表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
456/1361

自業自得だよね?!

「なんかねぇ。

毒物系の許可とか免許とかが無いってので捕まっても初犯じゃあ執行猶予が付きそうだし。誰かに怪我をさせて傷害罪で捕まえさせても数年程度だとしたら出てきて更に大々的にやらかしそうだし。

ある意味、中途半端に刑務所に入れさせて変な犯罪組織とか頭のおかしい過激な宗教団体とかと繋がりを得ちゃったりしたら更にヤバそうじゃん?

かと言って、流石に殺すのもねぇ」


こないだ見たアメリカの犯罪ドラマでは、9.11以来イスラム系移民の若者は中々仕事が見つけられずに軽犯罪を繰り返して刑務所に入る羽目になり、そこでイスラム過激派組織のリクルーターに声を掛けられて本格的に過激化及び狂信化していくケースが多いとFBIの捜査官が言っていた。


マジで悪循環だよね。

危険かもってイメージで採用して貰えずに軽犯罪を繰り返す事でイスラム系の悪評を裏付けしてしまい、刑務所で過激化してテロリストになったりしたら更にイスラム系の評判が悪くなり。

かと言って戦争や内乱でズタボロになった国からの移民や亡命者を全部締め出すと恨みを買うし。


日本にイスラム教の過激派が沢山いるとは思えないが、犯罪組織が良識のない化学知識のある人間を探し求めていても不思議はない。

それこそアメリカでは麻薬を家で作る連中もいるらしいのだ。

日本の麻薬組織があの北沢透ロクデナシに似た様な事をやらないかと話を持ち掛けても不思議はないし、アイツならそれを受け入れそうだ。


それどころか、人殺し用の毒薬作りに協力したり、毒薬の実験に協力する様にあいつから持ち掛けかねない。


「まあ、ヤバそうな人間って意外と多いからねぇ。

それを全部殺してまわっていたらウチらが大量殺人犯になっちゃうよね」

溜め息を吐きながら碧が合意した。


「あの北沢透ロクデナシって他人との共感性が薄くて倫理観もほぼ皆無、しかも自分を正しく評価しない世の中に対する怒りで満ちていた感じだったんだよねぇ。

だからアイツは徹底的に長期に刑務所に押し込むか、入れないかのどちらかにしないと危険だと思う」


前世では危険な技能スキルのある人間って制約を科されて国に危険を及ばさない様にされてたんだよねぇ。

それの行き過ぎた結果が何も悪事を犯していなくても危険(と思われる)な黒魔術師の実質隷属化だったんだけど。


しかもそう言う制約って必ずしも一般人を守る為ではなく、権力者に牙を剥かせないのが主旨だったから王族クソッタレに散々悪用される羽目になった。


それでも、黒魔術師が調べれば病的に危険な思考傾向を持つ人間は分かるから、最初に他者に害を及ぼした段階で調べられて制約を科された。だから実際に大量殺人を犯さなくてもその前に『犯せない』様にされる事もあったんだよね。


まあ、最初から大掛かりな大量殺人をするだけの自制心がある人間だと見つかる前に成功しちゃう事もあったけど。


「う〜ん、取り敢えず見張っておいて次に誰かのペットの害を及ぼそうとしたらちゃんと捕まえられる様にして、その際の対処として危険な薬物を製造する設備を全部処分する様仕向けよう。

そんでもってそれでも再度危険薬物を入手して精製しようとしたら、手が滑って大怪我する様に条件づけておけないかな?」

碧が提案した。


ふむ。

確かに使っている薬物は危険な物が多い。

うっかりそれを手に掛けたりしたら大怪我して手の神経に支障が出る様なのもあるだろうし・・・実際には神経が損傷しなくても、後遺症で薬物に触ろうとしたら手が震える様に術を仕込んでおくのも可能か。


数年しか持たないが、5年程度腕が動かない経験を積めば、諦めて腕が思う様に動かないものと思い込んでくれるだろう。


「そうだね。

一度捕まって問題が表に出れば、少なくとも建前上はこれ以上しませんって約束するだろうからそれを破って大怪我する事になっても自業自得だよね」

命も取らないし、コンビニや土木工事のバイト程度ならば出来る程度の怪我だ。


懲りずに危険な化学薬品を弄ろうとしたらどんどん悪化するだけで、それは本人が招いた結果と言って良いだろう。


「じゃあ、あとはどうやってうまいこと事件を発覚させるかだよねぇ」

そう。

そっちも微妙に難しい。

私らだけなら話は簡単だし、黒崎さんだったら『式神を使いました』で納得してくれるかも知れないが、普通の犬の飼い主仲間達には説明をどうするかだな。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ