。これはもう…。


 「それにしても夕日がきれいだね。」


 ごまかすしかない。


 「そんなの言ってもごまか…」


 ちっ。


 「夕日の光が反射して、ミーケ、いつもに増してすごくきれいだよ。」


 「えっ!?ほんとーっ?」


 「ほんとだよ。」


 忘れろ。忘れろ。忘れろ。忘れろ。忘れろ。忘れろーーーーー。


 「えっ?すごくうれしい。」


 ミーケの顔が段々と赤くなっていく。


 イケる。イケるぞーーーーー。


 「あっ!?そう言えば、やく…」


 「手握ってもいい?いや、握るね。今日はすごく握りたいんだ。」


 「えっ?うん…」


 あぶねーーーっ。


 「でね、やく…」


 「っ!、ミーケ、つなぎ方変えるね。」


 俺はそう言って、ミーケの指と指の間に俺の指を交互に入れていく。


 「!?」

 

 ミーケは顔を下に向けてしまった。彼女の顔をそっと横から覗き見ると、顔が真っ赤になってしまっている。


 あー、はっず。すれ違う人からは、すごく微笑ましい目つきで見られる。でも、しょうがない。約束のこと追求されたら、何要求されるかわかったもんじゃないんだから。耐えろ、耐えるんだ。今耐えれば、きっと明日にはミーケも約束のことなんか忘れるんだから。


 俺たちは手を繋いだまま家の外まで何事もなく、たどり着いた。


 はー、疲れた。


 「じゃー、また後でね。」


 俺がそう言って、自宅へと向かおうとした時、


 「ねぇ、ルート…」


 「なに?」


 「約束のことだけど…」


 ドキッ。


 「嘘だから。」


 「はっ?」


 「じゃーまた後でねっ。」


 「はぁーーーーーーーーーっ!?」


 そりゃー、覚えてねぇよ。してねぇんだもん。



 

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