残念〜
取り敢えず、京子夫人がかなり根気のあるアクティブに遺産を狙う後妻だと言う事は分かった。
だけどそうなると今回の怪しい内出血は関係ない?
生活習慣病や薬や酒の愚かな飲み方で内出血するって事はあまりないだろう。
死ぬ直前には内出血しまくっているかも知れないけど、普通に不摂生が原因な内出血なら検死なり解剖なりした専門家だって分かると思う。
となると、子供たちの方が怪しいかな?
確認の為にもう少し記憶を読んで、あとは杉浦氏の死の真相を確認しないと。
幾ら元々居た悪霊の影響を受けたとは言え、あれだけの怨みを思い込みで抱くとは思えないので、京子夫人が遺体(と死霊)の前で「やっと死んだわね!私の出す物を喜んで食べてくれた上に医者の言葉を聞き流すアホで、本当に助かったわ!」とでも言ったんじゃないかなぁ?
まあ、もしかしたら杉浦氏か大元の悪霊が黒魔術の適性持ちで京子夫人の記憶を読んだのかもだけど。
と言う事で、クルミ経由でちょっとやり難かったが、なんとか今回と前回の夫の死に関して記憶を検索していく。
『折角血圧も良い感じに高くなっていたし肝臓の機能もがっつり落ちてきていたのに、何処の誰よ、警察の捜査なんて面倒な事を呼び込む事態にしたのは!?』
何か警官が言った事にイラッとしたのか、京子夫人の心の声がクルミ経由で響いた。
おっと。
やはり階段から突き落としたのも、突き落とす手配をしたのも彼女じゃあないらしい。
ちぇ。
夫殺しで司法に罰せられれば杉浦氏の敵討ちの代行って感じで無念を晴らせた事になるかな〜って期待していたのに。
殺意はあったものの実際に司法で罰せられる行動を取っていないならダメじゃん。
ガッカリしながらも気を取り直して更に記憶を探っていく。
杉浦氏の死もどの程度京子夫人が関与していたのか気になったので先にそっちを優先して探してみたら、こちらも生活習慣病を悪化させる食生活や飲酒習慣を続ける様誘導し、更には処方箋を無くしたと言ってコピーをもう一部貰って別の薬局で薬をもう一セット受け取り、過剰摂取すると危険と言われる薬を倍量で飲ませたりしていた。
一部の薬はプラセボとすり替えたりと中々手の込んだ事をしていたが・・・なんかこう、かなり勤勉で勉強熱心な寡婦志望な奥さんだったんだね。
で、結局杉浦氏が死んだのはゴルフに行く予定だった夏の日に態と薬を全てプラセボにした上で、水筒に『これに入れておけばコースで飲んでもバレないわ』と冗談めいて言いながらビールをたっぷり入れて渡したところ、狙い通りにコース上で卒中で倒れて亡くなったようだ。
勿論、彼女が関与しなければ杉浦氏は死ななかった可能性は高いし、薬をプラセボにしたのは明らかに悪意があったが・・・死ぬかどうかは確率論の話だったし、ビールは本人が自発的に持っていって飲んだので、例え検死で薬のことがバレたとしても
『主人はしょっちゅう薬を飲み忘れちゃって、翌日に2日分を飲んでいたんです。
危険だからやめた方が良いって言ったのですが今まで大丈夫だったんだから問題ないと言って私の言う事を聞いてくれなくて・・・』とでも言えば、多分検察も殺人の罪には問えないと判断しただろうなぁ。
ビールの持ち込みにしても今までも何回もしていたっぽいし。
ちなみに、どうやら遺体にご対面した時に、ちょっと馬鹿にしながら『お酒は体に悪いのよ〜』と嗤ったので杉浦氏に殺意を悟られたようだ。
う〜む。
怖いねぇ。
酒はやっぱ飲まないのが一番かな。
フランスなんかではワインは適量なら寿命が伸びるなんて言われていた様だけど、最近の研究ではどれだけ少なくても酒が体の為に良い効果は無いと分かったって新聞に出ていた。
酒は百薬の長って話もあるけど。
酒でストレスを発散出来たら長生き出来るって結果論的な話なのかね?
適量なら良いかもだけど、ストレスに負けて深酒するなら若死にへ一直線だと思うが。
それはさておき。
富田氏にも薬をプラセボにすり替えてたり、倍量を出していたなら殺人未遂っぽい感じで何か罪に問えないかな?と思って最近の記憶を調べたところ、今では処方箋で出される薬の管理がもっと厳しいせいで薬局で何やら怪しまれたっぽい質問をされて諦めたらしい。
代わりに『健康寿命を伸ばすんですって』と言って大量にサプリを摂らせていた。
サプリも摂りすぎると危険だって話だから、本人がそこら辺を分かってやっていたなら罪になるか?
警察がPCを取り押さえているなら、ネット検索の履歴とサプリ購入履歴を調べる様に田端氏に言っておこう。
富田氏の殺人を誰かが手配したんだったら、サプリの過剰摂取の幇助程度で罪に問えるかは怪しい気がするけど。
さて。
乗り掛かった船という事で子供たちのどちらかが父親を殺させたのか、調べてみるか。




