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占い師

「未来視か呪詛か回復術か、調べて見極める??」

久しぶりの退魔協会からの電話に碧が首を傾げながら聞き返した。


死霊術ネクロマシー大規模テロ事件もしくはその後の西田による自爆事件と彼の解読プログラムのせいで忙しかったのか、夏休みになったと言うのに1ヶ月近く依頼の電話が入らず、ひたすらお守りを作っていたのだが・・・依頼が来たと思ったらなんか変な話っぽい。


ちなみに、解読プログラムは退魔協会に検証のために供されて、『偽装していない魔法陣になら使える』と判定されたと田端氏が言っていた。

偽装されていても使える様になるかはまだ研究中らしい。

当然、退魔協会の会員たる我々に知らせは来ていない。


偽装対策がわかったら配布もしくは売り出しするのか、上層部で独占するのかはまだ不明だが・・・どうなんだろうね?

最近は退魔師業界も人手不足に悩んでいると言う話だから、少しでも効率アップするために出してくる可能性もゼロでは無いかもだけど・・・危機感があっても利権を手放す程じゃあないだろうと言うのが碧の読みだ。


『最近売れる様になった占い師が、非常に高確率で不運な方の占いだけ当てるんです。

元々占い師と言うのは客の不安を煽って金を出させるタイプが多いにしても、良いことが起きる系に関しては漠然としたどうとでも取れることを言っているのに対し、不運なことに関しては非常に具体的かつ正解率がほぼ100%とか。

未来見ならば国が協力を求めるだけの話ですが、こう言う不運だけ当てるタイプは呪詛や回復術を悪用して具合を悪くさせて信頼を勝ち取り、自分が引き起こした不幸を払う為の『手助け』に多額の金を取る詐欺師も多いので、見極めの依頼が国から来ました』

退魔協会の職員が説明してくる。


なるほど。

呪詛をかけて不幸を起こしたり、回復術の逆回復っぽいので病症を引き起こしたりするのか。

タチの悪いマッチポンプって事だね。


これってマッチポンプだと分かったらどうするんだろ?

それとなく交通事故にでも遭うことになるのかね?

呪詛使い系って刑務所に入れるのは難しいからねぇ。


しっかし、占い師が本物かどうか国が調べているとは・・・ちょっと怖い。

使い魔や取り憑いている霊を情報源に占い師もありかな〜なんて碧に会う前は考えたことがあったんだけど、あまり成功率が高いと国から調査が入るところだったのか。


未来見を民間に放置したくない国の立場も分からないでも無いが、都合がいい能力があるからって国から雁字搦めにされる立場になる人間には同情を感じるから・・・ある意味調査対象が詐欺師であると期待したいところだ。


「逆回復はまだしも、呪詛だったら調べれば分かりません?」

碧が指摘する。


一回だけ害を及ぼす使い捨てタイプの呪詛だと呪詛返しも出来ないから呪師を追う事は無理だが、少なくとも同じ呪師からの呪詛かは調べられるだろう。


本人が呪師ではなく、裏社会から緩い呪詛を買っているなら仕入れ先を複数に分けている可能性もあるが。


『調査員を貼り付けていられる期間も限りがありますし、逆回復は通常の調査員だとわかりにくいので、そちらの事務所に依頼したいのです。

取り敢えず二週間ほど継続的にモニターして、結果報告をお願いします』

向こうがそれなりの報酬額を口にしながら言ってきた。

退魔じゃないからそこまで高くは無いが、時間拘束分として時給換算しても悪くはない。

まあ、これも特殊技能が必要な依頼だからね。


ハネナガと黒耳にでも見張りを頼んでみるか。


碧に頷き、どっかでふらふらしているハネナガへ魔力を繋ぐ。

『ハネナガ〜。

ちょっと長期監視依頼みたいのがあるかもなんだけど、何が視えるかを確認したいから来てくれる?』


呪詛だと分かると思うが、逆回復って使い魔でも分かるんかな?

逆回復を私に掛けさせて、ハネナガと黒耳が見極められるか確認できたら碧に治してもらおう。


退魔協会から送ってきたメールの添付資料を開く。

へぇぇ、最近の占い師ってウェブサイトを持っているんだ?

どこで占いをしているかスケジュール表があり、更に個人的な占いも可能と書いてあった。

これって個人宅でやるなんて言われたら確認できないぞ・・・。


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