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もう少しでヤバかった

「う〜ん、アロエは来年まで待たないと無理かな。

ミントはヤバそうなぐらい育っているけど」

藤山家で一晩過ごし、翌朝早く朝食後に聖域に来た私達は入り口のそばに植えたミント(とアロエ)の前にしゃがみ込んでいた。


アロエは・・・地植えしたのだが死んでないって程度。

一応根付いたけど、やっと育ち始めた程度なのか、サイズも殆ど大きくなっていないから株分けして家に持って帰ってポーションの素材にするのは無理だろう。


サイズそのものもこっちに持ってきた時からあまり変わっていないから、枝(?)を何本か切って持って帰って家で加工してもそれ程魔素を吸収していなさそうな気がする。


植物は育つ時に魔素を吸収して凝縮するので、普通に生きているだけで吸収する分はそれ程ではないんだよね〜。

少なくとも、前世ではそうだった。

アロエが育ったら、新しく伸びた部分と元々あった部分を切り分けて、ポーションを作って効き目を比較する事で前世の知識がこちらでも当てはまるか試して見ても良いかもしれない。

うむ。

今ある部分に油性ペンで印でも付けておこう。


それはさておき。

「夏だからか、凄い元気に育ってるね。

こっちはもう蕾がついてない??」

しげしげとミントが元気一杯に育った植木鉢を見ていた碧が言った。


「だよね。

取り敢えず、これはこのまま持って帰って、何枚か葉っぱを刺して行こうか」

切って収穫して行こうかと思っていたけど、これだけ元気に育つなら刺してもう一度最初から増えてもらう方が無難だろう。


しっかり根っこが育っている状態だと、今の時期じゃあ上だけ切っても直ぐにガッツリ伸びて花を咲かせそうだ。


川からホースを繋いで水が近くをちょろちょろと流れる様にしたお陰か、ヨモギを含めた他の雑草とかも元気に育っているのだが・・・どうやらミントは想像以上に生命力が強いらしい。

季節的なものもあるのだろうが、下手に暑いからってうっかり出不精になって間を開けたら次に来たらミントが聖域のかなりの範囲に広がっていそうで怖い。


ミントを撲滅する為に聖域に火を放つなんて事になったらヤバすぎる。

まあ、考えてみたら炎華に地面を焼いてもらったらウチらが火を放って焼畑するよりもしっかり手軽かつ安全に地面を焼けるかもだが。


「そう言えば、ミントは乾燥させないの?」

前回来た際に抜いて乾燥させる為に干しておいたヨモギを私が回収しているのを見て碧が聞いてきた。


「なんか、うっかり干しておいたら見逃していた咲き終わった花が種を作って飛ばしそうで怖いんだよねぇ。

取り敢えず乾燥させて暫く保管したヨモギでポーション作りを試して、乾燥ミントは花が咲かないシーズンに試してみようかと思う」


いくらミントでも、年がら年中花を咲かす訳じゃあないよね??

秋ぐらいになったらきっと干しても大丈夫だろう。

多分。

乾燥させて保管しておいた葉がポーション作りに向かない可能性もあるし。


そう言えば、乾燥させた葉も聖域で保管しておくのと、家で保管しておくのとで違いが出るかもだな。

考えてみたら冬は汗疹の問題はないけど。

いや、冬は乾燥で肌荒れする事があるから、ポーションもどきはあったら便利ではあるか。


「そう言えば、蔵で何かいい符は見つかった?」

昨晩は家族や近所の人の話や、カリスマ祈祷師(笑)の話題で盛り上がったので、碧の探し物に関して聞く機会が無かったんだよね。


「いくつか回復用の符で記憶にないのがあったから、作ってみて使って試すつもり。

皮膚用もだけど、出来ればアレルギー反応を抑える様なのを作れたら絶対に花粉症の時期とかにはバカ売れすると思うのよね〜。

ただ、昔の人はアレルギーに悩まされている人なんて殆ど居なかったのか、もしくはアレルギーがある様な人は長生き出来なかったのか、あまりそっち関係の資料が無くって」


ミントとヨモギの処理が終わったので、以前刈り取って陰干しする為に避けてあった雑草を回収しに歩きながら碧が応じた。


「アレルギー反応って、清潔な環境でずっと過ごすと敵が少なすぎる免疫機能が暇すぎて過剰反応するから起きる症状らしいからねぇ。

昔の人だったらそこまで清潔な生活が出来なかっただろうからアレルギーになんてなる暇も無かったんかもね」

それに、蕎麦アレルギーとかだったら裕福な侍とか豪農だったら食べなくても生きていけただろうが、日常的に食べる食材がダメとなると生存は難しかったんじゃないかね?

もしくは毒を盛られていると誤解されたとか。

まあ、毒を盛られたと思われた場合にどう処理されたのかは知らないけど。


昔は杉も少なかったらしいし、何にアレルギーを起こしていたのかある意味興味がある。


「そうなんだよねぇ。

まあ、取り敢えず回復符を作ってみるから、試用よろしくね?」

碧がにっこり笑いながら言った。


「はいはい」



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