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効果はあるんだけどねぇ。

認識と思考の速度を早めた事で、最適解を判断してから動けるようになった筈な碧だが・・・考えてみたら最適解そのものが分かっていなければダメだろう。


私が能力アップした戦い方を見せられたら良かったのだが、FPSはそれほど興味がなかったので碧の方が上手い。

しかも現世では能力アップをそれ程活用してこなかったし。


合気道と薙刀の練習の際には師範の動きをしっかりと理解するのに利用したし、練習の際にも使っていたが、ゲームはRPGの方が好きだった。あれに能力アップはあまり必要ないんだよねぇ。


集中力や記憶力アップの術は時々使ったけど。

迷路とかのクリアには中々役に立つ。

そう考えると集中力や記憶力アップの魔道具(と言うかお守りだね、この世界なら)を売り出したら需要は色々とありそうだけど、『お守り』という形がねぇ。


ゲーマーとか社会人にも本当は使い道がありそうだけど、受験生以外ではお守りを買おうと思う人は少ないだろう。

もしかしたら受験生で利用した人がそのまま使い続ける可能性もワンチャンあるけど、微妙だ。


ネットで売っている集中力アップのグッズってアロマオイルとか本、せいぜいが座り心地のいい高機能チェアといったところだから、魔道具を擬態して売り出すのには向いていない。


記憶力アップは怪しげなサプリやお茶ばかりで、こちらは更に絶望的だな。

経口摂取できる魔道具なんぞ無い。

前世では魔力が少ない冒険者用に各種能力アップ系のポーションを錬金術師が作っていたが、私はそちらの知識は全然ないし、魔力の籠った素材が極端に少ないこの世界では例えプロの錬金術師だとしてもポーション作成は難しいだろう。


そもそも、こう言う機能性食品って要は栄養素とかビタミンが足りていない人が補給したら欠乏して劣化していた状態が平常に戻るだけなんじゃないの?

ちゃんとバランスの取れた食事をしていたり、若かったりだったらこう言うサプリとか機能性食品を摂ってもほぼ効果がないんじゃないかと思う。


その点、私のお守り型魔道具は確実に効果があるんだけどなぁ。

まあ、記憶力アップの魔道具の場合、使っていないとそのうち記憶は薄れるけど。でも少なくとも精神に刻み込む段階のヘルプ効果は現実にしっかりある。


とは言え、そんな事を主張しても信じてもらえないだろうし、下手に科学的に証明なんぞされたら後が怖い。


諦めて受験生用にお守りを売り出してその後の利用を期待するしかないかなぁ。

イマイチ『お守り』と言う宗教色の強い形を取るのは微妙な気分だけど。

まあ、諏訪神社だったら回り回れば白龍さまを崇めているんだし、碧パパは購入者がちょっと敬虔になり過ぎても悪用しないだろうから、極端に心配はいらないだろう。


それはさておき。

「取り敢えず、その魔道具を使った状態でハイランキングなプレーヤーの動画を見てみたらどう?

どう言う動きが最適解かを覚えておいたら、実際に自分がやっている時にそう言う場面に行き当たったら直ぐにどう動けば良いか判断できるんじゃない?

ついでに源之助がテレビの前で邪魔していてもゲームの中でどうなっているかも推測しやすくなるかもだし」

上手くいくかは知らないけどね。


少なくとも、ゲームの動画を沢山流したらそのうち源之助が飽きるかも?

でも引き取ってから数ヶ月、飽きずに毎晩夕方のニュースでお天気お姉さん(お兄さんの日も)の棒先に猫パンチを繰り出している事を考えると、源之助が慣れてゲームに興味を示さなくなって来る可能性は低いかな?

そう考えるとモグラ叩きチャンピオンシップへの参戦もありかも。

動画を配信したら猫好き仲間が増えそうだし。


家の中のプライベートな部分を映さずに動画を撮影するのは難しそうだけど。


「そうだねぇ。

取り敢えず暫くトッププレイヤーの観察に時間をかけてみるかぁ。

ちなみにこの魔道具って自分で魔力を充填して四六時中使っても大丈夫なの?

世界がゆっくり動く様なのって中々面白いし、退魔協会の人とのやり取りでも常にベストな対応を吟味して対応出来そうなんだけど」

碧がコントローラーを下ろしながら聞いてきた。


「魔道具的には魔力を充填するならそれなりに連続使用しても大丈夫だし、摩耗して壊れたら新しいのを作るけど・・・ずっと使っていると疲れると思うよ?」

個人差はあるけど、度のキツイ眼鏡をずっと掛けっぱなしにしているような感じなんだよね。

まあ、白魔術師の碧なのでそこら辺の疲労感を癒せる可能性もあるが。


やっぱ白魔術師って良いよなぁ・・・。



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