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上手くいくかな?

「ええ〜?

車で寝ないで部屋で寝れば良いじゃない。

源之助君にも会いたいし、碧の部屋に猫ハウスやトイレを持ち込んで暫くゆっくりさせてみたら?

どうしても嫌そうだったら車に戻れば良いし」

温泉後に藤山家に行き、碧がバンで寝る予定だと言ったら碧ママに反対された。


まあ、そうだよねぇ。

車の中ってそれなりに臭いがするし、出来ることなら部屋で寝る方が良いだろう。

久しぶりの家族での談話の間、源之助を車に閉じ込めておくのもちょっと可哀想だし。


もっとも、可哀想ってうちらが思っても猫ってそう言う時はあっさり昼寝しているみたいだからあまり気にして無いかもだけど。

碧の部屋に源之助を放って聖域へ雑草刈りに行っている間に、源之助があの部屋に慣れるか否かで対応を変えるべきかも?


源之助があまり何度も環境が変わるのは嫌だと感じる可能性もありだからねぇ。

いくら碧の匂いがするとは言っても、完全に馴染みがない部屋よりかはいくらか馴染んできたバンの中の方が良いと主張するかも知れない。


「う〜ん、取り敢えず試してみようか。

真夏の空調の事とかを考えるとウチに来る時は家で眠れる方が良いしね。

とは言え、仕事とかで源之助同伴を考えるならやっぱちゃんとしたキャンピングカーじゃないとエアコン事情が厳しいかも」

碧が折れた。


「ちゃんとしたキャンピングカーだとしても、エアコンの動力源用にかなりしっかりしたバッテリーが必要になるんじゃない?

あと、どっちにせよ運転席と源之助ちゃんを放す後部とをワイヤーパネルか何かでしっかり隔離しなさいね?

運転中に猫が足元に来たりしたら危険過ぎるわよ」

碧ママが指摘する。


確かに。

今回は私が見張っていたんだけど、うっかり慣れて碧だけでちょっと出掛けたりなんてしたら危険だよね。

「隔離に関してはサイズを測って百円ショップのワイヤーパネルでも嵌め込む感じにしたら良いかも?

そんでもって取り敢えずバンの窓に取り付ける網戸をゲットして、真夏は避けてそれ以外の時期は風だけで我慢出来ないか要検証ってやつだね。

冬だったらUSBの電気ブランケットや省エネなペット用ホットカーペットとかあるからルーフにでもソーラーパネルを固定して中型ぐらいのモバイル電源を充電したら何とかなるかもだけど、冷やすのは電力消費が激しいからねぇ。

無理に我慢して源之助が熱中症になっても困るし」

高校時代の友人が環境問題に熱心で、ソーラーパネルとか発電した電気を溜めておくモバイル電源とかを買っていた。


実家のベランダに広げて置ける程度の畳んだらブリーフケースっぽくなるパネルでも、晴れれば携帯とタブレットと電動歯ブラシ程度は十分賄えると言っていた。


環境問題に熱心なら電動歯ブラシじゃなくって自分の手で丁寧に磨く方が良くね?と思ったものだが、タブレットと携帯の充電ができると言うのは大きい。

天気が悪かった時は夕方にホテルにチェックインした後に急いで部屋のコンセントでモバイル電源を充電したら、夜の分のホットカーペットとUSBブランケットの分ぐらい何とかなるんじゃ無いかな?


「そうだねぇ。

最近は真夏だと夜になっても三十度以上なままって日も多いから、車で寝るのは危険かもね。

取り敢えず、今日は家で寝るのに源之助がどう反応するか、試してみようか」

碧が頷いた。


「そんじゃあ猫ハウスとトイレとトレーを持っていけばいいかな?

流石にトイレシートとジョイントマットまで敷き直すのは要らないよね?」

バンの中を思い浮かべて確認する。


「かな?

青木氏の猫部屋に預けた時も粗相しなかったらしいし、多分大丈夫じゃない?

フローリングだから拭けば何とかなるだろうし」

碧が頷く。


そう言えば、畳で猫が粗相したらどうするんだろ?

洗えないよね、あれ??

流石に一回の粗相につき一枚畳の張り替えなんて事になったら痛すぎるぞ。

畳の張り替えがいくら掛かるのか知らんけど。


そう思うと、源之助が馴染んでも藤山家での全体解放は絶対に無しだな。

あそこって氏子さんが集まる用に大きな畳張りの部屋があるから、猫を放つのは危険すぎる。

和室には障子もあったし。

源之助は実際に障子と遭遇した事がないからどんな行動を取るか知らないけど、猫って障子を破りまくる印象があるし、あの格子っぽいのを登ろうとしてザクザクと障子に穴を開けて登っていく源之助が凄く想像出来て怖い。


『碧が子供の頃に住んでた部屋で今晩過ごそうって源之助に伝えてくれる?』

クルミに頼む。


気まぐれだからねぇ。

今は良いよと言っても実際に部屋に移動したら嫌って言う可能性もあるが、一応説明しておく方がまだマシだろう。


『ふうん、だって』

そっけない返事だった。

なんかちょっとご機嫌斜めだねぇ。

ウチらが温泉に入っている間は案外と静かに寝ていたみたいなのに。


まあ、見知らぬ場所って警戒するから疲れるのかも?


取り敢えず諸々を動かし、最後に猫ベッド代わりにもできるキャリーケースに源之助を入れて藤山家の中へ移動する。


暫く碧の部屋で源之助と遊んだら、馴染んでくれるかなぁ?



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