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転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?!  作者: 極楽とんぼ
呪われてる(?)一族

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合意形成出来るのか

「もしもし。

 曽根大輝です。

 また退魔協会そちらから、我が一族の契約を解除する依頼を受けて術師の方々が来ているのですが。

 契約解除の依頼は本家の血を引いた人間から正式に依頼がない限り、絶対に受けないでくれと前回の時にお願いした筈ですが、その記録が消えてしまいましたか?」

 大輝氏が電話に出た遠藤氏に冷たい口調で問い正した。


『いえ、その要請はこちらのシステムにも記録されております。

 今回は現当主である曽根 晶氏からの依頼でしたので、お受け致しました』

 淡々とした声で遠藤氏が答えたのが携帯のスピーカーから聞こえてくる。


 おやま〜。

 当主でっか。

 そろそろ寿命が切れるって時期になって怖くなったのかな?


「〜〜あの人は!!

 分かりました、父を捕まえて依頼撤回の連絡を入れさせますので、また後で」

 そう言って、大輝氏がブチっと通話を切った。


「どこにいるんです?」

 大輝氏が奈緒子さんに冷たく尋ねる。


「さあ?

 退魔師の方と協力すると言っていたので家にいる筈だけど、遅れているようね」

 奈緒子さんが答える。


 バン!

 まるで奈緒子さんの言葉を待っていたかのようにそのタイミングで勢いよく扉が再度開き、いつの間にか居なくなっていた少女が初老の男性の手を引いて入って来た。

「お祖父様はこちらに!

 シアタールームで野球を見てたわ!」

 おや?

 当主の晶とかいう人が祖父なら大輝氏が少女の父親、奈緒子さんは曽祖母ってやつかな?

 晶氏の妻は既に亡くなっているのか、今回の依頼に反対しているのか。余程老け顔って言うんじゃない限り、奈保子さんは晶氏の妻ではなく、母親だろう。


 早ければ40代、遅くても50代で死ぬとなると、比較的早いタイミングで子供を産んでいるみたいだね。

 今時の、生物学的時計バイオロジカルクロックぎりぎりな35歳前後で子供を産むスタイルでは運が悪ければ子供が小学生の間に死んじゃうもんね。

 曽根一族の人間は、沢山遺産を貰える代わりにさっさと子供を産むのに合意してくれる配偶者をみつけなきゃいけないんだろうなぁ。


 だが出産を急ぐ理由として一族の呪い(契約)の事を話すと、今回みたいに勝手に解除しようと動くのか〜。

 まあ、それを防ぐために契約解除の依頼は曽根家の血を引く本家の人間が依頼しない限り受けないようにって退魔協会に言ってあったのに、当主とやらが迫りつつある死期にぶるったようだね。


「父さん。

 勝手に一族の命運を地に落とすような行動は取らないでくれ。

 我々の人生でもあるんだ」

 大輝氏が父親へ責めるように声を掛ける。


「いや、完全解除しようとした訳じゃないんだ。

 だが、今じゃあ昔と状況が違うだろう?

 人生50年じゃないんだ。金があるなら80歳どころか90歳まで生きる人間の方が多いんだから、50歳で終わらせる契約は不当だろう!?

 だからそこを説明して契約条件の変更を求めようとしただけなんだ」

 ちょっときまり悪そうに男性が言い訳をした。


 まあ、確かに人生50年だった時期だったら50歳って言ったらもう後進に全てを任せて引退している頃だよね。

 それが今じゃあ、まだ定年退職まで10年以上もあるタイミングだ。

 元が『最後を少し短くして成功を得る』って言う契約だったとしたら、確かにちょっと今の日本の平均寿命の実情と合ってないかもだね。


 とは言え、以前は食べるのに精一杯で移動だって東京や伊勢にでも行けたら一大イベントだった時代だった筈。それが今では世界中どこでも飛行機に乗って動き回り、過去の遺跡や美術品を見て回れるのだ。

 人生をどれだけ楽しめたかって点を比較するなら、最近の50代で死んだ曽根家の人間はご先祖様から『色々楽しめて、ずるい!!』と言われそうだけどね〜。


「そんなの、こちらの都合じゃないですか。

 かのお方がこちらの要求を聞く理由がないでしょう。

 不遜な要求をして、契約を解除するとか、条件変更のために今生きている曽根家の人間の健康なり寿命なりを寄越せとか言われたらどうするのです。

 父さん1人の命や健康を対価に寿命を伸ばす方向で契約変更を試みるのは勝手にしてくれれば良いですが、我々を巻き込まないで貰いたい」

 大輝氏が父親に詰め寄る。


 まあ、そうだよねぇ。

 一族全員の条件を変えるなら、一族全員からその対価が徴収されそう。

 だとすると、一族で相談して多数決ぐらいとってなきゃ。

 せめて本家の人間らしき大輝氏と娘さんは相談されるべきだったよね。


 当主として、曽根家の財産を処分するとか退魔協会へ依頼費を払う権利はあるだろうが、息子や孫の命を対価にする権利はない。


「で、どうします?

 契約解除ではなく契約変更の問いかけを試みるのは良いですが、あちらが早とちりして契約を解除してしまったり、怒って条件をさらに厳しくする可能性だってありますから、そこら辺をしっかり理解して利害関係者間で合意していただかないと困ります」

 碧が部屋の人間全員に尋ねる。


 どう考えても、当主だけの依頼をそのまま受けたら不味いよね〜。

 余波が他に行くかもなんだから、せめてここにいる曽根家の血を引く人間からは合意を貰えないと。


 ……今日は帰れるのかな?


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― 新着の感想 ―
生物学的時計からしたら十代で子作りするヤンキー夫婦の方が自然なんですよね 子作り子育て世帯の負担軽減は喫緊の課題だと思うのですが
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