表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?!  作者: 極楽とんぼ
大学2年

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

335/1380

新学期

「あ、お久しぶり!」

新学期になって大学に行ったら。何やらきっちりとしたスーツを身に纏った八幡先輩にばったり会った。

そう言えば、先輩は今年で4年生だから就職活動に忙しいんだろうな。

つうか、去年3年だったら色々インターンシップとか無かったのかね?

サークルにかなり時間を掛けていた印象だけど。


なんか最近の就職活動ってインターンシップが重視される様になったせいで、業界によっては3年の夏休みぐらいから実質就職活動に取り掛かる必要があるみたいだが、どこを狙うにせよ4年になったらサークルにかまけている暇はないんだろうなぁ。


就職活動が終わっても卒論とかがあるし、それも目処が付いたらそれこそ卒業旅行の手配とかでも忙しそうだし。

まあ、今だったら旅行なんて別に大した事では無いだろうが。でも社会人になったら長期休暇なんて年末年始かGW、あとはお盆程度にしか取れなくなる可能性が高いと聞く。

そんな激混みかつ値上がりしている時期以外にのんびり旅行できるのは学生時代だけだから、じっくり最後に自由を楽しむのも4年で出来る大切な活動だろう。


まあ、一人旅が嫌いな場合は一緒に旅行に行ける友人がいる事も重要だけど。


水野による連続殺人事件に関しては、あの場で水野 輝(従兄弟)から本家の住所を教わり、警察から提供された地図で遺体の埋葬場所も示して貰えたので、霊からの聞き取り内容(と加害者の記憶から読み取った情報)を伝えたらそれで私の関与は終わりになった。


彼女が自白した長谷部教授関連以外の死体が出て来たせいでちょっと時間が掛かったが、もうそろそろ全部の殺人に関して起訴出来そうだという話だ。

結局本家の方に埋められていた20年前後も前の被害者に関しては物的証拠は何も残って居なかったので状況証拠だけで有罪判決が出るかは微妙らしいが、既に5件も殺人を自白しており、比較的似た様な殺し方と状況の殺人な事から残りも何とかなるのではないかと田端氏は言っていた。

ちゃんと日本の司法制度が危険な人間を社会から隔離してくれると期待しよう。


それはさておき。

「お久しぶりですね!

就職活動ですか?」

スーツを指しながら八幡先輩に尋ねる。


「そう〜。

早速大学側の説明会みたいのが今日の午後にあるの。

もしかしたら採用サイドの人も来るかもって話が流れているから皆して着慣れないスーツよ。

肩が凝る〜」

八幡先輩がため息を吐きながら応じた。

そうだよねぇ。

就職活動をワクワクしながらやる人間は少なそうだ。


よく分からない会社に申し込んで如何にそこで働く熱意に満ちているか嘘をつきまくるのなんて精神的に疲れるだろうし、断られたら例え滑り止め的な会社だったとしても自分を否定される様でショックだろう。


その点、私と碧は実質自営業だから楽で良いわ〜。

代わりに大学時代から働き始めているけど。

でも、これも単なるバイトだと思えば時給は抜群だし、文句を言っちゃあいけないね。

これで退魔協会がもっと信頼できる組織だったら本当に幸運を神に感謝するところなんだけど。


実際のところは退魔協会が微妙だからイマイチ感謝する気になれないんだよねぇ。

が、就職活動で苦労する知り合いを見ると、贅沢を言っちゃあいけないな〜と言う気にはなる。

うん、それだけでも今日は大学に来た甲斐があったかも?


「そう言えば、サークルの方には顔を出した?

今年の代表がもうそろそろ決まると思うけど、やる気があるなら立候補も可能よ?

最近はインターンシップとかで3年も忙しいから、2年に任せるのもありかもなんて言っている人がそこそこ居たから」

八幡先輩が教えてくれた。


おい。

「それってうっかり部室に顔を出したら代表と雑用係を押し付けられるって事じゃないですか。

取り敢えず一週間ぐらい待ってから、顔を出します。

ちなみにウチのサークルって今年も新入生の勧誘を出来るんですか?」

実質的な被害は出なかったとは言え、去年はメンバーの一部が刑事事件に関わったんだから大学からもそれなりに睨まれたのでは無いだろうか。


「一応禁止されてはいないわよ?

あまり大々的には人を集めたり酒が入る様な歓迎会をしない様にとそれとなく言われているけど」

八幡先輩が肩を竦めながら言った。


「・・・考えてみたら、新入生も2年生の私らも、殆どがまだお酒は飲んじゃいけない年齢ですよね。

そうなると禁酒も3年生以上にしか関係がない筈だけど、何とは無しにお酒なしの歓迎会ってショボい印象〜」

実際のところ、歓迎される立場で主役な筈の新入生がお酒を飲めないのに上級生だけが酔っ払って良い気分になって騒いでいても意味が無いどころか歓迎になってない気もするが。


「今年は去年ほど人も集まらないでしょうね。

でも、興味があるなら顔を出してあげて。

私も出来るだけ参加する様にするから」

八幡先輩が言った。


良い人や。

取り敢えず。私は代表が決まるまではブッチかな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ