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重い!!

「重い・・・」

今回はちゃちゃっと聖域でヨモギを探すのとプランターにミントを植えてくるだけの予定なので、日帰りのつもりで早朝にレンタカーして諏訪に来た。

なのでバンは借りていない。


碧ママに聖域で体に良さげな植物を育てたらどうなるか実験したいと相談したところ、神社の敷地に置いてあったが台風で罅がはいってしまって交換になった大きなプランターが裏にあるとの事だったので、それの下部を厚めの布で塞いで使うことにしたのだが・・・。


何分、大きい石っぽいプランターである。

かなり重かった。

それを私と碧で運んでいるのだが、台車が入らない場所に来てからは約10メートルごとに休む羽目になった。


「しまったね。

週末に来て翔に手伝わせるべきだった」

腕をさすりながら碧が呻く。


「だね。

あっさり持ち上げられたからそれほど重いと思わなかったけど、なんか重さが一歩ごとにズシズシと増えていく感じがする・・・」


「本当。

これって呪われてたりしないよね??」

碧が恨みがましくプランターを睨む。


白龍さまの神社の敷地内で生き残れる(?)しぶとい呪いは存在しないと思うよ。

「プランターはこの上なく清らかだけど、ウチらの筋肉がちょっと足りないみたいね。

でもまあ、後ちょっとだから、頑張ろう」

聖域の中でも色々と場所を考えるつもりだったけど、もうこれは入ってすぐ横一択だね。


なんとか聖域まで辿り着き、結界に入って1メートルぐらいのところにプランターを置いてしゃがみ込む。

「疲れたぁ〜〜〜。

ちなみに、聖域の中って台風とかの時に暴風雨が吹き荒れるの?」


魔素だけ留める結界なのか、それ以外の効果があるのか不明だが。

神域ってこう、自然の猛威も緩和されるイメージがあるけど・・・どうなんだろ?


「さあ?

台風の時は出歩かないから知らない。

でも、時折折れた枝とかが落ちてるから、ある程度は強風が吹くと思うよ?」

碧が肩を竦めながら答えた。


まあ、そうだよね。

ここら辺は落ちて溺れる様な川は無いし看板も飛んでこないだろうけど、木の枝とかが折れて飛んでくる危険はあるんだから台風の時に出歩くのは不味いだろう。


「でもまあ、台風シーズンまでに実験も終わるだろうし、プランターを頑張って埋めなくても良いか」

プランターの8割ぐらいが埋もれる穴を掘って埋める方が絶対に倒れなくて良い気もするが、そんな気力も体力も無い。


「いやでも、プランターに土を入れておいてそれにミントの植木鉢を埋めるんでしょ?

土をここまでもってくるよりはそこら辺のを掘り起こす方が良く無い?」

碧が指摘した。


「おっと。

そっか、このプランターに入れるだけの土となったらかなりの量になるか。

まあ、植木鉢の高さ程度で良いだろうから、ちょっと掘り下げてそこにプランターを入れて土を中に戻す感じで良いかな?」

大きなスコップが藤山家にあると良いんだけど。


「だね。

あ〜、これが終わったら絶対に佳さんのとこの温泉に行こう!!」

背中をぐいっと伸ばしながら碧が言った。

今すぐ温泉に行きたいぐらいだけど、流石に1日2回も行くのは迷惑だろう。


◆◆◆◆


「これがヨモギね」

ひーひー言いながらプランターに何とか土を入れ、先日刺しておいたらもう根が出ていたミントの苗(って言うのかな?)を植えた植木鉢を埋めて、私たちは聖域の中をヨモギを探して歩き回っていた。


ついでに雑草刈りもしようかと事前には話していたのだが、そんな気力は無かったのでまた2週間後ぐらいにミントの様子を確認するついでに刈ろうと言うことに。

雑草刈りは草刈機もあるしそれほど大変じゃ無いんだけどねぇ・・・ちょっと今日はこれ以上の肉体労働は無理だ。


重い物を運ぶのって想像以上に体力を使うのでビックリだ。

もう少しプランターが小さければ収納能力の亜空間に入れるのだが、あれはまだちょっと無理だった。


実験が終わってまた戻す可能性を考え、これまで以上に頑張って亜空間を広げねば。

旅行用トランクサイズぐらいにはなったので、車とかで基本的に物を運べる現世だったらこんなところでもう良いかな〜と気を抜いていたのだが、まだまだ足りない。


「へぇぇ、凄く・・・雑草っぽいね。

昔の人って何でもかんでも食べられるかとか薬効成分があるかとかって試したのかね?」

しゃがみこんで碧がスコップで指した草を観察する。


これを薬草として使おうと思った人間は何でこの草を選んだんかね?

アロエなんかはこうしっとりしてるし何となく何か効果があるかも?って雰囲気だけど、これは普通の雑草感満載なのに。


「確かにねぇ。

まあ昔の日本は凄く貧しかったらしいから、農作物が不作だった時なんかに食べてみたら意外と悪く無いし、体の調子もいいからって事で色々と試したんじゃ無い?」

碧が肩を竦めながら提案する。


それこそ白魔術師が経過観測をしっかりしながらならまだしも、農民が適当に試すんじゃあ危険な気がするが。

小麦を使った石鹸でアレルギーになった人が大量発生したりするんだから、体に入れる物って迂闊に色々試すとどんな結果になるか分かったものではないだろうに。

とは言え、餓死するかって時だったら食べる方に関して選択肢は無いだろうし、薬だって買える様な経済力がなかったら手当たり次第に試す事になるのかな?


まあ、それはともかく。


適当に収穫して、温泉だ!!


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