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転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?!  作者: 極楽とんぼ
最後の式典

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卒業式

 色々と諏訪の部屋の準備をしたり、東京で退魔協会の依頼を受けたり、カリスマ祈祷師の手伝いをしたりしていたら、いつの間にか卒業式当日になっていた。


 時の流れが早い〜。

 大学に入学して、サークルを探して次の人生の役に立つかもとラノベ生活クラブに入る事にして歓迎会で碧に会ったのが、ついこないだの様な気がする。

 あっという間に四年間が過ぎていた。


 まあ、私はそれほどハードに働くつもりはないから、モラトリアム期間が終わってもそれ程残念じゃないけどね。


 ただまあ、感慨深い。

 今日は先日の昇級祝いの退魔協会のパーティの時に着た服に、新しいボレロを買ってそれと合わせて着ている。

 美容院でもっと華やかな感じに髪の毛を結い上げて、メークもして貰ってるけど。

 退魔協会のパーティより、卒業式で友人相手に最後の見栄張りの方が断然重要。


 周囲もかなりお洒落な格好をしている女性が多い。

 男性陣は地味にスーツを着てるだけだけどね。何人かは和服の袴を着てるのもいる。

 一口に和服と言っても、女性の着物の方が華やかで良いと思うのか、和服率は女性の方が高い。


 こう見ると、男ってお洒落な人だと着飾る機会が無くてちょっと残念かも?

 ネクタイやカフスボタンで飾っても、小さいからさりげないお洒落にしかならないからねぇ。

 女性の方が圧倒的に選択肢は広い。

 ただし、その代わりにお洒落にそれほど興味が無くても、女性だと色々と服を買い揃えなきゃいけなくて、高くつくのは微妙。

 男性は数枚のスーツを着回してもOKだろうが、女性はそうもいかないからねぇ。

 と言うか、女性の服は素敵だったら目を引くから記憶に残りやすい。バリエーションも果てしなく多いから、似たようなのを着ていると『同じ服をまた着てる?』と憐れまれかねない。


 その点、男性のスーツはねぇ。

 色も地味な黒、茶色、グレー、青程度しかないから似たようなの(もしくは同じの)を着ててもあまり注意を引かないだろう。


 お洒落にそこまで興味がない私としては、ちょっと羨ましい。

 その点、前世では魔術師のローブを上に羽織っていれば下に何を着ているかなんてほとんど見えなかったから楽だったんだよねぇ。

 実質奴隷な生活は辛かったが。

 服に関してだけは、前世の魔術師としての方が楽だった。


 そんなことを考えているうちに、大学の記念館が卒業生で埋まってきた。

 もうそろそろ開始時間かな?

 学部で座る区画が指定されるので、入ってきた順番で座るから仲の良い友人と座れなくもないが、碧とは別れている。


 まあ、碧とはこれからも一緒に働いていくので、今日は別々でも構わないんだけどね。

 途中で見かけた同学部の友人何人かと一緒に座っているから、私も一応ボッチじゃないし。


 そんなことを考えていたら、扉が幾つか閉められたのと同時に突然誰かの愉悦に塗れた思念が、薄らと聞こえてきた。

『ふはははは、これで皆全滅だ!

 今年の卒業生は誰も居なくなれば、また採用活動が始まる。

 俺は今度こそ選ばれるに違いない!!』


 うん?

 誰にも触れてないのに思念が聞こえてくるなんて珍しい。誰か、片鱗だけとしてでも魔術師の才能を持つ人間が物凄く興奮している?


『全滅だ』なんて随分と物騒なことを考えているが。

 近くをそれとなく見回すが、思念の主と思われる人間は見当たらない。

 微妙になんか、聞き覚えというか記憶にある思念な気がするんだけど。誰だろ?


 と言うか、『全滅だ』なんて言って卒業生の席のど真ん中にいる可能性は低いか。

 高みの見学っぽい感じに皆が死ぬ(?)のを見ようとしているなら、端の上の方の家族席?


 記念館が広いせいで後ろや横のスタンド席(って言うのかな?)にいる人の顔なんてはっきり見えない。

 もしくは上の方の通路みたいなところから見ている?


『さあ、これでこの扉も開かなくなる!

 警備員が邪魔で全部の扉は封鎖できなそうだが、火事になったらメインの大きな扉が開かなければパニックになって将棋倒しで皆大怪我する!

 その間に煙に巻かれて死ね!!』


 更に物騒な計画が聞こえてくる。

 扉を封じているって事は、外??

 記念館の講堂部分の外で、扉に何か細工しているの??


 既に卒業式の開始時間になったと言うことで殆どの扉が閉められているし、今更外には出られない。

 慌てて隠密式クルミを取り出して、魔力を与える。

『廊下に出て、誰かが扉を塞いでまわっていないか確認して!』


『分かったにゃ!』

 クルミが飛び出した後に、今度はハネナガを喚び出す。


『なんだ?』

 ハネナガが召喚の魔法陣から現れた。

 クルミに魔力をたっぷり上げた後にハネナガにも魔力を多めに与えて召喚したので、ちょっと頭がクラクラしてきた。


『どこか、この中か周辺で火が出てるかもなので、探して?

 もしも可能だったら、消すかスプリンクラーにでもぶつかって起動させてちょうだい』

 一応追加で魔力を使えば、多少ならばハネナガも現実の物理世界に干渉できる。

 大きな炎が上がっていたらどうしようもないが、まだ火災警報器も鳴っていないし煙の臭いもしていない。


 どこかに暫くしたら火が広がるようにタバコでも仕込まれているんだったら、その程度ならハネナガにでも消せるかも?


 スプリンクラーが起動したら折角の髪型が台無しになるが。

 まあ、煙に巻き込まれた時点で煤だらけになるのだ。

 お洒落は諦めよう。



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― 新着の感想 ―
思考が駄々漏れって「サトラレ」を思い出しました
王様の仕立て屋とか読んでると、スーツはスーツでおしゃれというかファッションで言うと魔境… わからん人には皆同じに見えるし、実際リクルートスーツとかの吊るしの出来あい着てるだけとか、夜中にモーニング着て…
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