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転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?!  作者: 極楽とんぼ
大学4年

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狙いが分からない

「はい、ウチの父親の北海道出張のお土産〜」

 マンションに帰り、既に帰宅していた碧に父親から巻き上げた北海道のお土産を渡した。

 なんと、あのバカ親父ったら職場の部下や秘書にはチョコのお土産を買っていたのに、お見合いの話をする為に呼び出す事にしていた私にはお土産を買ってなかったのよ!?

 信じられない!!

 母には一応買ってあったのでその点は合格だが。

 取り敢えず、単価が一番高い秘書用のを強奪してきた。

 最近だったら東京駅とかデパ地下で幾らでも北海道産のチョコを入手出来るのだ。

 明日は少し早く家を出てお土産になる何かを買って行けばいい。


「あら、ありがとう。

 そう言えば、お父さんは何の用だったの?」

 早速箱の包みを破りながら碧が尋ねる。


「お見合い。

 なんか向こうで知り合った取引先とめっちゃ気が合って、その人の息子がいい年してまだ結婚していないからお見合いして将来親戚になれたらそれも良いかも?!って盛り上がったらしい」

 おっさん二人で将来子供を通して親戚になろうと盛り上がるなんて、キショい。

 そんなにその取引先と気が合ったんだったら、父親が自分で北海道に移住してその取引先の会社にでも再就職すれば良いのよ。

 第一、取引相手の男性の息子だって30前らしいから、今時の感覚としては別に遅くない。


 あまりにキショいので、何か魅了でも掛けられたか重度な意思誘導でも受けたのかと父親の精神をじっくり調べたが、特にそんな形跡は無かった。

 どうも美味い蟹と酒にうっとりして、気分が高揚しただけらしい。

 ウチの父親って美味しい物を食べさせると洗脳状態に近いぐらい人の話に流されやすくなるんだね。酒の場で仕事関係でやらかしたと言う話は聞いたことがないから、家族のこと限定で変になるのかね? 

 迷惑極まりないんだけど〜。


 そう言えば、以前お見合いの話を持ってきた時も、どこか美味ししい店で夕食を食べている時に盛り上がったとか言ってたかも?

 困ったもんだ。

 母親の食事だってそれなりに美味しいのに。

 高級な酒と合わせると駄目なのかなぁ?


「お見合い?!

 まだ大学も卒業してないのに!!

 しかも北海道の人って……その息子さんは東京にいるんだよね??」

 碧が目を丸くした。


「北海道への旅費と滞在費を払うし、なんだったら卒業旅行にあっちに行って会うのも良いんじゃない?なんて言っていたから、北海道だと思うよ。

 なんか父親に会う前にも、大学の教授から奨学金か助成金かが出るから北海道大学でゼミの教授の助手チックな事をしながらあちらで研究をしないかって話もきたんだよねぇ。

 怪しいでしょ?」

 どちらか片方だけでも十分怪しいが、両方なんて偶然ではありえないだろう。

 とは言え、偶然ではない露骨な怪しさを演出しちゃうなんて、相手が誰だか知らないが企みとしてアホすぎると言う気もするんだよねぇ。


「はぁぁぁ??!

 お見合いだけでなく、北海道で研究員??

 凛って法学部じゃない。

 法律関係の研究って東京でやる方が現実的な適用性があるんじゃないの?」

 チョコに見惚れていた碧がグリっと首を曲げてこちらを見た。


「だよねぇ。

 マジもんの研究じゃないと思うけど。私を釣る為に苦しいけどこじ付けに使ったんじゃないかな?

 誰かから、碧に新しいパートナーを紹介しますとか、北海道に引っ越しませんかとか言った話が来てない?」

 どう考えても私を餌に碧を釣ろうとしているか、もしくもっと言う事を聞く人間を相棒として私の代わりに押し込みたいかといった狙いがあるでしょう。

 これで相棒が若い男で将来的に結婚して子供を産んでくれたら更に理想的だろうけど、流石にそこまでお花畑に夢を見る人間はいないだろう。

 多分。

 じゃなきゃ、マジで北海道という私が慣れていない土地に誘き出して誘拐か抹殺を考えている可能性もゼロではないかも。


「え〜?

 相棒を変えろなんて話は来てないわね。

 北海道は……こないだの退魔協会の月報に、北海道の方へ移住しませんか〜って広告は出てたね。

 北海道の方で色々と開発が進んだり外人が増えたりで、悪霊系の問題だけでなく呪詛や呪詛を利用した産業スパイもどきな動きが増えてるらしいよ?

 人手不足で困っているから、引越し代及び住居補助を出す上に移住ボーナスも払います!って書いてあった」

 碧が言った。


 そう言えば、そんな話をしていたっけ。

 諏訪の代わりに北海道へ引っ越す?って冗談まじりに話し合ったのだが、夏だけならまだしも冬は寒いから嫌だと言う結論になったんだよねぇ。


 色々開発が進むと退魔師の需要が増えるなら、九州も大きな半導体工場を作ってる筈。夏は北海道で冬は九州に暮らすって形で両方で家具付き住居を提供してくれるなら、そう言う働き方も考えても良いかもね〜なんて笑っていたのだ。


 マジで誰が何の目的で私を北海道に誘い込もうとしているんだろ??

 取り敢えず、父親に話を持ってきた取引先の人と、ゼミの教授に話を持ってきた人とそのスポンサーに関して、興信所にでも調べて貰おう。





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― 新着の感想 ―
余計な費用負担は痛いですね 結構な金額になりそう
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