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久しぶりの悪霊祓い

「久しぶりに普通な悪霊祓いの依頼だね〜」

碧の実家への里帰り(私にとっては聖域詣で)から帰り、ハネナガを呼び戻し、源之助と遊びつつ収穫してきた聖域の雑草でお守りを追加生産していたら退魔協会から電話が入った。


「本当。

でも、マジに始発で良いの?

無理に付き合って貰わなくてもレンタカーだったら終電の時間を気にしないで帰れるよ?」

碧がタブレットで時間を電車の時間を確認しながら聞いてきた。


今回は仙台なので、退魔協会(と依頼人)は泊まりがけを想定していたのだが、碧が源之助を留守番させたがらなかったので日帰りする事になったのだ。


「いや、流石に仕事の後に4、5時間掛けて高速で帰るのは疲れるでしょ。

折角だから、東京からだったらどの辺まで日帰りで仕事が出来るか、リサーチがてら頑張ろう」

始発で東京を出て、終電で帰る感じにしたらそれなりに時間はあるのでは無いだろうか。

仕事に行く際に源之助同伴は難しいとなったら、どこら辺までだったら日帰りで行けるかは調べておくべきだ。


これであまりにも日帰りできるところが限られているようだったら、それこそ諏訪近辺に住んで東京以外の地方での仕事は諦めて泊まりがけで行くというのも一つの選択肢になる。


前世みたいに転移門があったら地方への出張も日帰りしやすかったんだけどねぇ。

まあ、代わりに転移門がない街への移動はかなり大変だったが。

道路はアスファルト舗装なんて無いからガタガタで埃が舞いやすいし、魔獣とか魔物や人間のアンデッドとか野盗とかがそれなりの頻度で襲って来たし。


転移門だって設置コストだけで無く維持コストも高かったから、一定以上の税を国に納める都市じゃないと設置して貰えないし、特別な理由無しに税収が決まった額を下回ったら撤去されちゃうしで数はそれなりに限られていたし。


しかも撤去されると撤去料を取られる上に再設置の際は新規設置と同じ料金を取られるんだから、『特別』な特例を認められる事が滅茶苦茶レアだったのは、ある意味当然だった。

それを恨んで王族に呪いを掛けてきた没落貴族のおっさんも居たけど、あれは自業自得だったと思う。


転移門がなくなると一気に不便になるから商家とかも大量に撤退するし、色んな費用が跳ね上がるせいで領地全体の経済がガッツリ停滞するが・・・あの領地でそもそもの税収が減ったのって領主が自分の贅沢に金を浪費しすぎたせいで、周辺道路と河川の定期整備や治安維持用の警備兵の費用を削りすぎたのが原因だったのだ。


領民が領主を恨んで呪うならまだしも、領主が王族を呪うのはちょっと筋違いだろうとあの時は思ったね。


まあ、王族に呪詛を掛けたって事で反逆罪で家族まで処刑、一族の殆どが平民落ちしたのはちょっと同情の余地はあるけど・・・領主の一族として甘い汁を吸わせて貰ってきたんだから、その分領地の統治へ目を配っておくべきだったのだ。

何だったらダメダメな領主を暗殺してまともな人間に変えるとか、一族の資産を使って必要最低限なメンテだけでもこっそりしておくとか、手はあった筈。


確かに一番悪いのは当主だった領主だが、自分にもとばっちりが来かねない案件なのだ。

他の領地で独立するなり、転移門の撤去まで行かないように手を打つなり、一族の人間だってリスク管理するべきだった。


前世の王族は色々とクソッタレだったが、統治に関してはまあまあ合理的だったのだ。

お陰であれだけクソな一族でも、誰もそれ程本気で排除しようとしなかったからクソッタレな王家が何百年も続いたのだろう。

統治をトチって国民全体に耐えられないほど苦しい思いをさせてさっさと消えるか、統治だけ比較的まともでその他がクソッタレな王家がずっと続くか。

中々微妙な二択だよねぇ。


それはさておき。

「明日は東京駅に6時発で仙台に8時ぐらいに着くから、依頼主の所に9時ぐらいに行けるかな?

そうなると家を出るのは・・・タクシーを予約しておこうか。

電車だと早朝は本数が少なくて乗り換えが微妙だし、この時間だったら道が空いているだろうし、ホテル代が掛からないんだからタクシー代で文句を言われることは無いでしょ」

碧が提案してきた。


「それで良いよん。

一応帰りが遅くなる事を想定して、源之助の夜のフードもタイマーで準備しておこうか。

朝の分はウチらが起きて動き出していたらどうせ欲しがるよね」


「だね〜」


後は・・・持ち歩き用にペットボトルのドリンクでも欲しい所だけど、駅で買えば良いか。

ちょっと割高だけど。



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