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テストしよう

「出来た!・・・んだけど、どうやってテストしよう、これ」

乾燥ヨモギのポーション作成も一応成功し(効果は生の方が良かったが切り傷を治せたので汗疹にも効きそう)、作業部屋で不眠症用お守りをもくもくと作っていたら、碧が急にぐいっと背を伸ばして声を上げた。


「お、出来たんだ?

どんな効果の予定なの?」

丁度お守りを折りたたんで袋に入れている最中だったので手を止め、碧の手元を覗き込む。


お守りの魔法陣自体を描いている最中だと手を止められないので、声を上げるタイミングも碧が気を使ってくれていたのかも?


「込める霊力が少ないから、小さな怪我か、表面上の不具合の治療じゃ無いかと思うんだけど。

そう言うのって紋様を見て分からない?」

碧が逆に聞いてきた。


「う〜ん、白魔術系はあまり詳しくは知らないんだよねぇ。

治療用の魔法陣自体、あまり見かけなかったし」

元々、前世での治療は白魔術師が直接行うか、ポーションを使うかがメインだった。

だから魔法陣自体が知られていなかったし、魔道具もほぼ存在しなかった。


人間の体や命に関わる術って直接患者を診ながら施術する方が良いっていうのが常識だったから、治療用の魔道具を作るのは邪道だとされていたし。


反対に、黒魔術系の魔道具は便利だったせいで違法とされている物が多かったにも関わらずそこそこ出回っており、それを確認したり回収・破棄する過程で色々と目にする機会が多かった。


皮肉なもんだ。

西田の魔法陣解読プログラムが回復符を読み解けるのか、興味があるところだけどウチらにはコピーがないからねぇ。

いつか入手出来たら良いんだけど。


奥の手的に本人の霊を呼び出してプログラムをコンピューターに入力させるなんて事も可能かもだが、違法行為だし単なる興味だけで霊を呼び出して作業をさせるのも悪いし、ダメだよねぇ。


「取り敢えず、ポーションと同じで皮膚に傷をつけて確かめてみたら?

あと、表面上の炎症とかに効くかもって言うんだったら逆回復っぽい感じで皮膚を荒れさせて符を使ってみても良いよ?」

切り傷と汗疹や炎症とで効果の違いを視てとれるのかは知らないけど。


「え"?

逆回復??」

碧がちょっと引いた感じで聞き返してきた。


「ポーションは切り傷で試したから、カッターで切る程度なら別に問題ないじゃん?

だけども皮膚の炎症とか発疹とかに効くかもって言うのだったら逆回復でもしないとテストが難しくない?

アレルギー反応は流石に逆回復で出来ちゃうにしてもやったら後が怖そうだからちょっと避けたいけど」

アレルギー反応なんかないのに無理やり白魔術で起こしたら、体質が変わってアレルギー体質になりそうで怖い。


と言うか、アレルギーって白魔術で治せるんだっけ?

花粉症じゃないから、治してくれって頼んだことが無いし話題になったこともないんだよね。

鼻水とかくしゃみとか涙目と言った症状事体はあっさり治せるだろうけど、根本的な免疫機能の過剰反応を抑えるのって白魔術で出来るのかな?

出来そうな気もしないでも無いけど、出来るとしたら逆回復で日常的な何かへのアレルギーも引き起こせそうで、ちょっと怖い。


それこそ世の中には水にアレルギーな人もいるらしいから、そんな風に体質を変えられたら地獄だよねぇ。


碧はそんな事はしないだろうけど、白魔術師が皆が皆まともな人間とは限らないのだ。

もしもサドで人を苦しめて喜ぶ様な白魔術師が居たらと思うと、アレルギー反応を人に引き起こせるかもと言う考えは中々怖い。


「あ〜、じゃあちょっと汗疹とニキビだけ、試させてもらって良い?

そっちに効くならお守りの形に落とし込んだら売れそう」

碧がちょっと申し訳なさそうに言ってきた。


「色々助けて貰っているからね〜。

その場で治してもらえるんだから、汗疹でもニキビでも、どんとこいよ」

汗疹に関してはお守りに出来るなら欲しいし。


ポーションも良いが、日中汗だくになって動き回る羽目になる時だったらお守り完備で身を守りたい。



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