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めっちゃ便利かも

朝食後に歯を磨き、リビングに戻ってきたら白龍さまがガジガジと爪を噛んでいた。

『そこにある爪を碧の『まじっくぽーち』に使ってはどうだ?

素材としてそれなりに魔力が残っておるぞ』

尻尾で示されたらローテーブルの上に、5センチぐらいな小指サイズの白くて薄い三日月形の物体が載っている。


龍の爪かぁ。

それこそ前世の国宝庫にあってもおかしくない逸品の筈だけど・・・現世で小型サイズになっている時の剥がれた爪だから、そこまでは魔力が籠ってないかな?


それでもそんじょそこらの魔石よりはずっと濃厚に魔力が宿っている。

「久しぶりですね、白龍さまの爪が剥がれるの」

碧が爪らしき物を手に取りながら話しかける。


『うむ。

古い爪が剥がれた際に出てくる新しい爪は鋭いから、うっかり家具や身体に穴を開けかねんのでな。

普段は幻想界に戻った際に適当な岩や硬い奴相手の挨拶を兼ねた殴り合いで爪を磨ぐついでに剥いでくるのじゃ。

だがまあ、碧のぽーち用に何か魔力を蓄えた物が欲しいのじゃろ?

鋭すぎる爪は先を噛み切れば良いから、古いのを一つ剥いでおいた』

ガジガジと爪を噛んでいたのを終えたのか、普段の体勢に戻った白龍さまが碧に答える。


なるほど〜。

龍の爪だったら防弾ガラスでも鉄鋼でも突き抜けそうだよね。

そんなので机の上をうっかり引っ掻かれたりしたら机が真っ二つに切れかねない。


ある意味、説明は難しいものの机が二分に切れちゃった方がドアとか窓ガラスがスッパリ切られるよりはマシだけど。

家の備品を壊したら大家に報告して修理しなくちゃならないからなぁ。


まあ、青木氏が上手く誤魔化してくれるだろう。

多分。


「う〜ん、凄いわぁ。

これだったら小さな一欠片でポーチにして、残りでもっと収納できる本格的なマジックバッグに出来るよ?

ちょっとしたとお洒落なトートバッグでも使えば、そこそこの量が入ってもおかしく無いからスーツケースぐらいの容量でも大丈夫だと思う」

無理に和紙を使う必要が無いから、符を書く時の墨を使えば耐火性の高い生地でバッグを作る事でちょっと次元結界に当たっても発火しない様に出来ると思うし。


と言うか、下手をしたら小さな会場のセキュリティゲートだったら白龍さまの爪の方が内包魔力が高くて勝ってしまう可能性もあるので、静電気警報は必須だな。


・・・考えてみたら、マジックバッグを作る生地って内側の強度はどのくらい必要なんだろ?

前世のマジックバッグは外側はそれなりにしっかりした素材を使い、見た目もお洒落と言うかそれなりの地位にある人間が身につけていてもおかしく無いような感じだったが、内側って考えてみたら注意を払って見た事がなかったな。

突っ込んだらなんでも入っていく感じだったし、手を入れて中身を知りたいと思ったら脳裏に入っている物の明細が浮かんで欲しい物を選んで引っ張り出す感じだったから、マジックバッグの中って覗き込む物じゃあ無かったんだよね。


学生時代に最初に入手した際はそれなりに面白がって色々やった気はするけど、詳しい記憶は残ってない。


「おお〜!

凄い、そんなの可能?!

ありがとう、凛!

白龍さまも、本当にありがとうございます!!」

碧が喜びに飛び跳ねる。


「うにゃぁ?」

源之助が遊んでくれているのか一緒に飛び上がり、碧が即座に対応しなかったので不思議そうな声を上げた。


君がいつでも最優先って訳じゃあないんだよ、お坊ちゃま。

とは言え、即座に碧が源之助を抱き上げて一緒に踊り回り始めたので、源之助が疎外感を感じる暇も無かったと思うが。


取り敢えず、ネットで耐火性の高い生地を探すか。

ある意味、白龍さまの古い爪だったら定期的に生え変わるだろうから、生地の選択に失敗して比較的直ぐにマジックバッグが壊れてもまた素材を提供してくれるだろうし。

それにマジックバッグそのものが壊れても、爪の方は大丈夫で再利用できる可能性も高い。


ついでに防刃機能なんかもあっても良いが・・・考えてみたら、マジックバッグって切り付けたらどうなるんだ?

亜空間は普通には切れないから最初の一撃を防げる気がするけど、魔道具の生地が切れて魔法陣が破損したら亜空間も破棄されちゃうから次の一撃は通っちゃう感じかな?

中身が出てきたら困るから、防刃な生地をトートバッグとマジックバッグの間に縫い込んでおいても良いかも。


あと、魔石(と言うか爪)を外せば亜空間が解除されるとしたら、海外旅行なんかに行く際に爪を外して畳んでおいたらカバンに入れてセキュリティゲートを通れるのかも要確認だな。

スーツケースを入れられるサイズにしておいて、向こうに着いたらスーツケースごと中身も全部マジックバッグに入れる形にしたら凄く便利そうだ。



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