表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
337/1363

ボランティアだよねぇ・・・

そっと出来るだけ人に触れない様に部室の中に入って行ったら、何人かの人から瘴気が溢れでて部屋に漂っていた。


ふむ。

瘴気源は一人じゃないんだ?

ちょっと意外。


瘴気って精神が病むぐらいの恨みや怒りを継続的に感じているとか、こないだの再開発案件みたいな恨みや怒りが染み付いたところに長時間いたとか、どっかの悪霊にそれなりに恨まれた時なんかに体にへばり付く事が多い。


戦場とか、ヤバい事故現場に閉じ込められたとか言うんじゃ無い限り、そうそう集団で発生させるものじゃあないと思うんだが。


飢饉とか災害とかで集落の住民の大多数が絶望しているとか言うなら集団発生するけど、現代日本の大学でそこまで酷い事ってないでしょう。


それこそ就職活動に失敗し続けて誰かが瘴気に囚われるにしても、まだ時期が早いだろうしそんな人はサークルに出席なんぞする余裕もないだろうし。


何が起きているんだ?

濃厚な瘴気が染み込んだ汚染水でもどっかの水道に紛れ込んでるのかね?

でもこないだの武田家のお茶じゃないけど、余程濃度が濃く無い限りちょっとやそっと飲んでも瘴気が滲み出てくるなんてない筈なんだが。


つうか、今時の学生だったら基本的にペットボトルを買うかマイボトルでお茶を家から持ってくるかだろうから、大学の水道が汚染されてても影響はほぼ無いよね?

それこそここが水泳サークルで、プールがガチで汚染されてるって言うなら分かるけど。


「じゃあ、取り敢えず新入生の勧誘用テーブルの当番と、配るビラの作成について話し合いましょう。

最後に新入生の歓迎会についてもちょっと話し合うけどこっちは勧誘できる人数次第だから幹事だけ決めておいて詳細は後で話し合おう」

パンパンと手を叩いて出来る女風(?)な格好をした女子生徒が話を始めた。

スーツは着ていないけど、髪の毛はポニーテールにして、可愛い系ではなくキリッと格好イイ系を狙ったファッションだ。


成る程、服装によって印象って大分と影響されるんだね。

今まで自分の好み(『動きやすい』)を優先していたけど、服装って自分が周囲に与えたい印象を考えて選ぶとより自分の意識と周囲の印象が一致しそうだ。


まあ、キリッと見られたいのにふわふわキャンディ系の可愛らしいファッションが好きな人ってあまりいないんだろうけど。体型とかのせいで『似合うファッション』が『自己像』と一致していないと中々切なそう。

そう言う人が結局キリッと見えたいのに妥協して、野暮ったかったり痛々しい格好になったりしちゃうのかも?


それはさておき。

代表になった山仲さんは瘴気を纏って居なかった。

彼女のことを面白くなさげに睨んでいる人と味方っぽい感じで後ろに立っている人と両方に瘴気が憑いているんでイマイチ何が原因なのか想像がつかない。


どうすっかね。

3年だったらそこまでストレスも溜まっていないだろうし、どっかで拾った程度の瘴気だったらそのうち薄れると思うが・・・取り敢えず、新入生の勧誘に瘴気付きな人も参加するんだったらどれかに付いていくかな?


もしくは歓迎会の時にでもリラックスした状況で記憶を読んでも良いし。

酒が入るとガードが更に下がるんだけど、今年はウチのサークルでは歓迎会での酒は自粛って話だからそうなると二次会にでもついていかなきゃいけなそうで面倒だな。


・・・と言うか、二次会でも酒なしカラオケとかになるのかな?

サークルの歓迎会で酒を入れるなって大学から釘を刺されたんだったら本当は二次会でもダメだろうけど、そこら辺の自制が効くか怪しそうだ。

サークルの歓迎会ではなく、気が合った個人で楽しんでいるだけって言い張れば大丈夫に違いないって誰かが言い出して酒を頼みそう。


まあ、新入生の勧誘会を一応一回は付き合い、そこで上手く原因解明できなかったら1ヶ月ぐらい待ってから適当な飲み会にでも参加して調べるかな?

瘴気がついちゃっている人たちがサークルに出てこない様だったら縁がなかったって事で良いし。


突発的な瘴気だったら勝手に薄れる可能性もある。

そのままでも健康被害まで出ることはあまりない可能性が高い。


無理に私がお節介を焼かなくて良いよね。

どうせ大学での問題だったらボランティアになって報酬も出ないんだし。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ