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符の効果

「そう言えば、考えてみたら回復符ってどの位効果があるの?」

収納していたポーション試作品を確かめている時にふと思いついて碧に尋ねる。


前世では基本的に回復手段はポーションか神殿の白魔術師だったから、符って言うのは無かったんだよね。

多分。

少なくとも私は見たことは無かった。


陰陽師が源になっている日本の魔術って魔道具の代わりに符を使っている感じだが、前世では治療用の魔道具って言うのもほぼ無かったし。


「うん?

どの位力を込めるかによるけど、安いのだったらちょっとした切り傷を治せて、高いのだったら関節以外の比較的単純な骨折だったらくっ付けられる程度かな?

病気には効かないし、複雑な骨折とかも対処できないね」

碧が教えてくれた。


ふうん。

前世のポーションと似た様な感じなのか。

まあ、前世のポーションが薬草からかなりの分の薬効を得ていたのに対し、こっちの回復符は完全に白魔術師の能力依存だが。

そう考えると、回復符って白魔術師の能力の一部を魔道具化している様なもんだよね。

ある意味、私が符の紋様を記憶しておけたら来世で神殿に売り付けてお金に出来そう?


まあ、ポーションを作れる薬草がある世界で回復符を作る意義がどの位あるかは微妙だが。

ポーションの瓶より嵩張らないし、錬金術師の作った容器が無くても直ぐには劣化しないのも長所だとは思うが、完全に白魔術師の能力依存だとすると量産が難しい。


白魔術師の活動に変な制限を掛ける現世みたいな世界以外だと、白魔術師は治療に忙しいから回復符なんぞ作っている暇も余力も無いだろう。

ポーションだったら薬草さえあれば普通の魔術師・・・どころかある程度魔力を注ぎ込める人間なら誰でも作れるのだ。

需給関係を考えると、ポーションを作る方が回復符を白魔術師に作成させるよりも合理的だろう。


それに汗疹対策やスキンケアだったら液体の方が塗りやすいし。


「考えてみたらスキンケアとか汗疹対策って医療行為になるの?

そっち系用の回復符を売るのも制限が掛かるのかな?」

まあ、ちゃんとした回復符ならまだしも、スキンケアや汗疹対策に使う符がどの位高く売れるかは微妙に不明だが。


「・・・医療品って言わなきゃ良いんじゃ無いかな?

それこそ肩凝り用のお守りと同じ扱いで、肌荒れ用のお守りって言って売り出したら大丈夫な気がする」

一瞬考えてから碧がニヤリと笑った。


「ちなみに、下手に怪我を治したりせずに肌を艶やかにするとかシミを目立たなくするって感じに微小な効果に抑えられる?」

お守りって名称で売っても切り傷を治せちゃったら多分そのうちバレて医療機関側からクレームが入りそうだ。


「あ〜。

効果を弱めつつ継続して使える様にしないとかぁ。

ちょっと実験が必要そう。

肩凝りとか腰痛のお守りとかは欲しがる人が昔からいたんだけど、汗疹とかスキンケア用を強請る人って今まで居なかったから」

碧がちょっと肩を落とした。


そう言うお守り系をさりげなくおねだり出来たのってご老人層が多かったんだろうなぁ。

そうなるとスキンケアなんて捨ててたのかも。


「肌系の体の表面のだけに癒しの効果を及ぼす符かぁ。

ありそう?」

肌なんて何か問題が起きたら困るから、未知の紋様を行き当たりばったりに試すのは怖いし。


「皮膚だったら漆とかに被れた際に使える符があったと思うから、それをちょっと弱めたら良いかも?」


「回復符って何通りもあるの?」

病気には使えないって話だけど、怪我だったらそれ程種類は必要ない様な気も?


「それなりに?

直接癒す能力が低めでも、回復符だったら時間をかけて霊力を込めて書けば良いだけだからって研究した先祖もいたし。

聖域にミントとヨモギを取りに戻る際にそっちの記録も探してみるわ」

碧が言った。


ついでに汗疹用のが見つかるといいなぁ。

劣化したポーションでも良いんだけど、ちょっと限りがあるから、もしもの時様に持ち運べる符が欲しい。


それこそいつか南欧とか南米とかに旅行に行く事になったら欲しい気がする。

空港で収納用の亜空間が使えないとなると、劣化ポーションもどきも持ち運ぶのは非現実的だし。


まあ、白龍さまの威光が知られていない怪しげな海外に出るのは危険な気もするけどね〜。


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