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物理的な家探し手伝いじゃないよ?

「ここが書斎です」

数日ぶりに会った香奈さんは、疲れた顔をしていたが最初に会った時の死ぬ直前の様な窶れた状態からは大分と回復していた。


まあ、碧が回復した後だしね。

高熱で消耗したエネルギーとカロリーは消えていたが、体調不良で狂った体内のミネラルバランスとかは調整し直してあったので、普通に食べて寝れば直ぐに健康な状態に戻れる様になっていたのだ。


父親の死と言うちょっとびっくりなイベントがあったものの、それ自体はちゃんと眠れれば健康には問題はない事件だ。

不眠対策用のお守りを渡した私、GJだった!


「分かっている金庫とか重要書類が入っている引き出しとかは開けておいて貰って良い?

それ以外の重要な書類がある場所を示す様にお父さんの霊に指示するから」

香奈さんにこれからの予定を伝える。


「え??」


呆気に取られたような返事が来た。

あれ?

もしかして、手伝って欲しいって単に書類とか引き出しを一緒になって漁る手伝いを考えていたの??


「退魔師なら誰でも出来るって訳じゃあないんだけど、凛は凄腕だから死んだ人の霊も条件が合えば召喚出来るから、お父さんの霊に重要書類の隠し場所を聞けるの。

そうじゃなきゃ、普通の家探しだったら私たちじゃ無くってプロを雇う様に言ったわよ?」

碧が香奈さんに説明した。


「もしも父親に自分の事をどう思っていたのかとか、なんだって恨まれまくる様な行動を取ったのかとか、聞きたいなら最後に聞いても良いよ?

納得できる様な答えが返ってくるとは思わないけど」

クソッタレな人間の思考回路って言うのは、普通のまともな人間が聞いても理解出来ない事が多いのだ。

説明として到底同意できない様な自己中ロジックを披露されたところで、納得は出来ないだろう。


せいぜい、運が良ければ香奈さんを身代わりにしたのはその方が父親が呪詛返しの手続きを取れるから効率的だったって言われる程度かな?

下手をしたら前世の貴族当主の様に、自分の金で養育している子供()なんだから自分の都合が良い様に使って当然だろうと言われる。


自分の優先順位が圧倒的に高いから『自分を守るのに娘の命を使うのは至極当然な事だ』とか言われかねない。

ある意味、自分に不都合が無い範囲で愛でるペット扱いだよね。


「・・・父を呼び出せるのって一度だけなんですか?」

香奈さんが暫し考え込んでから尋ねてきた。


「うんにゃ。

そこそこ長い間は再召喚出来ると思う」

多分生まれ変わったら召喚出来ないと思うが・・・前世を含めて今まで、呼び出すための媒体があったのに喚べなかった新しい霊は居ない。

数百年前の霊とかだと本人の死体があっても出来ない事があったので、そのくらいの時間が経てば転生して呼び掛けが届かなくなるっぽいが、少なくとも生きている人間が知っていた人物の霊程度だったら問題が無かったので、転生って百年近く掛かる事が多いんじゃないかな?


「まあ、生きている人間とだって話し合っても相互理解が出来ない事は多いから、霊を呼び出して言葉を交わしてもすっきり納得できる様な答えが返ってくるとは限らないのよねぇ。

よっぽど気になって眠れないとか言うんじゃない限り、過去の事は過ぎ去った事って割り切って前に進むことをお勧めするかな。

そんじゃあ、そちらの準備、よろしく!」

隠し金庫とか二重底んの引き出しとか、分かっている範囲はっさと出しておいて欲しい。


召喚の媒体は・・・香奈さん本人でいいや。

子供がいるからって召喚しようとしてうっかり血が繋がって居なかった事が判明するとめっちゃ気不味いんで、本人が生前に使っていた歯ブラシや櫛でも確保しておく方が通常の場合は無難なんだけど、今回は身代わりの術で血の繋がりは既に確認取れてるからね〜。


さっさとクソッタレな父親を呼び出して、危険な情報がどこに隠されているのか、確認しよう。


・・・それこそスイス銀行の口座情報とかが出て来たら、どうするかな。

あれって口座番号とパスワードが分かればお金を下ろせちゃいそうだから、こっそり何も言わずにお金をゲットしたら相続税逃れが出来ちゃいそう?

でもまあ、最近は1000ドル以上ぐらいの資金を出し入れすると銀行側から各国当局へ情報が流れるらしいから、ダメか。


スイスとかタックスヘブンのバミューダとかに自分の口座を既に持っていて、そこにこっそりお金を動かせるんじゃない限り大人しく相続税を払ってお金を入手するしか無いよね、多分。



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