母さんの作戦と マットが
「で、本題に入るわね。」
「「はいっ!」」
母さんの一言に俺とミーケが規律正しく返事をした。
そう、俺とミーケの二人でだ。さっきまで一緒にいた父さんはどうしたかって?
それはさ…
母さんの尻の下で倒れているよ。うつ伏せでぐったりとね。これがほんとの尻に敷かれるってやつだね。
あはははは…、可哀相に…。
俺が一瞬、可哀相な父さんへと視線をやっていると、母さんの声が聞こえてきた。
「ふむ。」
どうやら、俺とミーケの返事がたいそう気に入って頂けたらしい。良かった…。
そしてそのまま、母さんが言葉を続けてくる。
「私ね、ダイエット、また頑張ってみようと思うの…。」
また…?今まで母さんが、ダイエット頑張ってた記憶ないんだけど。この前は確か、ストレスフリーで過ごすだっけ?なんか、俺が知ってるダイエットとは違う気がしたんだよなぁ。おかしなことにね。ダイエットって、世界共通じゃないことを知ったよね、うん。
俺が母さんを見つめていると、その当人は決意を固めているような強い目をしていた。
どうせあほなこと言い出すんだろうな。
俺がそんなことを考えていると、母さんの下にある置物から声がしてきた。
「ダイエットって…、お前、そんなことしたことないだろ。」
置物からそんな情報が出てくる。少なくとも前のも、ダイエットには値しないみたいだ。それはそうだね。
「あたっ。」
そして、母さんがその置物をチョップした。
「マットはしゃべらないわよ。」
マットらしい…
「マットって…。」
マット的にはマットという名前は嫌なのかな。それはそうか。ごめんね、気づいてあげるべきだったよ。
「かーたん、そのマット、マットって名前が嫌だしいよ?」
「うんうん。」
「あら、そうなのね。でもマットはマットだからね~。」
「なら、そのマットに名前をつけてあげるのはどーお?」
「へっ?」
二人の会話に、俺だけじゃなくてミーケも参戦した。
まだニックネームのついてないマットから声が聞こえてくる。
「お前ら、マットマットって…」
「いいわね、それ。何て名前にしようかしら。」
母さんの声で最後まで聞こえてこなかったけど…。
父さんががっくりと頭を落とした。いや、ソファに埋まったの方が正しいかもしれない。ほんとに今は、質の悪いマットにしか見えない。
俺はそんなマットを見つめる。
マットね~。マットと言えば動かない、だよね。当たり前だけど。今はソファの上にマットがある。ソファの上に…。本来ソファだけで十分なのに、余分に。余分、つまり無駄に。無駄、そして動かない…、そんなの…
「ニート?」
だよね?意味もなくずっとソファの上に居続けるんだから。ほぼ一緒だよね。
「おっ…」
「いいわね。それ。」
「ちょっ…」
「ルート賢いね。ミーケもすごくいいと思うよ。」
「おまっ…」
「だよね。僕もいいひらめきだと思ったんだよね。」
「「「あはははは。」」」
母さんとミーケから、好感触の言葉が返ってきた。ただなぜだか、合間合間に父さ…、違った。ソファの上で堕落しているニートが声を挟んでくる。文句でもあるみたいだ。
いいニックネームだと思うんだけどなー。
母さんが楽しそうに口を開く。
「それにしてもこのニート、すごく座り心地が悪いわ。欠陥品なのかしら。」
「かーたん、それはそうだよ。だって、ニートなんだから。」
「そうだよおばちゃん。ニートだよ?質が良いわけないよ。」
「それもそうね。ニートだもの」
「「「あははは。」」」
「おまえらーっ!」
三人で談笑してると、母さんに下敷きのままのニートが、楽しい会話を邪魔してきた。
「「「なに?」」」
「いや、えっと…」
ニートの声は歯切れが悪かった。
「なに?」
母さんだけが再度尋ねる。
「あのー、そんなニート、ニート言わないでいただけるとう、うれしいです…。」
ニートの声は段々と力が抜けていく。
「しょがないじゃない。ニートはニートなんだから。」
「いやでもさ…。」
はぁー
母さんがため息をつく。そしてそれから、言葉を発する。
「そんなにニートニート言われたくないの?」
「それはな…。」
「なら、脱ニートできるように頑張ったらいいじゃない。」
たしかに…。
母さんがまともなことを口にしている。
そして、母さんの声に対する父さんの返事は…
「………」
無言だった。
お、おいっ!それはどういうことだよっ!前の頑張るって話、どこに言ったんだよっ!!!
こうして、俺たちは本題に入っていくのだった。
入ります
明日は5時と17時にセットしたんで、よろしくです
あと、
母さんのダイエットの話は「ダイエット宣言」で
父さんの頑張るは「宴会と」〜「翌朝と」で出てきます
ただ、宴会は文章以前に読みにくいかもです
次に活かせるように頑張るんで…
という感じで、気になる方は良かったら




