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便利すぎる能力も問題だよね

「符を無効化、ですか?

郵便システムなんかで使っている機械を使えないんですか?

・・・ああ。

なるほど。

残念ながら白龍さまが出来るのは『無効化』ではなく『暴発』なので持っている人間やそのそばにいる人間に危険すぎて、ダメですね〜。

それとも、我々の術で無関係な一般人に死傷者が出ても過失を問われないような保証を現在の法制度で政治家なり退魔協会なりが出せるんですか?」

テリア君のご協力で事件を避け、買い物を続けて帰ってきたら碧の声が聞こえてきた。

なんか妙に帰宅時に電話している確率が高い気がするなぁ。


なんでなんだろ?

まあ、別に良いけど。


それはさておき。

符の無効化ねぇ。

銃の代わりに魔道具を持っていたヤバい人たちが、他で犯行に及んだのかな?


街が城壁で囲まれていて、街自体への出入り口が制限されていた前世だったらそれなりの量の魔石があれば魔道具の持ち込みを探知できるシステム構築は可能だったが、電車や車で出入りが自由な現代の街で魔道具の持ち込み制限は無理っしょ。


せいぜい、コンサートホールとか美術館みたいなセキュリティゲートがあるところで魔道具全般も探知する形に変えられる程度だね。

でも、それだったら郵便システムの無効化手法が使えそう。

碧の会話によると何か問題があるっぽいけど。


何か事件があったのか、ニュースアプリでも見てみるか。


鞄を部屋に置き、手と顔を洗ってから台所に買った物を置きに行ったら丁度碧の電話が終わったところだった。

「何か起きたの?

私も街中を歩いていたら外国からのお偉いさんの子っぽいSP付きの女の子が魔道具を持った怪しげな連中につけられていたから、通りすがりのテリア君にご協力をお願いしておしっこと共に帰って頂いたんだけど」

袋から買ってきた品物を出してシンクに置きながら声をかける。


「あれ、そっちでは何も起きなかったんだ?

犬のおしっこ以外。

田端氏の口ぶりだと何か危機感を煽るような事件があったっぽい雰囲気だったんだけど、詳しい事は教えてくれなかったんだよねぇ」

おや。

電話の相手は退魔協会ではなく田端氏だったのか。

まあ、公安とか警察がアメリカのシークレットサービスに協力を求められているなら、退魔協会よりも先に警察内の田端氏に声を掛けるか。


「街中の魔道具無効化を出来ないかって?」

氏神さまだったら一定の地域内の魔道具に過剰な魔力を流し込んで暴発させるのは可能だろうけど、確かに無効化は難しいだろうなぁ。

白龍さまクラスの能力だと探すために広範囲に魔力を流す過程で流し込みすぎて暴発させそう。

反対に普通の退魔師なら戸建て一軒分ぐらいだったら安全に探せるだろうけど、街中の広い範囲をやれる程の力は無い。


「そ〜。

なんか、過激派集団が魔道具を使ったテロか誘拐かを狙っているって話がどこぞの情報源から出てきたらしい」


なんだ。

何か起きた訳ではないんだね。

つうか、本来だったらさっき誘拐していただろうから、その情報はちょっと手遅れでしょうに。


「銃だってセキュリティゲートでチェックする以外の方法では見つけられないし街中を歩いている人が武装しているか発見する方法がないのに、魔道具なら見つけられるなんて期待する方が間違ってるじゃん。

と言うか、見つける方法が西洋魔術であるって言うなら、やり方を教えてくれるなら碧が協力するよって提案したら?」

前世の魔術では魔法陣の開発が出来る人間は限られていたが、それを利用できる人間はもっと多かった。

適性の範囲も使うだけなら開発よりは広かったし。

攻撃魔術系は適性が無ければどう足掻いても無理だったが、探知系は少し捻りを加えて形を変えれば他の適性の魔術師が開発した術を私でも使えるものも幾つかはあったのだ。


だから、西洋魔術でも術が存在するなら白龍さまの助けがある碧が起動出来る可能性はある。

まあ、下手に便利な術を使えるようになると四六時中『お願い』されて忙しくなるかもだが。


海外から重要人物が来る時だけならまだしも、選挙の度に重鎮クラスの政治家の出先に付き合う羽目になったりしたら眠る暇も無いぐらい忙しくなる。

・・・そう考えると、便利な術でも身に付けられない方が良いかも?


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