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私には気になる男性がいます。

作者: 七瀬







私には気になる男性ひとがいます。

でも彼は、“薬指に指輪がありました。”

きっと“既婚者”だと思います。



私は思いきって彼に、指輪の事を訊いてみました。



『前から気になってたんですけど、“結婚してるんですか?”』

『あぁ、コレ? これはただのファッションだよ! 俺はまだ独身

なんだよね。』

『・・・じゃあ、なんで薬指に付けてるんですか?』

『この指が一番しっくりくるから、あぁ! そういえばこの指に

指輪をハメると? 女性ひとはそう思うんだよね、気をつけないと!』

『“じゃあ、結婚してないんですね!”』

『そうそう! 俺、独身だよ。』

『そうなんだ!』

『なんか嬉しそうだね! “俺が独身でホッとした?”』

『・・・えぇ、あぁ、まあ、』

『なんか伊央ちゃんって可愛いな!』

『・・・そ、そんな、別に、私はそんなに可愛くないですよ、』

『いや! 可愛いよ、俺と付き合ってみる?』

『・・・あぁ、はい!』

『ホント! マジで嬉しい!』

『・・・わ、私もです。』







あの時の私は、彼と付き合えたことが一番嬉しかった。

生まれて初めて、“好きな男性ひとと付き合える事ができたから。”

彼はいつも私に優しく、彼と会う時は、必ず“一輪の花”をくれます。

花はいつも違う花で、私の心はいつもウキウキしていました。




・・・でも? 私が彼と会う時は、彼からの連絡がある時だけです。

時間も夜10時以降は会えません。

彼は私の家に居ても、直ぐに自分の家に帰っていきます。

彼が言うには? “両親と一緒に住んでいて、親が10時には寝るので

それまでに家に帰らないと怒られる”とのことでした。

私は彼のその言葉を素直に信じきっていました。





それに? 彼とは土曜日と日曜日は会えません。

彼が言うには? “両親に親孝行をしたいからいろんな所に連れて行く”

とのことです。

私はまた素直に彼の言う事を信じました。




彼は私を“心から愛している”と言ってくれました。

私は彼を完全に信じています。

私はもう彼なしでは生きてはいけません。

私の人生に彼が居ないなんてあり得ないのです。






・・・でもある日、彼が私にこう言いました。

“俺さ、他に好きな女性ひとができたんだ、伊央なら分かって

くれるよな!”



最初はどういう事か、私は分かりませんでした。

でも彼が言うには? “伊央も好きだけど、その女性ひともスキ

だから、伊央がよければこれからも俺と付き合っていけるよな?”

私はその彼の言葉も信じました。

胸がギュッと締め付けられる想いがしましたが、それでも私は彼を信じる

事にしたんです。












・・・そのうち彼は私にこう言いました。

“彼女に俺の子供がデキたらしいんだ、ゴメン! 俺と別れてくれないか?”



私は彼にこう言いました。

【私はあなたの何? 一番にもなれない悲しい女なの?】

彼は少し焦っているようでした。

私は彼に追い打ちをかけるように言いました。

“最初からあなたが既婚者だという事も、浮気相手が居た事も知ってたわ!

分かってて、知らないふりをしたのよ。”



彼は私が、“天然か? バカな女だと思っていたはずです。”

私にそう言われて、彼はかなり動揺していました。

“心配しないで! もう私があなたに飽きたから別れてあげる!”


彼はもう何も言いませんでした。

“さようなら、私の好きだったあなた。”







・・・そしてまた新たに“私には気になる男性ひとができました。”

今度こそは、私を心から楽しませてくれる男性であってほしいのです。



最後までお読みいただきありがとうございます。

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