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厳しいかも

「え??

最近妙に消防車のサイレンの音がしょっちゅう聞こえるのって季節的に乾燥して風が強いからなんじゃないの??」

炎華のコメントに碧もびっくりした様に聞き返した。


『普通の火事って家の外で始まったりしないですから、意図的に火をつけている人間がいるのは間違いないと思いますよ〜』

炎華が応じる。


うわぁ。

「いやでも、建物の外で着火してるなら、消防署とか警察も放火だって分かっているよね??

なんで捕まってないんだろ?」

日本の警察は有能なんじゃ無かったの??


「利益とか愛憎みたいな動機があるならまだしも、単に火をつけるのが好きで目についた着火しやすい物に火をつけて回ってるんだったら難しいのかも?」

碧が指摘する。


「無差別放火魔かぁ。

でもそんなのが居るなら、家の外に燃える様な物を放置しない様にって注意喚起すれば良いのに」

と言うか、鉄筋コンクリートのマンションだったらそう簡単に外から放火出来ないよね?

としたら火事が起きているのって戸建てが殆どかな?

アパートとかもあるかもだけど。


でもアパートなんぞに火をつけたらマジで中の人が逃げ遅れて死者が出そう。

まだ戸建ての方が住民の数が少ないし火が付いたらすぐに分かりそうかも?


「戸建てが多い地区は町内会とかが可燃物を家の外に放置しない様にって注意喚起しているんじゃ無い?

ここだったら管理人さんか大家さんに伝えているんでしょうね」

碧が指摘する。


そっか、マンション周辺に燃やしやすそうなゴミとかが置いてあったら管理人か大家さんが撤去するから、そう言うのに関する注意喚起は我々にしてもしょうがないのか。


「考えてみたら普通の戸建住宅地じゃあ防犯カメラを設置している家も少なそうだから、犯人が歩き回っていても見つけにくいよねぇ。

そう考えると、放火魔を捕まえるのは至難の業?」

犯人は犯罪シーンへ戻ってくるって話だから、消火しているところへ集まる野次馬の映像を撮ってよく見かける人間がいたらそいつが怪しいかもだけど、その程度は警察とか消防もやっているよね?


「かもねぇ。

炎華は火をつけた人間が分かったりしない?」

碧が期待を込めて炎華に尋ねる。


『魔力で着火したならその痕跡を追えるでしょうが、『らいたー』やその他着火用の道具を使った場合は厳しいですねぇ。

火事の現場に居たらその炎との親和性で怪しい人物を指摘できるかもですが〜』

炎華が応じる。


炎との親和性??

「道具でつけた火でも、炎とつけた人間とに何か繋がりが残るの?」

ガソリンとか軽油を撒いて火をつけたなら臭いが残ってるって言うのは分かるけど、そうじゃ無い場合には何が繋がりになるのか不明だ。


まあ、炎華は炎系の幻獣だから、何か炎から情報を得られるのかもだけど。


『火が消火された後ではダメですが、まだ燃えている間だったら始めた人間との繋がりが残っていますから』

炎華が自信たっぷり(多分)に言った。


そうなんだぁ。

「う〜ん、ちなみに誰かが火をつけたらすぐに何処で火事がおきているか、分かる?」

碧が炎華に尋ねた。


放火魔を捕まえるのは私らの責任じゃないけど、危険だし消防車のサイレンが煩いし。可能ならば犯人を捕まえて止めたいよねぇ。

ただし、それがかなり困難な気がするけど。


『注意を払っていれば、分かるかもですかねぇ。

それなりに炎が大きくなれば分かりますが、つけて直ぐの細やかな炎じゃあ感知できるかどうかは距離によるかも?』

炎華はちょっと体を傾けながら言った。


「ちなみに、火事に気付いたとして、炎華が私たちを誘導しながら火事の現場まで行ける?」

走って3分から5分ぐらいでたどり着ける距離じゃないとかなり厳しいけど。

ついか、夜中に意味もなく出歩いていたらそれこそ私らが放火魔かと怪しまれそうな気もするなぁ。


『……寒いので、念話で伝えるだけでも良いですかね?』

炎華がちょっと嫌そうに応じた。


私らだって寒い中外に出るのは嫌なんだけどねぇ。


「念話で場所を教えて貰ったとして、そこに野次馬で集まっている連中の中から炎と繋がっている放火魔を指摘できるの?」

碧が尋ねる。


『……そちらに着いて呼んでいただければ現れますので!』

ちょっと考えてから炎華がぴょんと体を起こして得意げに言った。


「碧って正式に炎華と使い魔契約してないと思うけど、召喚出来るの?

あと、召喚の時に目立っちゃダメだよ?」

まあ白龍さま経由で呼べば使い魔契約なんて関係なしになんとかなる気がするけど。


『これ、怠け者な事を言うで無い。

ちゃんと直ぐに火つけ人を探し出せる様に、炎華も一緒に行くべきじゃろう』

白龍さまがパシリと炎華の頭を尻尾で叩きながら言った。


『は〜い、すいませんでした〜』

てへっと言う感じにクッションの上で転がりながら炎華が答える。


どうせ本体が大型トラックサイズの幻獣なのだ。

一月の東京程度の寒さでどうこうなったりはしないだろう。


問題は、火事が起きたのが分かったとしてもそこに私らが消火前にたどり着けるかと、犯人がその時点で残っているかだねぇ。


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― 新着の感想 ―
あ~、精霊でもお寒いのはあ駄目なのかあ
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