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転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?!  作者: 極楽とんぼ
大学4年

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冤罪防止は重要

「おはよう」

 大学の構内を歩いていたら、後ろから声を掛けられたので振り向いたら西江クン(呪われた妹を助けたら両親が居なくなってしまったちょっと不幸な青年)だった。


「あらおはよう。

 なんか随分と薄着ね?」

 そろそろ涼しくなってきたのに、薄いTシャツだけとは少し見ていて肌寒い。


「最近自転車通学しているんだ。

 上に羽織るジャケットは持ってきているよ」

 カバンを軽く叩いて見せながら西江が答えた。どうやら自転車で大学に着いたばかりでまだ汗ばんでいるから薄着なようだ。


「へぇぇ?

 ちゃんとヘルメット被ってる?

 見た目はアレだけど、命を救うかもしれないんでしょ?」

 それに被っていないと通りすがりの白バイとかに止められて注意されるかもだし。

 確か、ヘルメット着用は現時点では努力義務だから罰金はないだろうけど、目についたら注意されそう。


 ついでに信号無視とかしていたら罰金を取られる確率も上がるかも?

 流石に携帯を見ながらの『ながら運転』はしてないと思いたいけど。

 自転車での『ながら運転』は歩道を走ってたら人を怪我させかねないし、車道でやったら下手したら交通事故で死にかねないからねぇ。

 リスクが高すぎて、選択肢として無いと思いたい。


「ちゃんとヘルメットは買ったよ。

 それなりに交通量の多い道を走るしね。

 自転車で車道を通ってみると、路駐している車が多くて意外と本気で怖い」

 顔を顰めながら西江君が応じる。

「車を運転している側にしても、路駐車やそれを避けて車道に出てくる自転車は本当に邪魔なのよねぇ。

 アレ全部、自動的にレッカーされちゃえば良いのに」

 都内で車を運転すると路駐車を避けて右のレーンに割り込まなきゃいけない事が多くて、本当に神経を使うんだよねぇ。

 歩いている時に路駐してある車を見ると、思わず嫌がらせで鍵でドアを引っ掻いてやろうかと思うぐらいムカつく。


 ある意味、歩道に停めてある大して害もない自転車やバイクを駐禁にしたり撤去しまくるよりも、ああ言う路駐車をガンガン取り締まってくれればいいのに。まあ、視覚障害者用の黄色いブロックの上に停めてる自転車はさっさと撤去すべきなのは合意するが。

 街中で緑色の制服を着た二人組の老人(女性の時もあるかも?)が自転車やバイクの路駐を取り締まっているのをちょくちょく見るが、マジで路駐車も手当たり次第に取り締まって欲しい。


 ついでに、白バイも原付の3車線道路での右折禁止を取り締まるのに時間を掛ける代わりに、迷惑駐車を取り締まれば良いのに。

 ガンガン路駐を取り締まれば、ちゃんと皆が駐車場を使うようになる。多分。ならなくても、自治体の赤字軽減に役立つだろうし。

 あと迷惑なのは、朝の9時前に路駐している大型トラック。

 何故かちょっと早めな朝とかにがっつり道に停めて休んでいるっぽいのを時折見かける。

 折角朝早く家を出て、気持ちよく空いた道を進んでいたら突然混み出したと思ったら大型トラックが何台も並んで路駐して2車線を1車線にしてるなんてことが偶にある。

 アレも迷惑。折角早起きしたこっちの努力を台無しにしやがって〜って感じる。


「本当にね。

 路駐通報アプリでもあれば良いのに。

 まあ、通報したところで警察も一々それに対応する暇がないんだろうけど」

 溜め息を吐きながら西江が言った。

「前から自転車通学だったの?」

 以前よりも日焼けしたような気がするが、気のせいかな?

 男性だったら生っ白いよりは多少は多少日焼けした方が健康そうに見えるし、ビタミンDの生成の為にもある程度の日光は良い筈。とは言え、老後にシミが出るかも知れないからある程度以上日に当たるなら日焼け止めは塗った方が良いかもね〜。


「いや。

 なんか最近サークルで知り合った女に粘着されている感じがしてね。

 家まで着いてきているとは思いたくないけど、下手をしたらやるかもと思って」

 西江が溜め息を吐いた。

 おやま。

 確かに言われてみたら彼ってそれなりに顔つきや体型は整っている方かも?

 今は親が失脚しちゃったけど、元はそれなりに良い家の息子だったからそれとなく気品がある気がしないでもないし。

 金持ちなボーイフレンドを欲しがっている女には当たりに見えるのかもね。

「うわぁ。

 ストーカーっぽいの?」

 普通にアピールされているだけだったら通学方法を変えたりしないよね?


「全くこっちの言う事を聞いてくれなくて、頭がおかしいんじゃ無いかと思うぐらい自分に自信がある女なんだ。

 彼女面するから何度か違うって言っているんだが、そのうちストーカー化しそうで怖い。もしくは、最近はちょっとキツイ言い方で寄らないでくれって言っているから、もしもこっちの言う事にちゃんと耳を傾けたら今度は報復で混んでいる電車とかで痴漢の冤罪を掛けられるかもって心配になってきて」

 ちょっと悪寒がするかの様に腕を摩りながら西江が言った。

「え。

 そんなのありなの??」

 痴漢って女性が被害にあう行為だと思っていたが、男には冤罪リスクがあるのか。


「最初に会った頃に、電車で痴漢に遭いかけて怖い思いをしたって話をして周囲の同情を引いていた事があるんだよ。

 考えてみたらそんな痴漢にあっても黙っている様なタイプじゃない気がするから、下手をしたらそれも報復冤罪だったかもって最近気になって」

 暗い顔をしながら西江が言った。

 なんか色々と苦労が多い人だねぇ。

「サークルの知り合いなんでしょ?

 だったら一度サークルの皆で一緒にスマホで写真を撮っておいたら?

 痴漢だって騒がれたら、サークルの知り合いなんだからやる訳がない、言い寄られて迷惑だから断ったから嫌がらせをされたんだって主張しやすくなるかも?」

 そうしたら今度はその女の方から西江君がストーカーだと言われるかもだが、少なくとも痴漢と違ってストーカーは直ぐには起訴されたりしないからね。


 殺人に繋がりかねないストーカーの方が、命の危険はない痴漢よりも警察の対応が甘いってなにか間違っている気がしないでもないが、電車で変に騒がれたらお互いに相手がストーカーだと水掛け論争をする方がまだマシだろう。

 痴漢は下手をすると呆然としている間に前科持ちにされかねないらしいし。


 どちらにせよ。

 自転車通学に切り替えたのは1番の冤罪防止策かもね。


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― 新着の感想 ―
路駐通報アプリは良いですね! あったら頻繁に通報してしまうかも
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