表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?!  作者: 極楽とんぼ
大学3年

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

869/1410

『私が先』って・・・

「もしかして、芽衣さんは私に死んで欲しいとか思っているの?」

穏やかな感じに宮田さんが義理の妹に尋ねる。


「はぁ?

流石に側にあるだけで死ぬ様な危険物は普通の古物商や骨董屋に売っていたりしないでしょ。

あれらは単に、側にあるとカタカタ動く気がして神経質になったり、妙に肩が凝ったりする事があるって程度な物よ。

付喪神って伝説があるでしょ?

あの黒いのが集まったのってカタカタ動く様な気がしたり幻聴が聞こえたりするように思わせる効果があるからそう言う伝承が発生したんでしょうね」

芽衣さんはちょっと馬鹿にした様に宮田さんの質問に答え、ついでに偉そうに穢れについて解説してくれた。


付喪神は単なる伝説では無く実際に実在するんだけどねぇ。

しかもここの蔵にあったのは穢れが溜まって悪い方に転化しつつある付喪神で、一歩間違えると悪霊憑きになりそうな危険物も多かったんだけど。


つまり、彼女は穢れは視認できるが退魔師とかの知識は全然無く、古物商か骨董屋から聞いた情報を元にちょっとした悪影響しか無いと思って穢れが蓄積した物を嫌がらせの為に集めていたってことなのかな?


もしかしたら宮田さんの祖父母の死とか、弟氏の前妻の交通事故とかに関わっているのかと疑ったのだが、そこまで深い企みは無かったっぽい。

クルミ経由でも過去に関して発見に対する大きな恐怖心とか満足感とかは感じられないし。


「そんな希少価値が高げな物を苦労して集めて、歓迎されていないのは察していただろうに懲りもせずに私にプレゼント攻勢していたのは・・・嫌がらせ?

そんなに手間暇かけて芽衣さんが嫌がらせしたくなる程、嫌われる様なことをした覚えはなかったのだけど」

ちょっと首を傾げながら宮田さんが尋ねる。


特に悲しそうではないのを見るに、宮田さんも芽衣さんの事があまり好きでは無かったんだろうねぇ。


相性の悪い義理の家族なんぞ無視してお互いにスルーすればいいのに。

無理に付き合おうとするから余計に軋轢を実感するんだと思うよ〜?


「嫌がらせなんて言う程のことじゃ無いわよ、単なるちょっとした悪戯よ、い・た・ず・ら!

嫌がらせって言うのは、祐一さんに最初に会ったのは私だったのにあなたが紀美を贔屓したせいで祐一さんを横取りされた様なことを言うのよ!

私が!先に!会って!!いたのに!!!

紀美だって私が祐一さんを好きだって知っていたから遠慮しようとしていたのに、あなたが紀美の背中を押したんじゃない!!

忘れたなんて、言わせないわよ!?」

ちょっと怒りに我を忘れているのか、意思誘導の術が思っていたよりも深く掛かったのか、宮田さんの質問に芽衣さんがかかなり想定外な本音を物凄い勢いでぶち撒けた。


あらま。

芽衣さん的には弟氏の前妻の後釜に彼女が入ったのでは無く、後から来た紀美さんに理不尽にも付き合っていた(のかなぁ?単に好きになっていただけだよね、多分)相手を奪われたのを、彼女の死の後に取り返したって感じらしい。


クルミ経由で確認した感情も、自分が不当に扱われたと言う怒りはあれど、それを是正する為に誰かを殺したとか殺そうとしたとか言う様な知識は相変わらず浮かび上がって来ていない。


まあ、これも芽衣さんが呪師を知らなかったからって言うのもあるからだろうけど。

穢れまみれな物を探し回って悪戯と称して一部屋が一杯になる程送りつける執念と怒りがあるのだ。


穢れた物を押し付けるよりも確実に誰かを害する手段があると知っていたら、依頼を出していた可能性は高そうだ。

もっとも、本人が気付かなかった選択肢なのだ。実際に知っていたらやったか、やらない選択を出来たかは今となっては不明だ。


「・・・紀美には芽衣と会った学園祭よりも先にバイト先の知り合いに紹介されていたのだが」

ちょっと取り残された感のある弟氏がボソリと呟いた。


「はぁぁ?!

そんな事は言って無かったわよ?!」

芽衣さんが弟氏の方を噛みつきそうな勢いで言い返す。


「そりゃあ、貴女が祐一に会った途端に理想の男性だって騒ぎまくったから紀美ちゃんも言い出し辛かったんでしょう。

第一、既に付き合い始めていたのにちゃんと関係を終わらせずに浮気関係に入って略奪したって言うならまだしも、どちらもまだ告白すらしていなかったじゃない。

だから貴女が告白しちゃって話が更に複雑になる前に、祐一に自分の想いを告げなさいって紀美ちゃんに言ったの。

紹介された時点で祐一が紀美ちゃんに惹かれていたのは分かっていたし」

宮田さんがあっさり告げる。


う〜ん。

紀美さんの方が弟氏の好みによりどストライクだったけど、それなりに告白されたら受け入れる可能性もゼロでは無い程度に芽衣さんもタイプだったのかね?

話を聞いているとこの芽衣さんはかなり強烈で、紀美さんはもっと標準的と言う印象なんだが。

二人とも配偶者として許容範囲内な弟氏ってかなり・・・大物?

まあ、こんな嫌がらせをする人が今後も好きでいるのかは話し合いをして様子見って事になるだろうけど。


・・・悪戯と称する嫌がらせを宮田さん以外にもしているか次第かなぁ。

男女の情の縺れはそれなりに奥が深いから恨みも深いかもだけど、それ以外の怒りや恨みでも穢れた骨董品をプレゼントしまくる様な人はやっぱ人格的に問題ありでしょう。


あれだけ沢山の穢れた骨董品を宮田さん一人のために買い集めたとも思い辛いけど。


どうなんだろ?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] かなり鈍感で自己中心的なタイプ? あまり近くには居てほしくないですね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ