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異世界マイフレンド  作者: ゆう
メインストーリー
114/190

どうして 誰も…

 取り合えずは、頭を撫でた件を言わないでもらえることにはなった。なんだか、後々何か要求されそうで怖いけど…。


 そして、ママさんが俺が恐怖していた内容に触れてきた。


 「ルートちゃん、今日はミーケの部屋でいいわよね?」


 あれ?確定?なんだか、おかしくない?


 「うんっ!」


 ミーケも元気よく返事してるし。


 「僕は別の…」


 「ルートもそれでいいって!」


 あれ?さっきから全く俺の意見が最後まで言わせてまらえないんだけど。変だなー。


 「別の…」


 「なら後で、お布団持っていくわね?」


 あれ?ママさんにも、俺の意見遮られたんだけど…。あれ?


 「いやっ、ま…」


 「ママ、お布団なしでもいいよ。一緒に寝るし。」


 は?


 というか、それはまずいだろ。なんで、俺の方が危機感持ってるか知らないけど…。いや、俺の方が持つべきなのか?


 いやっ、今はそれよりも…

 

 「待っ…」


 「それもそうね。」


 あれ?永遠に二人だけで会話が進んでいくんだけど。しかも、当事者は俺なのに…。おかしくない?


 「パパさ…」


 「あなたもそれでいいわよね?」


 ママさんからパパさんへと同意を確認する言葉が飛んでいく。俺は、最後の希望のパパさんへと期待を込めたまなざしを向ける。


 パパさんお願い。助けて…。


 パパさんと視線が噛みあった。


 もしかして、まだ希望はあるのか?信じて…、信じていいのか?


 俺とパパさんの視線を噛みあうこと数秒、パパさんの表情が移り変わっていった。苦笑いへと。


 あっ…。


 「あぁ。」


 パパさん…。


 「ということで、二人ともよろしくね。」


 「うんっ。」


 終わった…。


 というか、なんだか逆じゃない?普通、女の子の方が抗う話だろうに。


 俺がそう思っていると、ママさんの悲しい呟きが聞こえてきた。


 「これでルシアさんとの楽しい話のネタがまたできたわね。うふふ。」


 「………」


 えっ?


 ねぇ、ママさん…。それはひどくない?それはすごく聞き捨てならないんだけど…。


 俺が離れていくママさんを後ろから眺めていると、俺の肩に誰かの手が置かれた。俺は置かれた方を確認すると、手を置いたのはパパさんだった。


 そんなパパさんが気まずそうな顔をしながら口を開く。


 「すまんな…。あと、オヤルも通った道だから…。」


 父さん…。


 父さんもこんな悲…


「ルート~、早く~。」


 俺が考えにふけようと思ったら、ミーケから付いてくるように催促の声がかかった。俺は思考すら、最後までさせてもらえないらしい。


 「はい…。行ってくるよ…。」


 「お、おぅ。」


 俺はパパさんにそう言い残してミーケの方に向かって歩いていった。


 パパさん、そんな微妙な表情するなら、二人を止めてくれなら良かったのに…。




 俺はミーケの後を追って、階段を上ってミーケの部屋へと進んでいく。もう少しでミーケの部屋だという時に、ミーケがいきなり声をあげた。


 「あっ!!! 下に忘れ物しちゃったっ。取ってくるから、ルートは先に部屋入ってて。」


 ミーケはそう言い残して、来た道を戻っていった。


 おっちょこちょいだなー。


 俺はそんなことを思いながら、ミーケの部屋への残り少ない距離を進む。ただ、何かが記憶に引っかかる。でも、何だったかは全く思い出せない。


 すごく印象的なことだった気がするんだけど…。


 俺は思い出せないままミーケの部屋へとたどり着いた。そしたら、何故か急に身体が震えだした。まるで、以前に恐ろしいことでもあったかのように…。


 俺はドアの取っ手を握る。でも、握った手はガクガクと震えて全く力が入らない。当然、ドアを開けることなんて出来ない。


 なんでだ?今までミーケの部屋なんて何度も入ったし。それに嫌なことなんて別になかったのに…。


 俺は必死に過去を思い返す。ただ全くといっていいほど、何も思い出せない。もしかしたら、過去の話ではないんじゃないかと疑いたくなるほどに。

 

 もしかして、夢か? 夢、夢か…。確かに、何か怖いことがあった気がする。えっと…


 俺は必死に記憶を探る。


 だけど…


 ダメだ。何も出てこない…。何か、きっかけさえあれば…


 俺は必死に考える。


 だけど、その思考を邪魔する形で、ミーケが戻ってきた。


 「ルート、どうしたの?入ってれば良かったのに…。」


 「なんか思い出した気がしたんだけど、それが何か分からなくて…」


 「ふーん…。」


 ミーケはそう相槌をしてから、俺の手を上から握る形でドアを開いた。


 俺はとっさに目を閉じた。ミーケも俺が目を閉じたのに気づいたみたいだ。


 「大丈夫だよ。片付けたから…。」


 片付けた…?


 「な、何を…?」


 「んー、お部屋をだよ。」


 「そ、そうだよね。」


 「そうだよ〜。」


 そんな変なものあるわけないよね。どうしたんだろ。無駄に警戒してしまって。きっと、何かの勘違いだな、うん。


 俺は自分を納得させてから、閉じてた目を開いて部屋へと足を踏み入れた。


 ぶるっ


 ただ、何故か一瞬だけ、身体が震えた気がした。



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