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異世界マイフレンド  作者: ゆう
メインストーリー
11/190

いつもの日常 遊びに行く

本日3話でます。

1話目

 家を追い出された俺は、一人でいるのも寂しいからミーケを遊びに誘うことにした。ミーケの家につき、ドアからひょっこり顔を出す。ママさんが近くにいた。


 「ママさん、ミーケと遊びに行ってもいい?」


 「あら、いいわよ。ちょっと待ってね。ミーケ、ルートちゃんからデートのお誘いよ。」


 「ちょっ!?」


 ママさんが大声で上の階に向かって声をかける。デートって。被害被る俺なんだけど…。上からドタッ、バタバタと音が少し続いてから、ミーケが下りてきた。


 「ルート、お待たせ。」


 息まではきれてないけど、肩が分かりやすく上下している。そんな急がなくても…。


 さっきの給仕服から私服になってる。上が白Tに、黒のサロペットスカートだった。肩ひものついたスカートのことだ。丈の長さは違うけど、なんか小学生の制服みたい。既視感があって、ちょっと懐かしい。


 「あ、ミーケ着替えたんだね。可愛らしくて、良く似合ってるよ。」


 俺の言葉に彼女の口元がにへへっと緩む。満足してくれたようで何よりだ。母さんにしっかりちょ…教育されてるからね。その成果がちゃんと出てるなら、嬉しいよ。前に、ミーケの服装を褒めなかくて、彼女が母さんに告げ口をして以来、彼女の服装に俺は無い語彙力を絞り出している。あの時はほんと凄まじかった。


 「ルートとのデートだから気合入れてきちゃった♡」


 なんか語尾に♡マークがついてそうで怖い。ママさんのせいで、なんかハードル上がって気がするんですけど。こっちからしたら、ただボール遊びをするだけなんですけど。俺はママさんの目をじっと見つめる。どうにかしてよ。


  ただママさんはどっか行ってしまう。ちゃんと目は合ってたはずなんだけどなぁ。ほんまに。もうボール遊びしようなんて言いにくいんだけど。どうすんのよ。期待してしまっているミーケにどう言おうか、苦々しく考えてると、


 「じゃー、公園でも行こっか。」


 ミーケが気を利かしてくれた。えっ、優しい。正直俺、何も悪くなかった気がするけど…。気のせいか。俺たちはそうして公園へと向かった。


 土壁や木造の住宅街を10分くらい過ぎたら、公園に到着した。遊具とかはなく、空き地に近い感覚だ。そこに俺たちはボールと箱を2箱持ってきた。ボールはバレーボールくらい、直径でいうと20センチくらい。箱は深さのない飲料水の入った段ボールくらいの大きさだ。たぶん25×30の深さが20センチくらい、中にボールが入ってると、横から少しだけボールが上にはみ出して見える。


 「今日は誰もいないんだね、ラッキーっ!!」


 ミーケが嬉しそうにはしゃぐ。この公園は子供たちの憩いの場なことから、人がいないってことはあまりない。


 「ほんとだねっ!!じゃぁ、やろっか。」


 「うんっ!!」


 今日やるのは、ボールキャッチというゲームだ。数メートル離れて、お互いに交代でボールを両手で下から上に投げ合い、それを箱でキャッチするゲーム。単純だけど、箱の底が硬いとなかなか難しい。先にミーケがボールを投げるみたいだ。


 「いっくよー、そーれ!」


 声と同時にミーケが両手でボールを投げる。俺の身長2つ、いや3つ分くらい高く上がる。ボールが後ろに越えてきそうで少し後ろに下がる。ボールが最高点に達したとき、元いた場所よりちょっと前に落ちることに気づく。やらかした。急いで数歩分足を前に動かす。セーフ。ボールが落ちる前になんとか位置の修正には間に合った。あとは受け止めるだけ。ボールの落下を最後まで確認して、ボールの通過点に箱を用意する。ボールが箱の内側に入り、手に振動が走る。よし、と思った瞬間ボールが底で跳ね返り外に出て、地面に落ちる。くー。


 「入ったと思ったのにっ!!」


 自然と、悔しい思いが言葉として漏れる。


 「ルートのへたっぴ♡」


 ミーケがあおってくる。くっそぉ。


 「次はミーケの番だよ。そーれっ!」


 俺が投げたボールはさっきミーケが投げたボールと同じくらいの高さに上がる。でもちょっとだけ勢いがあるようで、彼女を越えていきそうだった。ボールが落ち始めたが彼女はまだ反応できてない。ボールが半分近く落ちたタイミングで気づき、下がろうと反応する。でも遅かった。ミーケはボールの落下に間に合わず、ボールを頭で受けてしまった。ぷぷっ、ざまぁ。


 「いったああぁ。」


 ミーケが衝撃で、悲鳴を上げる。やわらかいから、あんまり痛くはなかったはずだ。


 「ミーケのざーこ♡」


 あおれるときにあおらないとね。ミーケは悔しくて、頬が膨れてる。いやぁ、すっごく気分がいい。


 「ルートのいじわる。言いつけてやる。」


 なんだろう、凄く恐ろしいことを言われた気がする。なんか凄く悲しい気分になってきた。ミーケは俺の悲愴感漂う顔を確認して満足する。ひどい。


 「ルート、ごめん。じょーだん♡」


 凄くいい笑顔だった。ほんまにこの子は。こうやって、冗談を言い合いながら、二人で楽しい時間を過ごした。




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