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異世界マイフレンド  作者: ゆう
メインストーリー
23/190

りんごを

本日2話目

 ミーケとのやりとりで精神的に疲れた俺は、夕食の後、頬杖をついて座っていた。なんか、疲れたよ。そんな俺を父が労ってくれるようだ。


 「ルート、よく頑張ったな。」


 そう言って、お俺の背中をさすってくれる。まぁまぁ癒される。

 

 「うん、もう終わったかと思ったよ。」


 俺の言葉に父が懐かしむような表情をする。きっと昔に似たようなことがあったんだろう。


 「俺も似たようなことがあったよ…。」


 やっぱりか。血は争えないね。


 「俺は逃げ切れなかったよ。お前はすげぇな。」


 父がなんか無様だ。そんな父がまだ言葉を続ける。


 「せめてなぁ、俺から言いたかったよ。」


 弱すぎて、自分の血筋が笑えない。この血筋、発言権ないの?言い終えると、父が泣き出してしまった。え?俺を労いに来たんじゃないの?この人。これ、俺が労わないといけないみたいになってるじゃん。俺があ然としてると、父がこっちをちらちら見てくる。うざすぎだろ。


 「そうなんだぁ、つらいね。」


 俺はそう言って父の頭を撫でてやる。父はすごく嬉しそうな顔をしてる。なんなの?この人。逆だろ。少しの間続けてると、父は満足したようだ。別のことに触れてくる。


 「そういやぁ、ルート。その紙袋どうした?」


 父が果物屋でもらった袋について触れてくる。そっかぁ。そういやぁ、これのこと忘れてたなぁ。猫が飲み込んだかもしれないリンゴかぁ。食べるの怖いし、捨てるの勿体ないし。処分に困るなぁ。


 「なんかね、果物屋のおっさんが…。」


 俺は猫の件の説明をしようとしたが、父は最後まで待てなかったようだ。話途中で、中身を物色し始めた。


 「おぉ、リンゴじゃないか。おいしそうだ。」


 「あぁ、それ…。」


 話も聞かず食べ始めてしまった。ありゃあ、まぁいっか。猫が飲み込んだやつでも父なら死なんやろ。俺は説明を諦めて父がリンゴを食べえているのを眺める。父は「おいしい、おいしい。」って言いながら、食べ続ける。すごく、幸せそうに食べてる。良いことや。


 父が食べ終わったところで、俺は猫の話を始めた。


 「で、さっきのが猫の飲み込んじゃったやつだったら嫌だから、どうしようかなぁって。」


 俺の説明を聞き終え頃には、父の額から汗が大量に出始めだした。顔も真っ青になっていく。どうしたんだろ。


 「ル、ルート、なんでもっと早く言ってくれなかったんだよっ!?」


 父からそんな言葉が投げかけられる。なんで、か。


 「とーたんが食べ始めちゃったし、まぁ、いいっかなぁって。」


 「まぁ、いっか…。」


 そうつぶやくと、父が自分胸のあたりに手を当てる。顔なんて、もう真っ白だ。


 「とーたん、大丈夫?」


 「なんか、気分悪い。しんどいから、俺もう帰る。」


 そう言って父が今にも死にそうな感じで帰ってしまった。さすがの父でも嫌だったか。父のそんな姿を見て、母さんがこっちにやってきた。


 「なんかあったの?」


 母さんからそう聞かれるが、同じ説明するのめんどいし、


 「さぁ?」


 テキトーにごまかして終わった。



 

 ある家でのこと。


 「これはオラたちの人生をつなげた運命の果物だから、オラたちで食べないと、な?」


 ある男がそうつぶやく。それに一匹の動物が返事をする。


 「にゃぁにゃにゃ。」


 その言葉は、本人たち以外は何を言ってるか分からないが。


 そうして、男はリンゴを2つに割って、一人と一匹でリンゴを食べてしまった。


 さすがに、人様にそんなものはあげなかったらしい。そりゃね。




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