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答え合わせ

「全部正解な方?

・・・あ、その前に回復系の力を持っている方は手をあげて頂けます?」

碧が尋ねる。


やはり調査部っぽい集団から分かれていた2グループが回復師だった。

他の退魔師の力の方向性についてはオープンに聞かない方がいいんだろうなぁ。

回復の力はある意味使用制限を食らっているし、基本的に他者を助ける為に使うタイプなのでオープンにしている事が多いが、それ以外はあまり人に知らせないのが常識らしい。

今じゃあ陰陽師同士の戦いなんてほぼ無いけど、昔からの慣習を尊ぶ人間が多い業界だからねぇ。

紙に書いて提出させれば良かったのかも、

まあ、白魔術系以外の適性関連の考察は退魔協会がするだろう。


「では改めて。

全部正解だった方は手をあげて下さい」

碧が指示する。

回復師5人のうちの4人が手を上げ、あと調査部の職員の一人も手を上げた。


ふむ。

やはり白魔術師系は呪詛を見つけやすいんだね。

外れたらしき残りの一人は若い見た目だから経験不足なのかな?


そちらは取り敢えず後回しにし、調査部の正解者に碧は目を向けた。

「猫や犬の霊を公園とかでよく見かけます?」


「ええ。

霊や呪詛はよく視えますね」

どうやら黒魔術系適性持ちらしい。

やはり退魔協会にもいるんだね〜。


だったらウチらに泣き付かずに彼に任せれば良いのに。

それとも霊や呪詛がよく視えるって事は調査部には最適だから仕事が忙しすぎて手が空いていなかったのかな?

でも、今日は来る時間はあったのだ。

良く視えるのを上が信じなくて、確認を兼ねて今回の事が手配された可能性もあるか。


「なるほど。

では、あなたは何が外れました?」

回復師の最後の一人に聞く。


「脳の血管と言うのが想定外で、ちゃんと確認していませんでした。

患者の問題は大腸のプローブが直ぐに大量に再発すると言う話だったので」

若いのが言い訳がましく答えた。


駄目じゃん。

確かに内臓系の病気で入院しているのに脳の血管に問題とは想定外かもだけど、部位ごとにしか見えないレントゲンとは違い、魔力視だったら全体をしっかり診たって数分の話なのだ。

しっかり全身を確認しないと、幾ら白魔術師の適性があってもちゃんと治せないぞ〜。


と言うか、全身をちゃんと診てないから直せないんだねぇ。

前世でも白魔術の適性持ちなのに誤診で患者を死なせちゃう回復師が居た。

腕が悪くて治療の能力が足りないのかと思っていたが、患者が訴えている不調の部分だけ診て他に注意を払わないから手遅れになったんか。

適性と有能さは別なんだね。


「・・・回復師は折角短時間で全身をくまなく確認して癒せる存在なのです。

患者の自覚している不調だけを診ているのでは常に病気に一歩遅れる事になると、医師で回復師でもある私の叔父は良く言っていました。

今後は思い込みで視野を狭めないことをお勧めします」

碧は淡々と注意をした。


視野が狭いタイプってかなり危険なんだよなぁ。

前世では回復師でも魔術師でも、周囲にしっかり注意を払わないのと一緒に行動すると想像もつかない様なチョンボをかまされて痛い目に遭う事がちょくちょくあった。


まあこの回復師は若いから、世のため人の為にも視野が狭いのではなく経験が足りないだけなんだと期待しよう。


「残りの方々は・・・当たったものがあった場合、何と無くでもちゃんと分かりましたか?それとも単なるあてずっぽ?

魔力視を研ぎ澄ませばどなたでも魔力がある方なら呪詛が視えると思いますが、漠然と何かを感じられたのならまだしも、全然分からず当てずっぽだった場合は呪詛関係の調査には関わらないことをお勧めします」

と言うか、今の日本での退魔師への依頼なんて呪詛か悪霊対応しかないんだから、元素系の適性持ちは調査部に入るよりも力技での除霊をやる方がいいんじゃない?


調査の方がデリケートで微細な現象を見極める必要があるんだし。

悪霊と戦うのが嫌だからって安全な調査だけしたいって言うのは虫が良すぎるぞ。

それだったら普通の職業で働くべきだろう。

今だったら売り手市場なんだからそれなりに何かの仕事は見つかるだろうに。


まあ、退魔協会の職員の方が下手な中小企業の正社員よりずっと給料がいいんだろうけど。

金が大切なら頑張って魔力視を磨くんだね。


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