表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1157/1366

やっぱ駄目か

「退魔協会の受付嬢とかが結婚願望が強いと従兄弟に言われてあちらとの合コンもどきにも参加してみた事があるんだが……。

 露骨に資産目当てか、『退魔師じゃ無いなら才能持ちの自分より下』と上から目線で図々しい要求をする様なのが多くてね。

 まともに退魔師として働いている女性の方がマシなんじゃ無いかと親戚とかに紹介を頼んでいたら叔父がちょっと熱心にやり過ぎたようだ。

 済まなかった」

 私の断りの言葉に、意外にも拓海氏はあっさりと頷き、更に謝罪までしてきた。


 おお〜。

 想定外にまともじゃん。


 それはさておき。

「やっぱ、受付嬢達はダメですか」

 私に対して意味のない嫌がらせをする時点で、人格的に問題ありそうだな〜とは思っていたんだよね。

 ワンチャン男相手ならマトモな様子を見せるかもとも思っていたが、その場合子供はどうなるんだろうとも多少心配していたが、旧家でも退魔師じゃない男にはちゃんと猫を被るのすらしなかったか出来なかったらしい。


「私としては相手の感性が許容範囲内ならば、契約結婚的な感じで社会的地位と金を提供する代わりに子供を求めると言うドライな関係でも良かったんだけどね。

 退魔師の才能がないと言うだけでマウントを取りにくるような女は困る。

 それこそ、才能を持たずに産まれた子と才能持ちな子とで露骨に扱いを変えそうだ」

 拓海氏が言った。


「ああ、確かに子育てに不安が残るような相手は怖いですよね〜」

 と言うか、あの受付嬢達って退魔師になるだけの魔力か知性が無かったから受付嬢なんて言う比較的単純な労働をやっているのに、退魔師じゃないと旧家の直系男性でも下に見てマウントを取るんだ??

 びっくりだねぇ。


「退魔師の才能が覚醒するのだって10代半ばまでぐらい掛かるのだろう?

 その時点になって才能が無かったと分かってもう一度妊娠をと言う訳にはいかないからね。

 最低でも二人、出来れば三人子供が欲しいんだ」

 拓海氏が言った。


 そっかぁ。

 確かに、子供の頃は才能持ちかなんて分からないよね。

 拓海氏の父親は希望的観測で長男が才能持ちだろうと期待して妻に二人目を産むなって言ったのかな?


 ある意味、拓海氏にとって周囲と自分が諦めるまでは10代って居心地が悪かったんだろうなぁ。

 基本的に目の前の人間がどの位の魔力を持っているかは魔術師なら隠蔽されてなければある程度は分かるから、拓海氏に大した魔力がないのは父親だって知っていただろう。でも人によっては少ない魔力でもそれを体外に出して魔術として具現化出来るタイプもいるからね。

 そっちであることの期待を捨てきるのに時間が掛かったんだろうなぁ。


 とは言え。

 契約結婚もどきで三人も子供を産めって難しくない??

 愛に溢れる結婚生活だったら子供をどんどん産もうと言う気になるかもだけど、経済的下心に基づく結婚で三人は厳しそう。


 やっぱマトモそうに見えてもちょっと男にありがちな『出産は女が自然にやることだから、難しくはないだろう?』的な上から目線な考え方だなぁ。


 最初の一人は産んで貰えるにしても、そのあとはこっそり避妊薬を飲まれそうじゃない?

 まあ、それこそ卵子だけ提供してもらってどっかで代理母を雇って出産してもらうと言う手もあるかもだけど。


「ちなみに、退魔協会の職員でも受付嬢じゃなくて裏方の事務職員はもう少しマトモな人も居ますよ?

 旧家の奥様的なポジションを求めない人も多そうですが」

 と言うか、裏方の職員女性って退魔師になるだけの力が無かったから協会で職員になったにしても、退魔師の妻狙いでは無いタイプと、妻狙いだけどポジション争いで負けて裏方になってしまって受付嬢の誰かが抜けるのを虎視眈々と狙っているタイプと二通り居るって以前遠藤氏が何かの雑談の時に言っていたなぁ。


「なるほど。

 旧家の人間との合コンもどきな食事会に出てくるのは似たり寄ったりなタイプばかりだったんだが、出てこない女性もいたのか」

 拓海氏が呟く。


「退魔協会の男性職員にでも話を聞いたら良いかもですが、変な下心ありで美人局もどきに紐付きな女性を斡旋されたら困るかもですね」

 退魔師の旧家の跡継ぎの母親(長い!)を斡旋出来るかもとなったらそれなりに下心を発揮する人も居そうだ。


「取り敢えず、もう少し裏方の職員か、退魔師として働いている女性かで気が合う人と出会えないか、頑張ってみるよ。

 今回は叔父が変にゴリ押ししたようで本当に悪かったね」

 拓海氏が言った。


 まあ、美味しいタダ飯を高級レストランで食べられたし、変に粘着されないなら一回ぐらいは構わないよ〜


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
退魔協会の受付嬢は全員NGなんですねw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ