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転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?!  作者: 極楽とんぼ
大学4年

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天罰発動〜

「火の鳥君はちょっと休んだら帰るって。聖域で休めば問題なく帰れそうと言っていたわ。

 私たちは明日の予定があるからもう帰るけど」

 聖域から出た碧が待っていた二人に告げた。

 『ちょっと休む』のが年末ぐらいまでになるかもだけど、本鳥の言葉が『ちょっと』と『暫くしたら』だからね。人間と感覚が違うことを態々説明する必要はない。

 こちらも適当についでがある時しか聖域を確認するつもりは無いし。サンダーバードと仲の良い(忘れて置き去りにされたけど)火の鳥だ。彼がこの地を発つ時に別れに一報入れるかは怪しいから、旅立った日は正確には分からないままいつの間にか居なくなっている可能性も高い。

 どちらにせよ、下手に孵化までに暫く時間が掛かるなんて言ったら、纏わりつかれる良い口実になってしまう。


 考えてみたら、火の鳥の卵って白龍さまに鷲掴みされて境界門を飛んで渡っても大丈夫なぐらい丈夫なのかな? それだったら白龍さまが年末より前に里帰りする予定があったら、その時についでに持って行って貰えば良いんだろうけど。

 本体に戻った白龍さまが掴んだら卵が割れるかどうかを試したりはしなかったが、白龍さまが助けるとか持っていくとかって言わなかったのって興味がないからなのか、卵がそう言う点ではデリケートだからなのか、尋ねなかったんだよね〜。

 火の鳥君も3〜4ヶ月掛かるのを全然気にしていないっぽかったし。


 普通の動物はまだしも、熊ぐらいだったら火の鳥の卵でも潰せたりするかもだが、聖域の結界は人間に危険だったり極端に迷惑な生き物は通さないようになっているらしいから、大丈夫だ。


 どうせだったら虫とかも全部通さないようにしてくれれば良いんだけどねぇ。

 流石に全ての虫類を排除しちゃったら植物も受粉とかで困るから、蝿以下ぐらいのサイズの虫は通しているらしい。

 と言うか、元々虫を排除しなきゃと言う意識は白龍さまには無かったらしいが、碧が子供の頃に頼み込んだらしい。

 過去の愛し子は男性が多かったのか、あまり虫を気にするタイプは居なかったんだろうね。


『あら、そうなの?

 だったらfirebirdが帰る前に最後にまた話したかったんだけど。彼が聖域から出たら危険なら、短時間でいいから私を中へ入らせてくれない?』

 カレンがまたもや意思誘導を練り込んだ念話混じりな英語で話しかけてきた。

 これで孵化に年末まで4ヶ月間掛かるなんて言ったら、ひたすら碧に付き纏って意思誘導なり洗脳なりをやろうとしてきそうだ。


 まだ意思疎通とちょっと軽いお願い程度にしか力を使ってないから天罰デフェンスが起動していないようだが。


「先祖代々の聖域なの。

 凛みたいに仕事のパートナーとして一族の人間に認められたならまだしも、赤の他人で全然見も知らぬ外人を入れるなんて、絶対に無理ね〜」

 碧が軽い感じにあっさり断った。

 弱いとは言え、意思誘導の力を掛けられてそれに抵抗しなきゃいけないせいでイラっとしているみたいだ。


「ちなみに、今のって念話?

 英語なのに、日本語みたいに意味が分かったわ。

 どうやってやっているの?」

 キャロルがカレンのやっている事に気付いているのか、試す意図も含めて興味深げに質問してみる。

 黒魔術師がどの程度忌避される存在なのか、この質問の答えで分かるかも?

 まあ、アメリカと日本じゃあ常識も忌避の基準も違うかもだが。


「ネンワ? ああ、mindspeech?

 Englishがそれで二人にツウジルようになるのね!

 ニホンゴもそれで分かるの?」

 キャロルがポンと手を打ってカレンに尋ねた。

 どうやら念話を使える黒魔術師であることは既に知っていたようだ。念話を使っているのは気付いていなかったようだが。

 意外とオープンなんだね。

 まあ、黒魔術系の適性で出来ること全ては公に知らせていないと思うけど。

 どう考えても、キリスト教圏では死霊使い(ネクロマンサー)は魔女以上に抹殺対象だろう。


「A little」

 カレンが英語で短く答えた。

 念話を使っていると言うのはあまり公にしたくないみたいだね。


「電車の時間もあるし、帰りましょう?

 駅まで送るから」

 碧が二人に声をかけて車の方へ戻り始めた。


 さて。

 カレンはどうするかね?

 このまま車で緩い意思誘導を混ぜた声を掛け続けるか、どこかでがっつり力を掛けた洗脳を試みるか。

 念話を混ぜた声にがっつり力を込めるとそばにいるキャロルや私にバレるけど、それでもいいと思っているのか、それとも転び掛けてうっかり触れたみたいな感じで接触して力を流し込むのか。


 そんな事を考えながら車に戻ったら、カレンが車に乗り込もうとしていた碧の腕にそっと手を触れた。

『今回は本当にどうもありがとう。

 是非お礼に本国の先祖の聖地とかもお見せしたいから、良かったら近いうちにでも遊びに来て下さい』

 バチィ!!

 念話混じりの声を掛けたカレンの手が碧から弾かれ、彼女は尻餅をついた。


 やったね!

 天罰デフェンス発動!

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― 新着の感想 ―
あーやっちゃいましたか 天罰の件、依頼する側が黙ってたかも?
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