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異世界マイフレンド  作者: ゆう
メインストーリー
102/190

母さんの作戦と 

 母さんのデブ活騒動から数日後、今日も俺たちはパパさんのお昼ご飯を食べてから自宅でのんびりとしていた。メンツはいつものように、俺とミーケ、それに父さんと母さんだ。


 俺はソファに普通に座っていて、そんな俺に、ミーケが俺を背もたれにするようにもたれかかってきている。そして父さんたちは、普通に座っている父さんと、その父さんの膝に母さんが寝転がりながら自分の足をのせている。


 いつものように、奔放な女性軍団だ。確実に大きい方が小さい方に悪い影響を与えてるに違いない。


 まっ、そんな感じで、のんきな時間を過ごしていたら、急に大きい方が俺たちの平和な時間を妨げてきた。


 「そういえばっ!」


 突然、母さんがそんな声があげる。俺は何事かと、母さんの方へ視線を送った。


 すると、母さんが起き上がりたいのか、体勢を起こしているところだった。


 母さんが軽く足を上へと上げてから、その反動で上半身を持ち上げる。段々と、体が座る時の体勢へと移行していく。おしりを起点にして体が起き上がって、円周をなぞるかのように母さんの上半身がソファと垂直へと近づいていく。そして、半分くらいまで差し掛かった、その瞬間、なんでか母さんの体が妙な角度で停止してしまった。おしりにも体重が乗ってはいるけど、後ろに倒れていきそうな、そんな微妙な角度で…。


 真横から見ると、”L”が少し傾いた角度、いや、”V”の方が近いかもしれない。


 「う…」


 母さんが変な大勢のまま、うなり声をあげている。もしかして、今の微妙な角度から、なんとか体を起こそうとしているのかもしれない。


 ただ、すぐに…


 「あっ…」


 そんな力が抜けたような声が母さんから漏れた。そして…


 母さんが元いた位置へと、戻るように倒れていってしまった。


 背中からソファへと。すると、母さんの足が上半身と連動するように上へと持ち上がって…


 「ぐはっ」


 父さんの顔をつま先で蹴飛ばした。


 「「「あっ。」」」


 「あ゛ぁぁ~…」


 父さんが母さんの足が当たったとこを抑えてもだえ始めた。


 うーわ…


 俺が呆気に取られていると、母さんがのそのそと起き上がる。二度目がないように…。


 さすがにね。いや、一度目だけでも十分ひどいんだけどね。


 「大丈夫?あなた。」


 起き上がった母さんが、痛みに悶えている父さんへと平坦な声で声をかけた。なんというか、母さんの声が他人事のように聞こえる。


 「いきなり何すんだよっ!」


 「何って…、ただぶつかっただけじゃない。」


 「ただって…、めっちゃ痛いんだけど?」


 「そうなのね。今度から気をつけるわ。」


 ちょっと感情がヒートしている父さんと、打って変わって母さんはすごく冷静だ。どっちがぶつけたのか不思議なくらいに。


 「ねぇ、なんでお前がそんなに落ち着いてるんだ?」


 だからか、そんな母さんに父さんが尋ねた。


 「不幸な事故だし。しょうがないことなのよ。」


 「ん?その言葉なんかおかしくないか?」


 「どこがかしら…。」


 「いやだって、なんでぶつけた方がしょうがないですまそうとしてるんだよ。普通、こっちのセリフだろ?」


 父さんがまともなことを口にする。でもさ…


 「知らないわよ。そんなの…。それにね、起きてしまったことはもう取り返せないの。分かる?だからもう、しょうがないことなのよ。分かった?」


 母さんだよ?言葉が通じるわけないじゃん。父さんも学びなよ。


 「ん!?やっぱ、なんかおかしくね?」


 父さんの頭に疑問が浮かんでいるようだ。


 ただ、父さんに考える暇を与えずに、母さんが言葉を続ける。


 「そんなことないわよ。考えてもみて?私は今回、失敗という経験をしたの。分かる?経験というのはね、失敗を将来に活かすための大事な一歩なの。私はこの重要な一歩を踏み出すことができたのよ。まず、この失敗という経験に感謝をしないといけないの。私だけでなくて、そうあなたもね…。そしてね、この失敗という経験を次に活かすために、反省しないといけないのよ。もう同じ失敗をしないために。そして私は学んだわ、今回の失敗で。無理にに起き上がらないことをね。だからね、もう私が同じ失敗をすることはないわ。それでいいじゃない。いや、それでいいのよ。だって、もう私は同じ失敗をしないのだもの。だから、あなたもそれで満足すべきなのよ。いや、逆に私に感謝しないといけないのよ?私が成長するという、貴重な体験をあなたも一緒にできたのだから。」


 「お、おう。」


 母さんの演説が終わると、父さんの口から困惑した声が漏れた。


 「だからあなた、ありがとうは?」


 ん?なんか、理解出来ない言葉が聞こえたような…。


 「へ?俺が?」


 父さんも一緒なようだ。


 そんな父さんの両手を正面から母さんが両手で握って、言葉を続ける。


 「当たり前じゃない。人から何かを学んだら、感謝するのは普通でしょ?そして今あなたは、私から至高な理念を学んだのよ?感謝して当然じゃない。でしょ?」


 横から見てると、まるで子供に諭しているように見える。


 おかしい…、何かがおかしい。だって、母さんが父さんの顔を蹴ったのが始まりなのに。どう考えても、これじゃー逆な気が…。


 「いやっ、えっ!?俺が言うのか?それに、元々謝るような話じゃなかったか?感謝とかそういんじゃなくて…。」


 「謝るでも感謝でもこの際どっちでもいいわよ。」


 「い、いいのか…?」


 良くないよ。


 父さんの頭がバグってしまってる。母さんもちゃんとそれを分かっているのか、父さんを急かす。


 「いいのよ。さぁ早く、さぁあなた!」


 「えっ?」


 「さぁ、早く!」


 「お、おぅ。すまんかった。えっ!?」


 「もうしょうがないわねー。今回だけよー?」


 困惑しながら謝る父さんに、母さんが抑揚たっぷりで恩着せがましくそう言った。


 ただ、父さんからは…

 

 「えっ?ん?はっ?」


 こんな声が少しの間、ずっと漏れていた。


 可哀想に。ただでさえ蹴られたっていうのに…。

動き書くの難しい…

あっ、今週の金曜、たぶん朝にもあがるんでよろしくです

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