表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
545/1361

邪魔?

「あれ?!

きっつい!!」

テレビを見ていた碧が突然徐に床に手をついて腕立て伏せを始めたと思ったら、微妙な奇声をあげてぺしゃんと潰れた。


「・・・どったの?」

腕立て伏せをして挫折したのは分かるが、何故突然腕立て伏せを始めたのだろうか?


「テレビで腕立て伏せって腕じゃなくって胸の筋肉を増やす効果があるって言ってて。

適度な筋肉は健康的な体の為にもいいし、腕立て伏せをしようと思ったんだけど・・・普段から膝をついた腕立て伏せはやっているから余裕だと思って膝を付かずにやったら、やたらとキツい!!」

ちょっとびっくりした様な顔をこちらに向けながら碧が言った。


「ちなみに、腕立て伏せって手の平は斜めじゃなくって真っ直ぐで、肘も広げちゃいけないらしいよ」

膝をついて再度腕立て伏せを始めた碧に指摘する。


碧とルームシェアする前は時折近所のジムとか体育館で多少は運動していたんだよねぇ。

今では体重制限のニーズが大分と下がったのであまりやってないけど。


「え?

マジ??

・・・なんか膝をついてもキツい?!」

言われた通りにポジションを直した碧が膝付き腕立て伏せをやり始めて驚きの声を上げた。


まあ、それでもしゃべる余裕があるんだから、膝付き腕立て伏せって本当の腕立て伏せと比べて楽さが全然違うよね。


「ちなみに碧の能力で筋肉を生やしたり出来ないの?」

実は筋肉を生やしたり、決まった部位の脂肪を増やしたりって言うのを頼むのは駄目かな〜って以前からちょっと考えていたので、この際に聞いてしまおう。


可能ならば二の腕とかお腹周りの脂肪を削って胸に付け直して欲しいんだけど。


体の方も全般的に筋肉を増やすと寒さ対策になると聞いたし、新陳代謝が上がるからついでに筋肉も増やしたい。


ゆっくりと膝付き腕立て伏せを続けながら碧が応じる。

「肉を解かすって言うか体がエネルギー源にする為に特定の部位の筋肉や脂肪を吸収するのを促進するのは可能だけど、筋肉を運動せずに増やすのは難しいかなぁ。

ある程度なら筋肉が付きやすくなるように条件付けするの出来るけど、運動した時の筋肉が増える効果が少し上がる程度で、何もしてないのににょきにょき筋肉が育つ訳じゃあないんだよね。

脂肪も吸収を早くして減らすのなら可能だし、全般的に食べたエネルギーの吸収効率を上げて脂肪がつきやすくなるようにするのも可能だけど、決まった部位でだけって言うのは無理」


残念だ。

細くするのは可能でも、決めた部分だけ太くするとか大きくするのは無理なのか。


「じゃあ、『筋力』を増やすのは?

力を強くして腹筋も背筋も腕立て伏せも楽々〜って状態にして、しかもその運動で筋肉が育ってくれたら素敵だと思うんだけど」

筋トレが辛いのって要は自重やその他の負荷を体の筋肉を使って動かすのが大変だからだ。


身体強化術みたいのでそう言う運動が楽になって、かつ筋肉への負荷はちゃんとカウントして筋肉が増えてくれたら一石二鳥なんだけどなぁ。


「痛みや違和感を感じないようにするのは可能だし、実際に骨や筋肉の密度を上げて強化するのも出来るけど、パパッと術で筋力を数十分だけ上げるような術は知らないねぇ。

第一、胸の筋肉を増やすのは密度じゃなくって量を増やさなきゃ意味が無いんだから、筋肉が付きやすくなる状態にして運動するしかないかな」


碧が膝付き腕立て伏せを止めてソファに寄り掛かって座りながら教えてくれた。


そうなのかぁ。

まあ、脂肪を削れるだけマシだしスイーツブッフェに気兼ねなく行けるのは嬉しいが、増やす方は全般的に難しいとは残念だ。


白魔術師の女性ってスタイルが良い美人が多かったから、絶対何かの秘術があるんじゃないかと思うんだけどねぇ。

それとも、単に適度な運動と食事で最適な結果を得やすいだけだったのかなぁ?

考えてみたら胸が大きい人は必ずしも多くは無かった。


白魔術師は神殿所属な人が多かったから、イメージの問題で胸をバインバインにしていないだけだったのかと思っていたけど、違ったのか。


まあ、大きすぎる胸って邪魔だし重くて肩や首が凝るって知り合いの羨ましい体型の女魔術師が言っていたから、下手をしたら邪魔だって事で自分で胸部の脂肪を減らしていた可能性もワンチャンあるけど・・・。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ