友達と 談笑でも
以前投稿した話が関係します
それ見た上で、見てほしい気もしますがここで触れるとネタバレにも繋がる気も…
難しい
まっ、楽しんでもらえたら嬉しいかなーと
再開してから30分くらいが経ったくらいだろうか、またケパが座り込んでいる。
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ…」
さっきよりも苦しそうだ。理由は一緒、ジローラが暴発したからだ。
「ケパ、なんかごめん。」
ジローラもさすがに申し訳なさそうにしている。ジローラの言葉に”なんか”ってついているけど。普通にジローラが悪い。
「………。」
ケパも何か訴えたそうな目をしているけど、言い放つ元気は今もないみたいだ。意味もなく立っててもしょうがないから、俺はケパの近くに腰かける。それにつられて、他二人も近くに座り込んだ。
「ジローラさ…」
俺から話を振る。
「なんだっ?」
「おっちゃん、元気?」
「一応…」
簡単な質問なのに何故かジローラの言葉の歯切れ悪い。
「なんか…」
ジローラからの言葉がまだ続くようだ。
「最近家で猫飼いだしたんだっ…」
「いいねー。」「いいですね。」
ミーケとケパから感触よさそうな反応が飛んでいく。
「よくないっ!」
二人の反応が癇に障ったみたいだ。ジローラが大声を上げる。
「そうなんですか…。」
「ごめん…。なんか、その猫すごく変なんだっ。」
「どう変なの?」
俺はジローラに尋ねる。
「なんかなっ、その猫椅子に座るんだっ。」
「飼い猫だったら、椅子に座ったりするんじゃないですか?」
「そうなのかっ!?」
「えぇ、この前お邪魔した家では、猫が椅子で座ってましたよ。」
「じゃ、じゃぁ、猫が歯を磨くのは?」
「やるって、聞いたことがありますよ。珍しいみたいですが…」
ジローラが不思議に感じていることにケパが答えていく。ケパ、猫のじゃなくて、猫がだぞ…。
「毎朝、猫が起こしに来るのは?」
「お腹がすいてたんじゃないですか?」
「そうか、普通だったのか。おらがおかしかったのか…」
ジローラがなにやら、ショックを受けている。
「じゃぁ、猫がスプーンやフォークを使うのも普通だったんだなっ。」
「いえ、そんな猫はいませんよ。」
「え?」
「え?」
ジローラとケパがお互いを見合う。
「家にいる猫は使うんだがっ!」
「猫はそんなことしまんけど…。」
「はっ?」
「は?」
「「………」」
二人が見つめ合ってフリーズしてしまっている。
「ねぇジローラ…」
俺はジローラに呼びかける。
「なんだっ?」
「さっきのもうちょっと詳しく教えて。」
「詳しく?」
「えっとねぇ、猫はどう座ってるの?」
「おしりから人間みたいに…」
「へ?」
ケパが変な声を上げる。
「歯は誰が磨いてるの?」
「猫が自分で…」
「へ?」
「猫はどう起こしてくるの?」
「ゆすって…」
「そこはまだ普通ですね…。」
「そこは普通なのかっ。」
まぁ、微妙なラインだね。
「だってさ、ケパ…」
俺はケパに振る。
「あれですよね、”ネコ”っていう名のお姉ちゃんがオチって話ですよね?」
ケパに言葉にジローラが首を横に振る。
「う、嘘ですよね。だってそれまるで人間…。」
ケパがキャパオーバーしたみたいだ。なんか小声で言ってる。
「その猫の名前、ノラって言うんだけどさっ…」
野良かー、なんか俺もその名前少し前に聞いたよ。ねぇ、果物屋のせがれ君。
「猫飼いだしてからなっ、家族みんなが集まる場で、とーちゃんとかーちゃんと猫ばっかりで話してたんだけどなっ、猫がずっと二人に向かってずっとニャーニャー話しかけてんだよっ。しかもとーちゃん達には猫が何言ってるのかわかってるみたいなんだっ。最初は違う言葉を話されてるみたいで、おら頭がおかしくなりそうだったんだけど、最近、おらも猫が何言ってるのかわかるようになってきたんだよっ。おらとうとう、頭おかしくなったのかもしれないんだっ!」
ジローラが涙ぐみながら気持ちを曝露する。
「大変だったんだね。」
「ルート、おらの気持ちを分かってくれるのは、君だけだっ!」
ごめんね、ジローラ。全くわかんないや。ケパはまだ壊れてる。しょうがなく、ミーケにも振る。
「ミーケもジローラが可哀相だとおもうよね?」
俺とジローラはミーケの方を見る。そして…
「猫ってかわいいよね。」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
ジローラは泣き出してしまった。今度、猫を見に行く感じでこの話はまとまった。感じだからね。行くとは言ってないからね。
またあの猫です。
タイトルが「ノラ」と「リンゴ」の話で出てきた猫です
この話をしたくて、ジローラ君が生まれた説があります
ケパはそのおまけで




