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異世界マイフレンド  作者: ゆう
メインストーリー
32/190

母さんのダイエット宣言 夫と息子に

 「私ね、ダイエットしようと思うの。」


 朝起きて早々、母さんが俺と父二人にそう宣言した。


 「どうしたんだ?急に…。」


 「べ、別に理由なんかないわよ。ちょっとダイエットしたいなって思っただけよっ!」


 「ダイエット…、したい?」


 父が母さんの言葉を聞き返す。ある個所にかなりの違和感があったみたいだ。ダイエットしたいねー。しないと、じゃなくて…。


 「私がダイエットしたいって、思ったら変なわけ?」


 「いや、別にそういうわけじゃー…。」


 「でしょ?だからあなたたちもダイエット付き合ってね?」


 「「へっ!?」」

 

 母さんが恒例の意味不明なことを言い出した。なんで、いちいち付き合わせようとするのかなー。俺だけじゃなくて、父も俺の仲間のようだ。

 

 「俺たちもか?」


 「そーだよ。別にかーたんと違って、僕たちダイエットしたいわけじゃないのに…。」


 「そーだよなっ。」


 俺と父の二人がチームを組んだ。


 「だって、私が頑張ってる中、あんたたちが普段通りなんて腹立つじゃない?」


 「はっ!?そんな理由でかよっ。」


 うんうん。

 

 「あたりまえじゃない。一番重要なとこよ?」


 「そ、そうなのか?」


 そうなの?

 

 「そうよ。考えてもみてみて。」

 

 「な、何をだ?」


 「例えば、あなたが禁酒をしようと思うじゃない?」


 「いや、そもそも禁酒しようとか思わないな。」


 父が真剣な顔で言い放った。お、おう。これ、例え話なんだけど。


 「めんどくさいわね。」


 母さんがそう吐き捨てた。まっ、まぁ…。

 

 「めんど…。ひどい。」


 「仮にね、そうだとするじゃない?」


 「お、おう。か、仮にか…。」


 「横でお酒飲まれてみて?あなた、我慢できる?」


 「できない…。」


 「でしょ?」


 「あ、あぁ…」


 「そういうことよ。」


 「なるほど…。」


 父がつぶやきながら、うなずいてる。はやっ。納得すのはやっ。もうチームが瓦解しそうなんだけど。えっ、早くない?


 「ルートも…、例えば…」


 どうやら、次の標的は俺らしい。というか俺が最終防衛線になってしまってる。防御力なさすぎないか?逆に何を守れるんだよ、これ。

 

 「ミーケちゃんが他の男と遊ぶとするでしょ?腹立たない?」


 なんだか違くない?俺の方。食べ物でもないんだけど。


 「どう?」


 母さんがきらきらした目で聞いてくる。これあなたが個人的に聞きたい話しなだけでは?今はダイエットの話だろ、ダイエットの。


 「さぁ?わかんない…」


 あんたのおもちゃになんかなってたまるか。


 ハァ


 母さんがため息をついてから…


 「まだ早すぎたようね、子供には。」


 イッラ。


 なにこの人クソ腹立つんですけど。あぁ、どうせ子供ですよ。だから、言ってたまるか。ダイエットだって手伝ってなんかやるもんか。


 「で、なんでダイエットするの?」


 「そうだよっ。理由をまず教えてくれよ。」


 俺に父が追従する。


 「言わないとダメ?」


 「「ダメ。」」


 それはそうでしょ。人に手伝わせたいなら、そこは言わないと。


 「………。」


 母さんが小声で何かつぶやく。ただ、まったく聞き取れない。


 「なんだ?」「なに?」


 「太ったのよ…」


 まぁ、そうだろうね、ダイエットの理由なんて、それが一番だろうし。


 「500グラム太ったのよ。」


 「「………。」」


 500グラムって何グラムだっけ?よく分からないな。


 「言ったんだから、あんたたち手伝いなさいよねっ!」


 500グラムで何か変わるのか?誰か教えてくれない?


 「そんくらいなら、別に変らないだろ。」


 わかる。俺も父と同じ意見だよ。


 「分かってないわね。」


 「何を?」


 俺だけじゃなくて、父もわかってなかったみたいだ。

 

 「半月で500グラムずつ太っていくとするじゃない?」


 「お、おう。」


 「半年で6キロも太るのよ?」


 「なるほどっ。でもそれ太ってからダイエットすればいいんじゃないのか?」


 俺もそう思う。


 「だからダメなのよ。」


 「はい。」


 すみません。


 「一か月後、今の私からしたら1キロ太ったことになってるけど、半月後の私からしたら500グラムしか増えてないのよ?」


 「「?」」


 何言ってんだ?

 

 「つまり、太った時に行動しないと、ずっと太っていく一方なのよ。」


 「「なるほど…。」」


 「だから今日からダイエット期間です。わかりましたか?」


 「「はいっ。」」


 なんでか一瞬で陥落した。


 「で、先生、何をするのでしょうか?」


 大きいほうの生徒が尋ねた。


 「いい返事ね。とりあえずは、家に食べ物があったら食べちゃうから、今からみんなで全部食べつくしましょう。」


 「「なんでだよっ!」」


 「へっ?」

 

 良かった。俺達でも、母さんの初手チートデイくらいの防衛はできるらしい。というかそれ、ただのデブ活…。


 

 

話数調整で割と最近に書いた話です。

その為、投稿済みのものと比べて文章が少し変化しているかもしれません。



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