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やったかぁ・・・

色々と碧の黒歴史を教えてもらったり、藤山一族の変わり者の昔話なんかを聞かせて貰い、さてそろそろ寝ようかと腰を上げたタイミングで玄関に人が来た。

もう遅いんだけど??


「神社って誰かが亡くなったりした時に呼び出しとかがあるの?」

碧に聞いたら、渋い顔をして首を横に振られた。


「今日のアホがやらかしたみたい」

2階で源之助と遊んでいた碧ママが階段を降りてきながら溜め息と共に教えてくれた。


「やらかし?」


「時々、裏からだったら聖域に入れると思って山側から大回りして侵入しようとして迷子になるアホが居るんですよ」

翔くんが教えてくれた。


裏から回ればって・・・。

単なる立ち入り禁止の金網ではなく、仮にも神と呼ばれる白龍さまが設置した結界でしょ??

山側に回ったからって入れる訳無いじゃん。


「あの聖域の結界ってぐるっと境界門のある範囲全部を覆ってるよね??」

碧に確認する。

少なくとも、山側にも結界が続いているのは感知出来たよ?

退魔師だったら分かるだろうに。


・・・いや、退魔師になれなかったアホだから子供を何としても覚醒させようとゴリ押ししてるんだっけ?


「勿論。

でも、何故か煩いアホに限って神社側からの入り口しか結界が無いと思い込むんだよねぇ」

碧が肩を竦める。


「氏神さまの聖域だから覚醒の特効薬的な利用が出来ると思ってあれだけ騒いでいたんでしょ?

なのにたかが山肌の一部を覆うだけの結界を維持できないと思ってるの??」

やっている行動が矛盾してない?


「アホって自分の言動が矛盾していても、何故かそれに疑問を感じないのよねぇ。

一流大学を卒業したを声高に自慢にしてるようなのもいるのに」

碧が肩を竦めながら言った。


「で、アホが宿に帰らないから探すのに手伝えって話なの?」

それとも探す為に藤山家の土地に入る許可を求めに来たのかな?


「どこで迷子になったかによるけど、一応うちの敷地として立ち入り禁止の金網を張り巡らしてある範囲の中に入って怪我でもして動けなくなっている可能性もあるから、明日になったら金網の中と聖域の結界の間の部分を見て回るわ。

敷地外で迷子になってるなら勝手にしろってところね」

玄関に行っていた碧ママが戻ってきて教えてくれた。


「カラスの霊の使い魔が居るんで、何でしたら召喚しておいて明日の朝にでも聖域の外を飛ばしてみましょうか?

居ない場合は最終確認として誰かが歩いて回る必要があるかもですが、いるんだったら場所が特定できていれば迎えに行く手間も最小化できるでしょうし」

一応使い魔は日本でも残ってなくはない技能な筈。

式神系がメインらしいけど。

死霊を使うタイプは黒魔術系の適性が無いと最初の契約が出来ないから、持っている人間は限られるだろうが。


「あら。

お願いしても良い?

今の時期って山歩きすると虫に噛まれやすいのよねぇ」

碧ママが嬉しそうに聞き返してきた。


「カラスなんで暗いと駄目ですが明日の朝に飛べば何とかなると思いますから、宿泊費代わりにやらせて下さい」

いつもただ飯食べさせてもらっているからね〜。

聖域利用も助かってるし。


長距離飛行は厳しいから、ここで召喚して一働きして貰った後はまた東京で召喚し直さないとハネナガが迷子になる可能性が高いけど。

馴染みが無い場所だから、報酬の魔力は多めに必要かも。


「助かるわ〜。

じゃあ、今晩はもう寝ちゃいましょ」

碧ママが嬉しそうに玄関から戻ってきた碧パパに声を掛ける。


どうやら碧パパもこちらの話が聞こえていたらしい。


「明日は何時に起きれば良いですか?」

こう言う捜索活動って日の出とともにするのかな?

今だったら朝の5時ぐらい??

・・・キツそう。


「あんなアホの為に無理する必要は無いわ。

9時に動き始めれば十分だから、8時か8時半ぐらいに起きて朝食を食べましょ」

碧ママが言った。


まあ、確かにねぇ。

真冬で凍死リスクとかがあるならまだしも、体力的には今は一番余裕がある時期だよね。

脱水症状にならない様に飲み物ぐらいは持っているだろうし。

それも無くて数時間程度の違いで死ぬなら・・・知らんがなってとこだな。

まあ、あまり遅くなると暑くて却ってこっちが大変かもだから、今晩中にハネナガを呼んでおいて、日が登ったら適当に始めるよう交渉しておくか。


・・・あっさり見つかって5時半ぐらいに起こされたら嫌だけど。

流石にそんな事は起きないよね?



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