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異世界マイフレンド  作者: ゆう
メインストーリー
12/190

いつもの日常 遊びに行く2

本日3話の2話目

 ミーケとボールキャッチを始めてかなりの時間がたった。最初と比べて二人ともだいぶ箱でボールを受けとめれるようになった。でもミーケの方が先にコツを掴んだから教えてもらったのは普通に悔しい。俺の前世とは…。


 ミーケ先生曰く、ボールが箱の底に当たる時にタイミングよく下に引いてやると良いらしい。そうすると当たった時の衝撃が弱くなって、跳ね返りが弱くなるみたいだ。あとは、ちゃんとボールを底の面でも受け止めないといけないみたい。


 よし。今ミーケが投げてきたボールもうまくとることができた。単純だけど、いい塩梅で難しいから、取れた時の達成感も感じれてちゃんと楽しい。ミーケもかなり楽しんでるみたいだし。でも彼女的にはちょっとした新しい刺激が欲しいらしい。


 「ルート、勝負しない?」


 幼馴染のミーケが勝負を仕掛けてきた。ほー。


 「勝負?」


 「えっとね、お互いに1回ずつ投げ合って、先に取れたほうが勝ち。で、二人とも取れた場合は、延長戦って感じはどう?」


 サッカーで言うと、PKと、決着つかなかったらその延長戦ってことか。

 

 「なるほど。それってなんか罰ゲームもつけるの?」


 「ん~…」


 ミーケがほっぺたのあたりに右手をあてて、どうするか考える。ちょっとずつ頭が左に傾いていく。

 

 「じゃぁ、ご褒美でいい?」


 なるほど、勝った方が負けた方にご褒美を要求できる感じか。ちょっと怖いけど、スリルがあって楽しそうだ。


 「うん、わかった。先、僕から投げていい?」


 ミーケは一瞬、ニヤッとしてから答える。「いいよー。」と。なんだろう。ちょっと気になるけど、まぁいっか。僕はさっきまでと同様にボールを投げる。ちょっとだけミーケからずれてしまった。ミーケはなんとかボールの落下点に入るもボールを落としてしまった。


 「あ、落ちちゃった。次ルートの番ね。」


 ボール落としたのにあまり気にしてない。ミーケなら悔しがりそうなのになんでだろ。俺が疑問に感じてる最中にミーケが投げようとしてくる。集中、集中。ミーケの顔が少し歪む。さっき投げていた時よりも体を深くかがませ、掛け声と共に体を跳ねらせながらボールを高く投げてくる。うーわ、せっこ。


 彼女が投げたボールが10メートル近く高く飛んでいるように感じる。こんなの取れなくね?運よくボールが落ちてくるのは、俺のいる辺りみたいだ。高すぎて細かい位置が分からないから、立ち位置を微調整する。横、前、後ろと細かく何度も。ボールが落ち始めたところで、なんとか落下地点のアタリがついた。俺はそこに箱を構える。ただ思ったよりも落ちるのが速くて、正確にキャッチできそうにない。なんとか勘を頼りに箱で受け止める。その瞬間手に強い衝撃が走った。そしてその瞬間上に何かが目の前を通り過ぎる。俺はそれを反射的に確認する。そこにあったのは、ボールだった。そんなに高く飛び跳ねていない。俺は必死にボールを追い、なんとかキャッチした。


 あんなに高く上がったボールを取れたことの達成感が凄かった。ただのラッキーとは言え、取れたことが本当にうれしい。しかも、ミーケにも勝てたし。俺嬉しさを胸にミーケの方を向く。すぐに彼女と目が合った。


 「ルートすごいっ!よくあれとれたねっ!!すっごくかっこよかったよ!!」


 ミーケが純粋に褒めてくれた。その言葉で取れたことの喜びがすっごく増える。心がすごくほくほくする。俺は気持ちを抑えれず、そのまま彼女の方に近いて、片手をあげる。彼女もそれに倣って手をあげる。


 「「いぇーい!」」


 掛け声とともに彼女とハイタッチあうる。嬉しさを抑えきれなかった。片手の後は両手でもやる。彼女のおかげで達成感をより感じる。いやぁ、さいこー。でも、ミーケさんよぉ、勝負のことはまったく忘れてないぜ。


 「勝負ついたね。」


 「そうだね、じゃぁルート、ちゅーして♡」


 はぁ!?この子は何言ってるんだろ?俺が勝ったよね?


 「ねぇ、僕が勝ったよね?」


 「そうだよ!いやぁ、ルート、ナイスキャッチだったね。」


 「そうだよねっ!じゃなくて、なんかおかしくない!?」


 「ん?何が?」


 俺の質問にミーケが首を傾けながら、質問を質問で返してくる。


 「僕が勝ったのに何でミーケにご褒美権あるんだよっ!」


 「ミーケ、勝った方にご褒美権あるなんて言ってないもん!!!」


 ふぁ!?言ったくない?え、言ってないの?卑怯くない?それ。勝負どこいった?


 もしかして、勝負が始まった時にミーケがニヤついてたの、始めからこうするつもりだったのか。え、勝負とは?納得いかないんだけど…。


 「でもマウストゥマウスなら両方勝ちみたいなもんだし、それでいいんじゃない?」


 なんか、やばい女がなんかやばいこと言いだした。なんか気づいたら引き分けみたいな話になってるのなぁぜ?俺のファインプレー、なんか意味なくない?どうしよ、なんて返せばいいかぜんぜん分かんないんだけど。


 「それともミーケとは、嫌?」


 ミーケが悲しそうな顔で言ってくる。その言葉は卑怯よ。どうもできないじゃん。なんか、なんかないか…。


 「し、将来もっとロマンティックなときの方が良くない?」


 無理ぃぃい。苦しいぃ、苦しいぃよぉぉ。そんな急に、うまいこと考えれないって…。これしかもアウトだし。ミーケ顔赤らめてるし。あーあ、これ絶対逃げれないやつやん。


 「うん、わかった♡」


 わかられちゃったよ。こうなったらあれか。将来の俺に託すしかないか。ははっ、頼んだわ。将来の俺。


 「でも、ご褒美権どうしよ?」


 一応権利が与えられそうな雰囲気になってきた。雰囲気だけ。ここだけでも無難なやつで終わらそう。これ以上墓穴を掘るのはダメだ。


 「明日のおやつとかは?」


 「いや♡」


 この女。♡つければなんでも解決すると思うなよ。全く。ミーケが頭を傾けて、「んー」という言葉を発しながら考える。かわいいのがまた腹立つ。悩む仕草をしながら彼女の顔が段々と赤くなっていく。決まったようだ。勝手に。俺に権限はやっぱなかったらしい。


 「えいっ!ご褒美♡」


 掛け声と共にミーケがハグしてきた。下から見上げるように。俺の目とぱっちりとした目が向かい合う。普通にかわいくてドキッとしてしまう。心臓の鼓動が加速する。音が感じれるくらい大きい音を奏でる。彼女に聞こえてしまいそうで恥ずかしい。


  ただ少し違和感も感じる。時たま、音が二重に聞こえる気がする。なんか目の前の人からも音が聞こえてきてる気がする。ん?なんか目の前にいる人の方がかなり大きくない?彼女もそれに気づいているようだ。彼女の顔がより赤く、鼓動がより強くなっていく。


 そして限界が来たらしい。キューという音を出しながらショートしてしまった。そっちがが気失うのかよっ!!


 こうやってデートと言う名のお出かけは彼女の介抱もさせられるらしい。どうして。




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