ダイエット宣言 私も
一昨日の31話を読まれてない方は、できればそこから読んでいただければ幸いです。
昼食も終わり、お昼過ぎの時間。俺と母さん、ミーケの三人で自宅へと帰ってきていた。いや、ミーケが帰ってっていうのはおかしいけど。
「ねぇ、おばさん…」
「なーに?」
三人で、俺ミーケ、母さんと別のソファに座ってゆったりしている時に、ミーケが母さんへと話しかけた。
「今、おばさんがダイエットしてるって聞いたよ?」
「そうなのよ~。」
してるのか?
「やっぱり、大変?」
「すっごく大変よ。でも痩せるためなんだから頑張らないとね。」
大変?何が?いつも通りに過ごしてるだけでは?頑張るって、何を?
「そうなんだー。おばさんすごいね。」
「そんなこともあるわよ。」
おー、おー、何か自分で言ってるよ。もうちょい、何か頑張ってから言いましょーよ、お母様。
「私もダイエットとかした方がいいかなー?」
少し悩むようにミーケがそんなことを言い出した。5歳でダイエットって早すぎないか?ませ過ぎだろ。
「ミーケちゃん、ダメよ。」
おっ?
「なんでっ!?」
ミーケとしては母さんからの返しが思ったものじゃなかったのか、彼女が不満を込めた驚きの声を上げた。
「それはね、大きくならないかよ。」
か、母さんがまともなこと言ってる!?
「そーなんだ…」
「そーよ。」
「でも、彼氏より大きいのも嫌だから、そんなに大きくなくてもいいんだけど…。」
ミーケが俺の方をチラチラと見てくる。一応言っとくけど、まだ彼氏でも何でもないからね。
「違う、違うのよ。」
母さんが顔を横に振る。論点はそこじゃないのよというのが伝わってくる。
「何が違うの?」
「それはね、ここの大きさよ。」
そう言って、母さんが自分の胸を手で上から押さえた。あぁ、なるほど、そこね。
「おっぱいかぁ。」
ミーケもちゃんとわかったようだ。というかいきなり気まずいんだけど。なんで俺が目の前いるのに始めるの。母さんももう少し気遣ってよ。
「そうよ。ここが嫌いな男なんていないんだからっ!」
「ルートも?」
ミーケが母さんに尋ねる。逃げだしたい。でも俺がいないところで何か勝手なことを言われるのも嫌だ。
「当たり前じゃない。」
ほら。
「そうなのっ!?」
ミーケが驚きの声を上げた後、隣にいる俺の方に顔を突き出してくる。
「ねぇ、ほんとなのっ!?」
彼女の瞳が俺だけを捕らえる。逃げることも嘘をつくことさえも許してくれない。
「そこそこには…。」
うぅ…。恥ずかしいよ。
「ほらね。この前だって、出かけてる時に大きな女の子に目を奪われてたんだから。」
はっ!?
「そうなの!?」
「そうよ。」
女二人が勝手に話を広げていく。ちょっとだけ見ちゃっただけじゃん。良いじゃん、それくらい別に。
「ルート、ほんとっ!?」
ミーケが不機嫌な気持ちを込めて、こちらを責めた目つきで見つめて…、睨んでくる。
う…。
「はぃ…。」
ちょっとだけだったのに…。
「っ!? なら私ダイエットなんてしないっ!!」
なんだろ。良いほうに流れてるはずなのに、無駄に精神が削られていくような…。
「そうよ。子供なんて、ダイエットするものじゃないんだからっ!」
あんたはするなら、しろよ。クソがっ!
「うんっ!」
ミーケが気持ちのこもった良い返事をする。
「で、おばさん…、どうしたら大きくなるの?」
「それはね…」
母さんが溜める。ここが重要なんだからって、強調するように…。
「ストレスを溜めないことよ。」
またそれかっ!いやこの場合は正しいんだけど。
「どうすればいいの?」
新しくできた小さな生徒が尋ねる。
「そう、自然体でいることなのよ。」
「なるほどっ!」
「しかもこれには、ダイエッの効果もあるのっ!」
………。
「えっ!? すごい!!」
「でしょ?だから二人で目標を達成しましょ?」
………。




