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お目付け役だったんだ??

 ジェームス達からの接触は次はどんな形になるかと話しながらお守りを作っていたら、遠藤氏から思いがけない電話が掛かってきた。

『ジェームス・ケルン氏が、藤山さんをアメリカへ来ないかと執拗に勧誘していて迷惑を掛けていたようだとキャロル・グリフィスさんから同じ留学生として謝罪の連絡があったのですが、実際のところはどうなのか、教えていただけますか?』


 ええ〜?!

 キャロルがチクったの???

 あの頭がお花畑なんじゃないかと思われるジジイの退場へ一助になるかもと言う事で、天罰を通して世界の平和に貢献できるかもと期待していたのに。


「ええ、事実です。

 ですが、自発的にあんな信じ難いほど自己中で男尊女卑で白人至上主義な男がトップにいるような国に行くつもりはありませんから、心配しなくて良いですよ?

 無理強いしようと黒魔術師の力を不当に使ったり、権力で脅したりしたら天罰デフェンスが起動しますし」

 碧が平然と答える。


『いえいえ、幾ら先にあちらから手を出された結果だとしても、流石に世界で一番大きな国のトップが日本の神から天罰を下されてダウンするなんて事態になったら色々と不味いですから。

 ケルン氏には契約違反という事で帰国して貰います』

 遠藤氏が慌てたように応じた。


 あら。

 だめ?


「変な圧力を政治家経由で掛けてくるようなトップは退場してもらう方が良くないですか?

 口で勧誘する以上の事をしなければ問題は無いんですし」

 思わず口を挟む。

 マジで4年後の大統領選挙前に世界が滅びそうで不安なんだよねぇ。


 北の熊の国のトップにも出来れば退場して貰いたいが、あっちの方はまだ日本にはそこまで被害は無いし、やる事もそこまで想定外じゃないし、ある意味元々仮想敵国の一つだったから異常行動をされてもそれこそ核ミサイルを発射しない限り日本にとってそこまでダメージはないと思う。


 だが、アメリカはねぇ。

 日本にとっての最大同盟国なのだ。

 そこのトップが自分の成果を国内に誇示する為に赤い国や熊の国に日本やヨーロッパを売ったり、防衛の為と言う口実で同盟国の領土を力付くで奪い取ったりしかねないっていうのは、危険が大きすぎてヤバい。


 マジでアメリカ人は何を考えてあんな狂人をトップに選んだんだろ??

 まあ、同盟国を経済面だけでなく政治的・領土権利的に恫喝し始めたのは大統領選挙後だったけど。


 とはいえ、そう言う言動をしても支持率が暴落していないんだから、アメリカ人にとってはああ言う行動も許容範囲内なのかね??


 怖すぎる。


『アメリカだって能天気な人ばかりではないですから。

 天罰の危険性をちゃんと理解して、それが落ちないように見張り役としてグリフィスさんを同行させたのだと思います。

 ここで彼女の警告を無視して敢えて天罰デフェンスが起動するように行動すると、勧誘に関与していない勢力からもアメリカに対する敵対行為だと思われかねません』

 遠藤氏が説明した。


 あ〜。

 そうなの?

 良識的な人だったらあのトップを排除出来るなら天罰デフェンスを活用したいかと思ったけど、自分達の権力の元であるあの大統領を手放す気は無いのかな?


 もしくは、アジアの猿に良いようにされるのは幾ら都合が良くても許せないとか?

 最近は人種差別とかも人間としてやるべきで無い行動だって流れになってきていた様だからアジア人を猿と見下すアメリカ人も減ったかな〜と思っていたんだけど、人種差別を撤廃する為の規則とかを実質違法扱いしているあの大統領を選んだ事を考えると、相変わらずあの国にとって白人以外は下等人種なんだろうなぁ。


 それはさておき。

 キャロルは天罰デフェンスが起きない様にするジェームスのお目付け役だったのかぁ。


 まあ、中国でハニトラの余波がそれなりに上の方まで行ったらしいから、中国がハックした日本の情報を入手したらしきアメリカだって、天罰デフェンスの危険性の情報はあるのだろう。


 能天気なトップは自分は大丈夫だと思ったか、中国側の被害情報を嘘だと思ったのかもだけど、誰かが危険性をしっかり認識して手を打ったんだね〜。


 そう考えると、アメリカってそれなりに出来る人もまだ政府内に居るようだ。

 大統領が自分に胡麻をすらない人間はガンガン首を切りまくっているって毎日の様にニュースになっているから、無能しか残っていないか、有能な人間は首を切られた人のカバーに忙しくてまともにリスク管理なんぞ出来ないかと思っていたけど、逆境に負けない程有能な人も残っているんだね。

 そんな国なのになんであんなトップを選んだのか、マジで理解に苦しむわ〜。


「そうですか。

 どちらにせよ、ジェームスが変な事をしなければ天罰も落ちませんし、我々から何かアクションを起こす気はありませんから」

 碧が遠藤氏に告げた。


 残念だねぇ。





 取り敢えず、ここでこの話は終わりです。

 やっぱアメリカ大統領を下しちゃ不味いかなと言う事で、ジェームス君には退場して貰いました。


 明日は休みますが、また明後日からよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
久しぶりに最初から読み返して、ようやく最新話にたどりつきました。 頻繁に誤字報告を送ってすみませんでした。 いつの間にか、1200話近くになってたんですね。 長く続けていただけるのは嬉しいし、読み応…
ミッショインポッシブル:花札爺に天罰を を三章位使って書いてくれると楽しそうです この物語とは違う世界観になってしまいそうですけど
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