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転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?!  作者: 極楽とんぼ
大学2年

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前提として死んでるじゃん!!

「当日は昼間はともかく、夕方以降はあまり動き回らずにどっか中心地っぽいところで待機して、ハネナガとクルミを飛ばす感じにしたら良いかも」

碧が難しい顔をしながら言った。


「そう言えば、去年もハロウィンに渋谷へ来るなって区長が声明を出してなかったっけ?」

人集めに色々と頑張っていただろうに掌返しは酷いな〜と思った記憶がある。

渋谷のハロウィンについて調べ始めたら、さっそく目に入ったのが『今年は来ないで』。

これって今年『も』、だよね。


「だね〜。

トラックが酔っ払いの集団に倒された騒ぎがあった年辺りからハロウィンは出来れば祝いたくないってスタンスになったんじゃない?」

退魔協会からのメールを見ながら碧が応じる。


考えてみたら、お祭り騒ぎで酔っ払いに絡まれてトラックが横転された場合って誰が損害賠償責任を負うんだろ?

例え壊れてなくても、横倒しなのを戻して故障がないか調べる費用は必要だろう。

交通事故じゃ無いから保険はカバーしませんなんて事になったら、運転手とか会社がめっちゃ痛い目に遭うと思うが。


まあ、やった人が確定しているならそいつらに請求するんだろうね。

海外での社会の底辺から抜け出せない人たちが鬱憤ばらしに暴れる暴動と違い、日本の騒ぎはノリでやっちゃった系だ。犯人も普通にお金がある会社員や一般家庭の学生の可能性が高いから、犯人が分かりさえすれば賠償金を分担して払えるとは思う。


そう言う点、まだ日本の馬鹿騒ぎは救いがあるよねぇ。

それに比べるとフランスとかアメリカで時々起きている暴動は、底辺から這い上がる事が出来ない移民とかが恨みや鬱憤を爆発させてる現象だから、犯人が確定したところで無い袖は振れないってやつだろう。


とは言え、そう言う馬鹿騒ぎで店舗や駐車してある車に傷がついたり酒の瓶とかが投げ捨てられる渋谷の商店街にとっては良い迷惑だろうが。


客が集まるのは嬉しいけど、集まりすぎて馬鹿騒ぎになるのは迷惑ってなんとも困ったもんだよねぇ。


「しっかし、なんだってこんな仮装大会が日本で人気になったんかね?

大元のキリスト教の聖人なんてほぼ誰も知らないだろうし、ケルトのドルイドの教えなんか更に誰も知らないだろうに」

バレンタインも日本は海外と違う風に変質しているらしいが、ハロウィンは更に訳が分からない。


「別に普通の住宅地では『トリックorトリート』なんて言って回る子供は居ないんだし、要はコスプレが好きな人が便利なところで集まれる都合が良いイベントってだけじゃ無い?

ビッグサイトとかでやるコスプレイベントってちょっと不便じゃん。

その点渋谷だったら行きやすいし、色んなジャンルの友人で集まりやすいし、上手くいけばテレビに映るかもって事で色々と便利なんじゃ無い?」

碧が言った。


なるほど。

ビックサイトとかのコスプレイベントに行くとなるとちょっとコアなオタクっぽいイメージがあるが、『渋谷でコスプレしてハロウィンを祝う』って言ったらもっと一般的な感じがして参加しやすいと思う人が多いのかな?


それで酔っ払って人様の車を壊したり区長に来るなと言われたりしたんじゃ世話ないけど。


「なんか今ではお酒の販売もかなり制限しているみたいだから以前よりはマシかもだけど、これってハネナガやクルミが当日に何かを見つけたとしても現場へ駆けつけるのが大変そうだね。

マジでコスチュームなり会場や道への呪詛を前もって見つけられると期待したいわ〜」

普段のスクランブル交差点ですら思う様に進めない時があるのだ。

コスプレで皆が浮かれている状況じゃあ周囲の人を薙ぎ倒して走ってもそうそう進めないだろう。


絡んでくる酔っ払いが多いなら認識阻害を使う手もあるが、騒いでいる連中が道を塞いでいて進めないなら認識阻害は却って困る。


「う〜ん、最悪の未来見でどの位ヤバいのか確認して、大量に死者が出そうな規模だったら田端氏にでも協力を頼んで、ヘリコプターを近くに待機させて貰うのが良いかも?」

碧がハロウィンの騒ぎが起きると想定されている渋谷の地図を悩ましげに見ながら言った。


覗き込んで見たら、かなり広い。

同じ渋谷エリアにいても、人混みが酷い混雑状態では問題が起きている現場へ早急に辿り着けないだろう。


「でもさぁ、現場のそばにヘリポート付きビルがあるとは限らなくない?

酔っ払いが大量に出歩いている路上にヘリが着陸するのはヤバ過ぎでしょう」

無責任な好奇心で誰がヘリで来たのか覗き込もうとする野次馬に酔っ払いが後ろから押されて、踏ん張れずに前に飛び出してきてヘリのブレードで腕や首が千切れ飛んだなんて事になったら悲惨すぎる。


「最悪の場合、ウィンチで降ろしてもらう様に助手を手配して貰っておけば良く無い?

警察でもそう言う訓練をしてないのかな?」

碧がちょっと自信なさげに提案する。


「確かにニュースなんかで海から海上自衛隊の人か誰かがウィンチで降りて誰かを救出しているみたいだから、不可能では無いんだろうけど・・・渋谷の路地でそれが出来るの??

ちょっと風が吹いてビルに当たったりしたら大惨事だよ??」

渋谷のハロウィン騒ぎで人が密集している通りの上で、ヘリがビルに突っ込んで墜落したりしたら呪詛テロよりも酷いことにならない??


「・・・確かに。

最寄りのヘリポートがあるビルまで飛ぶ程度が限界か。

まあ、後で大西さんにでも最悪の場合の想定で、ヘリの待機を頼む価値があるのか未来見の人に確認してもらおう」

碧が顔を顰めながら言った。


考えてみたら、ヘリが落ちたら大惨事だけど、例え奇跡的に周囲に人がいなくて誰も巻き込まれないにしても、そのヘリにウチらが乗っている予定なんだから絶対だめだね。


墜落したヘリの中の人間は絶望的でしょ・・・。



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