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重なるかも?!

「なんか退魔協会が物凄いこのアプリに入れ込んでいるみたい。

 独身の退魔師業界の人間は軒並み退魔協会から登録する様にプッシュされたんだって。

 両親の知り合いにも、一族の人間が独身だったら才能がなくても取り敢えず登録する様に勧めてくれって連絡が来たらしいし」

 実家とチャットアプリで話していた碧がリビングに戻ってきて言った。


「へぇぇ。

 庶子の家出娘が先祖ってだけなウチの家族には流石に連絡が来なかったみたいだけど、確かに碧のとこだと分家とか他の退魔師の家系とか、ガンガンお願いされそうだよね」

 考えてみたら、就職する代わりに退魔師のところに弟子入りしようかとか言っていたあの先輩のところにも話がいっているのかも?


 と言うか、あの先輩って結局どうしたんだっけ?

 四年になって就職活動が上手くいかなくなってからサークルの後輩にカンパを求めるあの計画性の無さを鑑みるに、あれと結婚したら絶対に苦労しそうだが。


 子供が欲しい退魔師の女性が、同業者じゃないけど親や退魔協会から煩い事を言われない種馬が欲しいと思っている場合とかならアリかもなのかなぁ。

 種馬扱いじゃなくても、頼るつもりもない単に一緒に時間を過ごすだけの相手だったらああ言う軽いタイプでも良いのかね?

 レジャーとかの遊びに行く時はフットワークが軽かったらしいから、仕事がない時に楽しく時間を過ごす相手としては悪くないのかも?


 下手をするとヒモになりそうだけど。

 いや、先輩は実家の方の会社で適当なお飾りポジションを貰えそうだったから、少なくとも金銭的にはヒモにならないで済むかな?

 自尊心が傷つけられたと感じたら色々拗れそうな気もするけど。


「考えてみたら日本自体の少子化がヤバいレベルなんだから、国ももう少し実効性がある政策を取ってくれれば良いのにね。

 そう考えると、あのアプリも悪くはないアイディアなのかもね。

 ちょっと親世代の夢が詰まりすぎでやる気が失せるけど」

 碧が笑いながら言った。


「碧はいつぐらいまでに結婚したいとか、あるの?

 相手を業界内で選びたいなら、このアプリで出てくる相手と取り敢えず会う事にしてみるのもありかも?

 そっと現場のそばに私も出向いて変な下心がないかとか、ヤバい性癖がないかとか、確認するのを協力するよ?」

 藤山家は中々良い感じな家庭だから、ああ言う家族を自分も持ちたいと思っても不思議はない。


 まあ、碧の場合は白龍さまの愛し子と言う価値があるせいで下心持ちが寄ってきそうで相手を厳選しなくちゃダメだろうが。


「う〜ん、そのうち?

 ある意味、急がないと妊娠しにくくなるとか言う心配はないから、のんびり運命に任せる感じで良いかな〜って思ってるんだよね。

 凛はどうなの?

 別に前世のことを話さなきゃ結婚できない訳じゃないんだし、退魔師の人が相手だったら家事も五分五分で分担できそうじゃない?」

 碧が指摘した。


「あ〜確かにねぇ。

 私の場合って共働きなのに母親ばかりが子育てや家事の大部分をやっているのを見て育ったから、なんかこう結婚って不公平と言うか搾取されるって言う印象を持っちゃうんだよねぇ。

 昔父親になんで授業参観とか町内会の皆でやらなきゃいけない掃除とかに母親ばかりが参加するの?って聞いたら、会社でそう言うのに行くために休みを取ろうとすると『奥さんの都合が悪いならしょうがない』って毎回言われるせいで、ついつい母親の都合がつかない時だけ父親が出る形になっちゃったって言ってたの。

 なんか育休取得の男女差とか家事時間負担の国毎の比較とかを新聞で見ると、日本じゃあ今でも普通のサラリーマンが相手だったら両親の状況と極端には変わって無さそうだから、つい結婚に対して微妙に抵抗を感じちゃうんだよね」

 と言うか、退魔師という融通の効くフリーランスかつ高給取りな仕事をしている自分がサラリーマンと結婚したら、まず間違いなく専業主婦並みに家事や育児をやる事になりそうだ。


「ウチの実家は神社の宮司とその妻って形だったからね。

 サラリーマンの共働き家庭での不公平感は無かったかな。

 でも確かに、私も凛もサラリーマンと結婚したら家事や育児負担の不公平さにブチ切れそうだね」

 碧が頷いた。


「そう考えると、退魔師のあまり旧家じゃなくて出来れば長男じゃないのがいたら当たりかもね?

 まあ、そういう男性は人気があって直ぐにアプリから消えちゃいそうだけど」

 少なくとも退魔師な女性だったらそういう男性を狙いそう。


「ふむ。

 そっか、だったらあのアプリの設定も、問答無用で全部お断りってするんじゃなくて、退魔師で長男じゃなくて旧家じゃないって条件の相手は紹介してくれても良いよってしておく?

 同じ相手が紹介されて微妙な状況になりそうだけど」

 碧が言った。


 確かに、誰かに惚れたって言うのではなく、単に『これで良いか』程度の条件で選ぶ様な打算の結果だったら、条件に合う人間がいたら碧と私とで同じ男性が紹介される可能性は高いかも?


 うわ、それで碧とのパートナーシップが破綻したら嫌だな。

 だったら、先に碧の相手を探してから私もって感じにした方が良いかも。


「取り敢えず、アプリに来るお勧めされた男性が重なるか、確認してから考えよう」


 まだ大学生だし、先の話だしね。


 


 ちょっと盛り上がりに欠けますが、アプリの結果はまた別の話にすると言う事で、この章はこれで終わりにします。


 明日は休みますが、明後日からまた楽しんで下さい!



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― 新着の感想 ―
>急がないと妊娠しにくくなるとか言う心配はない それはスゴく大きなメリットですね 父母共に高齢になるほど障害を持った子供が生まれ易くなることは もっと周知されるべきだと思います
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