お姉さん …?
「ん~~~っ、おいしぃ♡」
母さんの口からそんな言葉が漏れ出ている。
今は夕方、お買い物を言えた俺たちは、いつのようにミーケ家の食堂で夕食を食べている。そして、今日のご飯はまたまたハンバーグだ。今週で、もう何回目だろう。
でも、これにはちょっとした理由がある。それは、パパさんのデパートリーが少ない…
というわけでなくて、家の母さんのおねだりのせいだ。パパさんは押しに弱いらしい。いや、家の母さんがしつこいといった方が正しいのかもしれない。
まっ、そう言う感じで、今日の夕食もハンバーグだ。ちなみに、この店は巷ではハンバーグ専門店という話まで出て…、いや、止めておこう。なんだか、パパさんが可哀相だ。家の母がごめんなさい。
「ん~~~っ!!!」
そして、そんなお母様から、またそんな奇声があがっている。頬に手を当てて、何度も味を噛みしめながら。ほんと、おいしそうに食べるよね。
俺も、母さんに続くようにお皿に乗ったお肉を口の中に放り込む。別に、おいしそうに食べる母さんに触発されたわけじゃないんだからね。
ハンバーグに歯を入れた瞬間、ぶわぁぁと口の中いっぱいに肉汁が響き渡る。塩味の効いた肉汁がだ。もう、さいっこうにおいしい。ほんと、なんでこんな良いし仕事ができるんだろうね、パパさんって。
今日のハンバーグには、味付け用に、横に塩とレモンが添えれている。飽きたら、つけろという意味だろう。
ただ、正直言って珍しい。だって、普通ならトマトケチャップかソースだ。なのに、塩とレモン…。
でもね、食べてみたらわかる。このハンバーグ…、味付けにかなりの量の塩コショウがされている。お肉だけで薄すぎず、そして辛すぎない絶妙なほどちょうど良い量の。
一口噛む。すると、塩コショウが見事なアクセントになっている肉汁が口の中全体に届いてくるのだ。不味いわけがない。そしてくどくなったら、レモンでさっぱりとした風味。もう見事だ。
「「「「はぁ…」」」」
家族全員がパパさんのハンバーグに惚けている。頬を赤らめて、少し遠くを見るように。父さんのそんな顔はちょっときついけど…。でも、今日だけはしょうがない。だって、美味しいんだもの。父さんの顔を見なかったら、済むだけだ。
俺たち家族がしばらくの間ハンバーグを堪能していると、隣のテーブルからも感触の良い声が聞こえてきた。
「おいしぃ。」
「でしょ?言ったっしょ?」
「うん。ルーナの言う通りだった…。」
「にしし、ここのハンバーグ…、さすが専門店だけあって本当においしんだから。」
そんな女の人達の会話が…。
ははは。
ここ…、一応、ただの宿泊兼、大衆食堂なんだけどね。
パパさん…。
俺は隣のテーブルから聞こえてきた声に、思わずそんなことを思ってしまう。そして、隣のテーブルに視線をやる。すると…
そこには見覚えのある女の人がいた。
この人、確かとこかで…。
俺はぼけーっと、見覚えのある女の人を眺める。
えーっと…
そんな俺の視線に気づいたのか、そのお姉さんから声が飛んできた。
「どうしたん僕?」
俺はお姉さんを見つめる。
髪は金髪で、ちょっと長そうな髪の毛を頭の斜め上くらいで一つに縛って垂らしている。小顔ながらもちょっとシャープな輪郭と少しキツめの目つきで、顔は童顔ではなくてキレイ系だ。
そして、すごく見覚えがある。それに、なんというかお姉さんの顔を見ていたら何故か心が少し痛む。不思議だ。
「お姉さん、なんか見覚えあるなぁって…。」
「にしし。ナンパじゃなくて?でもごめんね。さすがに、僕くらい年の子は、好みじゃないないなぁ。」
お姉さんがなんかほざいてくる。
「んー、本当に見覚えがあるんだよね。まるで、今日見かけてたような気が…。」
「無視っ!?」
お姉さんがニコニコとしながら、そう口に出す。そして、俺と同じテーブルにいたある区画から強い視線が来ているけど、そっちも当然無視だ。ややこしくなる。
ほんと、どこで見かけたんだろう。今日は商店街に出掛けたんだから、たぶん商店街で見かけたんだよな。で、お姉さんを見てると何故か痛む心…。
今日、心が痛むような出来事っていうと、服屋でのお兄さんくらい…。
うん?あれ?服屋でのお兄さん?
!!!
あっ、もしかして…
「お姉さん、今日商店街の服屋さん行った?」
「ん?んー、行ったよ〜。」
おっ…
「男の人と…?」
「そうだよ。」
うん、なるほどねっ。
「お兄さんの彼女さんかっ!」
お兄さんと一緒にいたお姉さんか。それは、見覚えはあるけど、なかなか思い出せないね。うん。
あ〜、でも良かった。思い出せて。
俺が心の中のモヤモヤが消えて、スッキリしていると、お姉さんから声が聞こえてきた。
「ウチ、彼氏いないんだけど…」
そんな言葉が…。
ははは。じゃぁ、やっぱり…
これが、俺とお姉さんのちゃんとした出会いだった。
土日で5話で
もう少し色んなキャラ書いてみたいから、キャラ増やすかも…
でも、まだ書いてもないから、増えるとしてもだいぶ先って感じで…
あと、お兄さんが誰か分からないって方は
リンケージ
お買物
お買物って
この3つの回?章?の、それぞれどっかで出てくるんで良かったらどうぞ




