表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?!  作者: 極楽とんぼ
大学4年

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1380/1408

良くやった!

「長谷川さん!」

 講義が終わり、学食に向かっていたら後ろから声を掛けられた。


「あらお久しぶり?

 でもないかな?

 最近はどう?」

 近藤さんには特に会いたくは無かったけど、会って声を掛けられたからには応じない訳にはいかないからねえ。

 まあ、幸いにも彼女は比較的マトモだ。

 付き合っている友人が微妙なだけで。


「お陰様で元気よ!

 亜希子も退魔協会の人に祓って貰って元気になったし。

 退魔協会を紹介して貰えて本当に良かったわ〜。

 お礼にランチを奢るわ。学食だけど」

 悪戯っぽく笑いながら近藤さんが言った。

 そう言えば、あの強烈なインカ人(多分)悪霊に取り憑かれていた人の名前って亜希子さんだったっけ?

 興味がなかったから忘れてた。


「そう?

 じゃあまあ、遠慮なく」

 危うくあの西江美夜に粘着されるところだったのだ。

 お詫び代わりに学食のランチぐらい奢って貰ってもいいだろう。


「そう言えば、聞いた?

 なんかうちの大学の生徒でキャバクラで働いている人がいたらしいのよ!

 卒業間際になってきて、バイトを辞めることになったから最後のひと稼ぎって事でサークルの男どもを手当たり次第に引っ掛けて貢がせていたんですって。

 なんか理事会のお偉いさんの息子も被害に遭っていたとかで、あっという間に卒業資格取り消しで退学になったらしいわよ〜」

 生姜焼き定食とプリンの支払いをして貰って適当に空いていたテーブルに座り、食べ始めようとした所で近藤さんがちょっと声を顰めて言ってきた。


 ゴフッ。


 思わず咽せたが、幸い何も口に入れる前だったので少し唾を肺に吸い込んだ程度で済んだ。

 なんかめっちゃ心当たりのある話題なんだけど〜。

 と言うか、男子生徒に貢がせただけで退学??


 1年の時に私らの酒にヤバい薬を仕込んでとんでもない事をやらせようとした遠藤(だったっけ?)とかが刑事告発されても結局自主的な退学で済んだ(退学《《勧告》》ってそう言う意味だよね?)のに、貢がせただけで問答無用の退学??

 学内の偉い人の身内に被害が出ると対応が早い上に厳しいのねぇ。

 ……なんかちょっとムカつく気がしないでもない。


 と言うか、これがあの粘着女(八代アヤカ)の事でない可能性もゼロではないけど、こんな短い期間に同じ様な問題が別々に2回も発覚するなんてないよね?


「なんかこう、リベンジポルノとかで脅して女性に水商売をやる様強制したって言うなら兎も角、思わせぶりな行動を取って貢がせた程度で退学ってちょっと行き過ぎな気もしないでも無いね」

 貢いだ男の方だって、あの態度だったら相手がどんな女かは薄々分かっていただろうに。


 ラノベの逆ハーな話を読んでも思うけど、多人数の男相手に媚びてプレゼントをおねだりする相手に貢ぎまくる男ってそれで周囲からの信頼と銀行残高を損ねても自業自得だよね?

 友人とかにそれなりに忠告されただろうし、ちゃんと目を開いて周囲を見ていれば現実は見えただろうに。


 マッチングアプリとかで知り合った女性に単独で会っていて騙されたって言うなら同情の余地はあるけど、あれだけキャバクラ嬢的なムーブを手当たり次第にかましているのを笑いながら見ていた人間に『騙したな?!』なんて憤慨する権利はないと思う。


 と言う事で。

 昼食後にチャットアプリで西江に連絡してみたら、大学構内に居たので待ち合わせてみた。


「結局、あの粘着女を暴露したの?

 なんか聞いたことがある様な事件が発覚して女子生徒が退学になったって噂を聞いたんだけど」

 涼しいがまだ日が出ていれば気持ちがいい程度の気温だったので、外を歩き回りながら西江に聞いた。


「ああ。サークルを辞めた友人に相談したら、彼の従兄弟もあの女に引っ掛かって彼女と別れる羽目になった上にかなり貢いでいたらしくてね。彼女が水商売のプロ(キャバクラ嬢)だと教えたら、憤慨して従兄弟の父親にチクったら一気に話が動いたみたいなんだ」

 ちょっときまり悪げに西江が教えてくれた。


 なんできまり悪いんだろ?

 私に状況のアップデートを知らせなかったから?

 それとも彼の思っていた以上に話が大きくなったからかね?

 私にアップデート情報を伝えなきゃいけない義理は特には無かった。となると、粘着女の退学にまで事態が進展することが想定外だったのかな?


「退学では卒業できないし内定取り消しで、これからも本格的に水商売で食っていく羽目になりそうだね〜。

 でもまあ、折角それなりにいい大学に通っていたのに安易にヤバいバイトなんぞした上、学内の友人である筈の学生を手当たり次第に引っ掛けて貢がせて食い物にした時点でこの大学の卒業生と言うブランドを持つのに相応しくないって大学側が判断したのも当然なんじゃない?

 キャバ嬢だってバラした事で彼女の将来設計が台無しになろうと、自業自得でしょ。

 気にする必要は無いと思うよ?」

 と言うか。

 そんな人間がウチの大学の卒業生にいたら、迷惑だわ。

 苦労して入り4年間それなりに頑張って卒業するところなのに、あの粘着女が将来に事件を起こして報道されたりしたら卒業生としての価値が大暴落だ。

 そうじゃなくても、普通にあの女が社会に出たとしても『あの人、〇〇大卒なんですって〜。あの大学って良いところだと聞いていたのに幻滅〜』なんて言われることになりかねない。

 卒業しちゃったら卒業資格剥奪なんて無理だろうから、手遅れになる前に丁度いい相手に暴露してくれてGJ(良くやった)






 これでこの話は終わりです。


 明日は休みますが明後日からまたよろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
これで、ご本人も一番適性のある職業を続ける決心がついて 良かったかも知れませんね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ