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転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?!  作者: 極楽とんぼ
団塊ジュニア世代の大移動

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しっかり対処した方が良さげ?

 がっつきはせず、だがもう一度温泉をしっかり楽しもうと比較的急いでサクサクとランチを食べ終わった私達は、また受付に来ていた。

 幸い今回もまたあの呪われた次期女将さんが対応してくれた。


 呼び出してもらうのは理由をでっち上げるのが中々難しそうだからね。

 居てくれて良かった。

 お客様ファーストな姿勢は好ましい。彼女は一体誰にどう言う理由で呪われているんだろ?


「あ、先ほどはどうも〜。

 もう一度お風呂に入らせて下さい」

 碧がにこやかに次期女将に話しかける。


「はい、どうぞ。

 昼食はどうでしたか?」

 次期女将(『岸坂』と名札が書いてある。考えてみたら、こう言う女将って一族経営的なところが多いと聞くから、次期女将も現女将も同じ苗字なんじゃないんかね?)がにこやかにタオルを取り出しながら聞いてきた。


「美味しかったです!

 露天風呂も先ほど短時間しか入れませんでしたが素晴らしかったし。

 もう一度楽しんできます!」

 タオルを受け取りながら私も答えておく。手には直接触れなかったが、オーラと言うか穢れというかにちょっとだけ接触して確認できた。

 うん、やっぱ不妊の呪いだね。


「良かったです。

 よろしかったらまたお越し下さいね。

 夜の宿泊も良いですよ?

 ここの本館は桜の木から切り出した古い板を使っているので、木目が凄く綺麗なんです」

 岸坂さんが教えてくれた。


「桜の木、ですか。

 まっすぐ育たなくて板を取るのが難しそうですが、その分艶とかもあって素敵そうですね。

 そう言えば、両親が昔ここに泊まったと離していたんですが、天井が綺麗だと言っていたかも」

 碧が相槌を打つ。


「ここは古い武家屋敷を改装して使っているので、商業ベースでは売り出さない様な木材が使われたらしいです。

 ご両親もこちらに滞在していただいた事があるのですか。

 ありがとうございます」

 岸坂さんが応じる。


「ええ、実は退魔師なんですけど依頼でここを知って気に入り、仕事の合間にここに夫婦で静かな時間を楽しみに来ていたらしいです。

 ちなみに、岸坂さんも今まで退魔協会に依頼を出したことってあります?」

 碧がさりげなく親のことから退魔協会へ話を繋げていく。


「いえ、特に最近はそう言う必要はない様ですね」

 ちょっと目を丸くして驚いていたが、さり気なく岸坂さんが応じた。


 一応退魔協会の事は知っているみたいだね。

 もしくは客の言う事に否定的に応じない様、自分を律しているだけかもだが。


「岸坂さん個人の問題として、一度退魔協会に確認の依頼を出してみると私生活の悩みが解消するかもしれませんね〜。

 では、もう一度露天風呂に入ってきます!

 今度はちょっとサウナも楽しんでみようと思っているんですよ」

 碧が楽げに言いながら、彼女の分のタオルを受け取って受付から離れた。


 ちょっと呆気に取られたように岸坂さんが我々を後ろから見ているのを感じられたが、さてどうなるかな?



「さて、問題は彼女が不妊を私生活の悩みとして認識しているかだね〜」

 脱衣所で服を脱ぎ、さっと体を流してまたもや露天風呂に行きながら碧は低い声で呟く様に言った。


 他にも中年女性3人組が露天風呂に入っていたが、かなり広い岩風呂なので反対側の端に居れば声を抑えた会話が聞こえることは無いだろう。

 多分。


「出来ないな〜とは思っていても、ああ言うのは運次第って考えもあるからね。

 不妊治療を受けようかと考え始めている程度かも?」

 これで本気で嫌がらせをしているなら、転嫁先は夫かもだね。なんかそこそこ近くに居そうな感じだった。

 そうすれば、呪詛返しをされても目的は達せられる。

 夫の浮気相手による嫌がらせだったらそれは無いかもだが、


 まあ、既婚男性と浮気する上に妻に嫌がらせに呪詛をかける様な女だったら、自分のスタイルが悪くなって大変な思いをする妊娠なんて真っ平ごめんだと思っていて、男性側が精子障害を起こして子供を持てなくなったら却って喜ぶかも?


 旅館の跡取り問題が起きるけどね。


「まだ若そうだし、旅館運営なんて忙しいだろうから妊活が思う様に出来なくても不思議はないだろうからねぇ。

 まあ、後で声を掛けてきたら、ちょっと影が見えているって言ってあげよう」

 碧が頷きながら言った。


「退魔師の事を知っている相手だし、極めてプライベートな話だから、それこそ旅館宿泊券数回分で助けてあげても良いけどね」

 退魔協会に呪った相手を探すところまで依頼しようと思うと、かなり高くつくからねぇ。


 首都圏近くのそれなりに良い旅館の女将とかオーナー一族だったら、問題なく資金力がある可能性は高いけど。


 何方にせよ。ここで単に転嫁を回避して返すだけだと、後が怖い。

 普通の呪詛だったら倍返しで相手が身動き取れなくなる事が多いが、今回は不妊なんていう、体に直接不調を齎す呪いじゃないからね。

 それこそ、下手をしたら返されたことすら気付かず、岸坂さんが妊娠した時に失敗したと気づいて階段から突き落とそうとするとか言う直接的な動きになる可能性もある。


 さて。

 どうなるかなぁ。

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― 新着の感想 ―
客商売だとそういう伝手が必要になることも有るんでしょうね と言うか呪いがある世界では必須?
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