友達と その前に
「ミーケはさぁ、今日なんかしたいことある?」
俺はミーケにそんな質問を投げかける。今俺たちは、ぶらぶらと目的地も決めずに歩いている。正直、そろそろ目的地を決めたい。気づくと無意識に、いつもの空地へと足が向かっていて、このままではいつも通りになってしまう。別に悪いわけじゃない。じゃないんだけど、なんだか寂しい。
「うーん…」
そんな言葉を口にしながら、ミーケが俺の質問に悩んでいる。まぁ、いきなり行きたい場所って言われても難しいよね。
「そうだっ!」
俺の方でもなんか考えるかっと思考に入ろうとした時に、ミーケからそんな言葉が飛ぶ出した。早っ。
「お洋服見に行きたいっ。」
服か…。ベタだけど、嫌だなぁ。長い、長い、長い、の三拍子だもんなぁ。まずお店が多い分長くて、服選びが長くて、どっちか聞かれるのがめんどいってな具合に。一個は長いじゃなかった。それはまぁいいか。
問題はミーケがもう服屋の多い商店街の方に足が向いてしまっていることだ。このままじゃぁ、一日服屋に拘束されてしまう。それは嫌だ。絶対嫌だ。どうにかして、気持ち変えさせないと。
「ミーケさぁ…」
「ん、なーに?」
「やっぱり空き地で遊ばない?」
やっぱり、いつも通りって最高だよねっ。空き地最強。誰だよ、空き地で遊ぶの寂しいとか言ってたやつ。
「いやっ。」
ミーケは即答だった。そりゃ、そうだよな。女の子なら服、優先するよ。
「ボール遊びでもっ。」
「いやっ。」
「バトミントンはっ?」
「ぃやっ。」
くー、何かないか。ミーケの金銭が動く遊びが、何か…。俺は必死に考える。でも何にも思い浮かばない。なら他だ。
「ミーケは、お金とかちゃんと持ってるの?」
どーだ、普通5歳児がお金なんて持ち歩かないだろう。これは勝つる。
「持ってる。」
なんでだよっ!なんで持ち歩いてんの、この子。普通じゃない。いや、まだだ…。
「でも、服は高いけど、大丈夫?」
持ってても、だかが知れてるはずだ。
「大丈夫っ。だって一万近くは持ってるから。」
なんでっ。そんなの普通親が持たさないだろっ。どんな親だよ、顔が見てみたいよっ!俺なんて、こっちの世界で5000ウノ以上持ったこともないに。あぁ、泣きたい。いーや、聞いてしまえっ。
「なんで、そんなに持ってるの?」
「この前のお手伝いでお駄賃もらったよ。ルートも貰ったでしょ?」
スーベルさんのとこの手伝いか。あぁ貰ったね、そう言えば。君のアクセサリーでほとんど消えたけどねっ。あれ?これ実質俺貰ってないんじゃ。いや、もう考えても無駄だ。それよりも…。
「それでも一日だったし、そんなにいかなくない?」
「ん、だって…」
「だって?」
「ミーケはお家のお手伝いしてるから…。」
あっ、はい。そーだね、確かにしてるわ。俺とは違ったよ。なんかごめん…。ミーケは偉いね。
「ミーケはすごいね。」
「でしょっ?ルートもやる?」
「考えとくよ…。」
たぶんやらないけどね。しんどいし。
会話が一段落ついたからか、ミーケがまた商店街の方へ足を進める。なんかないのかぁ、ミーケが興味惹かれるもの。女の子、女の子と言えば…、おかし、ケーキかっ。ケーキ屋は商店街の中だけど、服屋とは筋が違うから、もしかしたらミーケが忘れてくれるかも…。
いやダメだ。俺がお金を持ってない。誘った手前、誘った方が持ってないなんて言えない。家も遠いし、スーベルさんのお店はここから近いけど、この前搾り取られた父がお金なんて持ってるわけがない。
「ルートはさぁ、ミーケとお洋服みるの嫌?」
俺が諦めずに考えてたら、彼女からそんな一言が飛んできた。ミーケは目元がなんだか揺れていて、すごく不安そうだ。そんなの嫌じゃないとしか言えないじゃん。
「嫌じゃないよ、僕もすごく楽しみなんだ。」
頑張って声を作る。はぁ、終わったか。今日一日が。
俺がそう思った、そんなとき…
「おー、ルートたちじゃないかっ!」「じゃないですかっ。」
そんな声が背後から聞こえてきた。
頼むから、救いの神であってくれ。
あと1話 18時に




