表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
220/1363

練習あるのみ!

パシパシパシ!

源之助がテレビの画面で動く光を叩いている。


「にゃ〜!やっぱ邪魔〜!

源之助、お願いだから慣れるまでは邪魔しないで〜!」

その後ろで碧がコントローラーを振り回しながら叫んでいる。


認識と思考の速度を上げる魔道具を作って渡したんだけど、あれって体の反応速度そのものは早くならないんで、最初は思った通りには対応できないんだよねぇ。

しっかり状況を把握して最適解を選んで行動できるから、慣れれば普通の反応速度で体を動かしても十分効果があるんだけど、慣れるまでは無駄に体を早く動かそうとして疲れるだけになる事が多い。


ある意味、達人が必要最低限の動きで攻撃を捌いて勝利するのと同じ事が出来る様になるのだが、実際にそれをやるには練習が必要なのだ。


達人になれる程の才能も修行も必要ないけど、ある程度の練習は必須。

お陰で前世ではあまり人気は無かった。

まあ、通好みで時折物凄く好きな人も居たけどね。


黒魔術師でも魔力を体にガッツリ流し込めば反射神経や筋力を上げられるが、筋力があまり無い私は基本的に認識と思考速度アップで大体の場合は済ませていたからそれなりにこれを練習したものだ。

物理的な身体能力を直接魔力で上げると後で筋肉痛が辛いんだよ・・・。


白魔術師に頼めば直してくれるけど、大抵の場合は『そのまま耐えた方が筋肉が育って次回もっと効果が出るかもよ〜』と唆れて『じゃあ、我慢するわ』と言ってしまって苦しむ羽目になったので、最初から筋肉痛にならない対応手段を磨いたのだ。


まあ、王宮魔術師の私が肉体的に身を守る羽目になる事は滅多に無かったけど。

それでも時折はあったんだから、それを考えると日本の平和さってある意味特異だよねぇ。


だから(平和さよりも魔道具を作るのに適した素材がなかったのも大きかったけど)今世では私もこの魔道具は作らなかったので、今回作成するのにそこそこ試行錯誤する羽目になった。

ただでさえ和紙と雑草と言う特殊な素材を使う上に、作ったのをラミネートするなんて言う変則的な固定化方法だし。


でもこれで碧はコントローラーとかその他諸々を壊さないし筋肉痛にもならないですむ!

まあ彼女の場合、筋肉痛は問題じゃあ無いが。


それはさておき。

碧が上手く魔道具の効果を活用できる様に私も自分の認識と思考速度を上げて見ているんだけど・・・猫の反射速度って凄いね!!!

しっかり画面の中を流れていく碧の銃弾を叩いている。


これで銃弾じゃなくって敵兵を撃つようにコントローラーの使い方を教え込めたら無敵なんじゃない??


肉球はコントローラーを動かすのに向いていないし、タブレットのスクリーンをタップするタイプのFPSゲームでも撃つアクションはまだしも、狙うアクションは肉球には難しいからなぁ。


FPSじゃなくってモグラ叩きのオンライントーナメントみたいのがあったらやらせてみても良いかも。


賞金でおやつ代ぐらい稼げるかも?

まあ、気まぐれだからしっかり制限時間一杯まで叩きまくってくれるか不明だけどねぇ。


猫って気まぐれですぐに飽きる時があるかと思うと延々と飽きずにず〜っとちょっかいを出し続ける時もある。

基本的にこちらの都合の悪い方向に行動するから、モグラ叩きゲームで名を馳せさせようとしても上手くいかないかな?

物欲センサーならぬ、飼い主欲センサー?


「画面の動きを見たら一拍考えてから攻撃する感じで動くといいんじゃないかな?

その魔道具は見た瞬間に即座に反応できるようなタイプじゃなくて、視覚情報をしっかり認識して最適な対処方法を判断して対応する為のツールだから、反射神経的な対応じゃあダメだよ」

源之助の邪魔に関しては無視して、碧に魔道具の効果的な活用方法を教える。


前世だったらそれこそ近接戦闘をやらせて体に叩き込むんだけど、碧は戦闘術は基礎すら習ってないからなぁ。

攻撃に対してどう動けば良いのかそのものを知らない素人相手に、慣れていない格闘術で叩きのめしたところで、あまり意味は無いだろう。


どうすっかね?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ