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異世界マイフレンド  作者: ゆう
メインストーリー
26/190

リンケージ みんなで

本日の3話目

 ミーケも今日お手伝いすることで話が落ち着ついたから、スーベルさんから今日着る制服を渡された。俺たちはそれに着替えていく。渡されたものに着替え終えると、ちょっとだけ見慣れたものだった。白いシャツと黒いパンツ、その上から、腰から下にかけてつける少し濃い目の茶色のエプロンだった。


 正直、大人と子供ではかなり見映えが違って見える。ミーケが制服を着た印象は、お料理教室に参加している子供という感じで、お遊戯感があって微笑ましさが強い。が、背丈のある父が制服を着ている姿は、おしゃれな店のウエイターって感じで、日頃のダメさが薄れてかなりかっこいい。馬子にも衣装とはこのことか。


 「ルート、似合ってる?」


 ミーケが感想を求めてきた。まぁ、気になるよね。


 「かわいらしいよ。」


 俺がそう返すと、ミーケの頬が”ぷくー”と膨れる。お気に召さなかったか。


 「子供扱いしないでよ。」


 まぁ、そうだよね。でもしょうがないじゃん、子供なんだから。俺は一応ミーケに自分がどんな感じか聞いてみる。やっぱ気になるもん。


 「僕はどう?」


 「えっとね、かわいらしいよ。」


 まぁ、そうだよね。似たような印象だよね。だって子供だもん。


 「一緒じゃんっ。」


 「ほんとだね。」


 そう言って俺たちは笑い合う。そこにもう一人が乱入してきた。


 「とーさんはどうだ?似合ってるか?」


 なんていうか、自分の父が褒めて褒めてって寄ってくるのはなんか辛い。いいのか、それで。ちょっと悲しい気持ちになりながらも、俺は父にちゃんと返してあげる。なんかおかしくね。


 「ニアッテルヨ。」


 気持ちが抑えきれず、ちょっとだけ棒読みになってしまった。まぁ、いっか。


 「だよな、だよな。俺もそう思うんだ。やっぱ、俺って結構イケてるよな。」


 もしかして、この前の父はモテなかったって話まだ気にしてたのかなぁ。自分の親が必死に自賛してるの見るのはなんかつらいけど、自賛しないとやってけないくらい辛かったなら、しょうがないか。俺は父の心の中を理解すると、すごく可哀相に感じた。きっとそれが俺の表情に表れてたんだろう。


 「ルート君、そんな可哀相なものを見るような目は止めて。」


 父にそう言われてしまった。ごめんよ。ちゃんと感想言うか。


 「大丈夫だよ。今日はかっこいいから。」


 「今日はってなにっ!?」


 俺はその言葉に、にこっと笑顔だけ返す。


 「ねぇ、今日って!?もしかしていつもはかっこ悪いの?ねぇ!」


 俺は父の言葉を無視して、スーベルさんに着替え終わったことを伝えるために控室を出る。後ろでは、ミーケに父が同じ質問をしていたが、ミーケもかわいい笑顔で返してあげるだけだった。父よ、そういうとこだよ。


 俺たち三人は、スーベルさんに合流した。父からは怨霊に憑りつかれたように、何かつぶやいてるのが聞こえてくるが、誰も相手にしない。スーベルさんも何かあったかなんて気にせずに話を進める。


 「今日皆さんに主にやってほしいのは…。」


 その言葉を皮切りにスーベルさんが仕事の内容を説明していく。正直そこまで、難しい内容はないからなんとかできそうだ。そんなことを思ってると、スーベルさんの言葉で身が引き締まる。


 「混雑したときは、なるべく落ち着いて。多少混雑しても問題ないですので。」


 そっか、混んだりしたら焦るもんね。落ち着いてか、うん。その後も説明が続く。


 説明が終わり、一人一セットずつ支給品を渡され、キッチン担当の人に挨拶が終わって少し時間が立ってから、お店がオープンした。


 お店がオープンすると、お客さんがすぐにポツポツとやってきた。お客さんは若い女性の人が多い。やっぱ、こういうおしゃれなお店には男性はなかなか入りにくいよね。あと、ちょっと意外なのは、レストランなのにお客さんが自分たちで勝手に席に座っていくことだ。レストランだと、店員が案内してってイメージが強いからね。


 そんなお客さんたちに父がお冷を渡しに行く。テーブルの高さから、俺とミーケでは配膳は難しいから父がしてくれることになった。だから俺たちは呼ばれたら注文を聞きに行くことが仕事だ。もちろん慣れるまでは大人たちが注意を配ってくれる。ミーケが大人たちの視線を感じる中で、テキパキと接客をこなして見せた。さすが宿屋兼、食堂の子。スーベルさんもにっこりだった。


 そしてさっき、俺も初の接客をした。スーベルさん曰く、ぼちぼちだったらしい。数こなしていけば、まぁまぁの出来にはなりそうだとも一緒に言われた。そりゃぁ、ミーケには敵わないだろうけど、もうちょいマシな言い方あるだろうに。俺の初仕事はちょっぴり傷つきながらも、なんとかやっていけそうだ。




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