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気圧と風

「ちなみに、風を吹かせるような符とかってある?」

源之助のブラッシングを始めた碧にふと尋ねる。


「一応?

涼む用の微風のと、戦闘用の突風のとあったと思うよ」

碧が藤山家の符サンプルが入ったバインダーが置いてある机の方を指しながら答えた。

あれも先祖代々培ってきた技能と知識の蓄積なんだから、もっと大切に隠すべきな気もするんだけどねぇ。


まあ、ここは白ちゃんとか炎華とかがいるから泥棒が入る確率(いや、厳密には何かを盗んで無事にそれを外へ持ち出せる確率だね)は限りなくゼロに近いが。


「ちょっと見てみて良い?

どんな風なロジックなのか、読み解けるか興味があるの」

今まで符を読み解こうなんて特に思わなかったが、死霊騒ぎで魔法陣の言語が実はある程度理解できる事に気がついたので、黒魔術系以外のでも分かるか、興味が出たのだ。


どうせならあの解読プログラムを利用したいところだが・・・いつか、売りに出されるだろうか?

どうも退魔協会ネットワークのファイアーウォールはズブズブらしいから、ハッカー能力があれば販売を待たずにゲット出来るのだろうが、残念ながら自分にはそんな能力はない。


マジでどっかで腕の良いハッカーと知り合いになり、プログラムの入手を頼みたい。


もっとも情報が危険すぎるので、余程信頼出来る相手でない限り仕事が終わった後にそれ関連の記憶は削除させて貰いたいところだけど。

だがハッカーにプログラムの入手を頼むのでは相手に直に会う機会も無い可能性が高いから、仕事が終わった後に記憶を消す機会があるかも不明なので手を出しにくいな。


まあ、どうやってハッカーと知り合うのかすら知らないので現実としては話にもならないけど。


それこそ多数の人の命に関わるとか言うんだったらプログラムの作成者である西田の霊を呼び出して、退魔協会のサーバーへ侵入してもらうところだけど。流石に自分の好奇心の為だけに霊を呼び出して違法行為をさせるのは顰蹙だよね〜


「符を見るのは良いけど、何を読み解こうとしてるの?」

碧がブラッシから抜け毛を取りながら聞いてくる。


「風を吹かす系の術って気圧とかを弄って風を吹かせてるのか、それとも力技で空気を動かしているのか、ちょっと気になって」

今だったら風って気圧の差とかで空気が動くから吹くって分かっているけど、前世やこちらの退魔師全盛期にはそう言う考え方って無かったと思う。

でも、力技で空気を動かすだけじゃあめっちゃ大変そうだから、何か間接的に気圧を変える効果も術に含まれていたのかも?なんて気になったんだよね。


現実的な話としては雨乞いとかを個人がやるのは実質不可能だと思うけど、危険な程の集中豪雨を齎す線状降水帯なんかはちょっとした気圧のバランスを弄ることで動かせるんじゃ無いかと言う気もするのだ。

碧の実家の方に行っている間に危険な集中豪雨でもあったら雲を動かす一助になれるよう、術を読み解けたら良いな〜なんて思ったのだ。


旱魃時に雨を降らそうと思ったら、まずは海からでも大量の水分を空気中に取り入れさせ、その空気をそこから内陸の目的地まで運び、更に刺激を与えて雨という形にして地面に落とす必要がある。


めっちゃ重労働だろう。

日本は四方海に囲まれているし細長いからどこも海からの距離はそれ程遠く無いのでまだマシかもだが、それでもねぇ。


それに比べて、この重労働のうちの『空気を動かす』だけをやれば良い線状降水帯の移動程度だったらまだ個人でも可能かも?

なんてね。


まあ現実的な話として、碧の実家付近が浸水の危機にあったら白龍さまが雨雲を動かしてくれると思うけど。


白龍さまって水龍扱いなんだから、過去には治水で旱魃や洪水時に助けたんじゃ無いかという気もするしね〜。


過去に関する夢想はさておき。

符を見て気圧の弄り方みたいのが分かるか、調べてみたい。

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